日産 セレナNISMO 試乗! チューニングのポイントはボディ補強…NISMOカーズ第1号
東京モーターショー2017で参考展示されていた日産『セレナ』のNISMO仕様車。21日、これが正式に発表になった。リリースに先立って行われたプレス向けのテストコース試乗のインプレッションと合わせて、「セレナNISMO」を紹介する。
セレナNISMOは、17年3月に設立された「NISMOカーズ事業部」として最初の車種となる。NISMOカーズは、レーシングカーとしてのNISMOブランドを持つロードカーを手掛ける部門。日産車のチューニングを専門とするオーテックジャパンの中に設立された。事業部名が示すとおり、NISMOブランドのロードカーを専門に扱っていく予定だ。
これまでもGT-Rやジューク、ノート、e-PowerノートにもNISMOブランドのロードカーは存在したが、すべてオーテックジャパンが架装・チューニングを施すコンプリートカーだ。
特徴は、インテリア、エクステリアの要所にあしらわれたNISMOレッドのラインやステッチが目を引く。フロントグリルとバンパーはオリジナルのデザインとなり、リアスポイラー、サイドシルプロテクター、リアディフューザーなどが追加される。フロントバンパーからサイドシルプロテクターのフィン、そしてドアミラーにはNISMOレッドのラインが引かれる。専用ホイールは17インチでタイヤはブリヂストンRE-003(205/50R17)を装着する。
内装もシフトレバー、ステアリング、ダッシュボード、ドアトリムなどにレッドステッチがあしらわれる。ステアリングは本革+アルカンターラ仕様だ。他にも専用のコンビメーターも装備される。細かいところでは、ナビの起動時に表示されるセレナのグラフィックイメージも、ちゃんとNISMO仕様になっている。
ここまでは、外観・ドレスアップ系の特徴だが、NISMOを冠するクルマならたとえミニバンでも走行性能に直接関係するポイントが必要だ。
まずフロントバンパーの両サイドには縦のスリットが入っているのだが、前面からサイドに流れる空気を表面とバンパー内部に道を作ってやることで空力特性をアップさせている。内装ではオプションながら専用設計のレカロシートの設定がある。ミニバンという特性を考えて、乗り降りしやすく座面横の立ち上がりを押さえているものの、セミバケットシートとしては十分なホールドを保つようになっている。後ろ側のアンカーをどこに着けるのか気になるが、4点以上のフルハーネスにも対応するようにシート背面にはベルト用の穴も開いている。
エンジン本体はノーマルセレナと同じだが、ECUのマップは変更されている。スタートから中間加速でのレスポンスをよりリニアになるようなセッティングだ。スプリング、ダンパーもスポーティな走りに対応するため、ばね定数、減衰率ともにアップされている。この専用サスペンションによりボディは15mmほどローダウンされる。
ファミリーカーとしてもじつはありがたいのはボディ補強だ。フロントの第1メンバーはクロスバーで補強され、サスペンション取り付け部のメンバーステーも補強される。ボディ底面にはセンタークロスバー、リアクロスバーが2本、横に入る。さらに縦方向にも2本、サブメンバーが追加されている。フロア下部が、角度のついた井桁の構造で補強されていると思えばよい。フロアの補強はこのサブメンバー、クロスバーだけではない。井桁リア部分をささえるように、斜めのサブメンバー、サブメンバーサポートも追加される。
このボディ補強によって、車体のねじり剛性は5%アップしている。似たようなボディ補強は、『e-Powerノート NISMO』でも施されているが、ボディサイズや構造が異なるミニバンに特化したアプローチでの補強ポリシーがうかがえる。
チューニングカーというとエンジンの改造に目がいきがちだが、エンジンだけいじっても車は速くならない。それを支えるサスペンションと、サスペンションを支えるボディやメンバー類がしっかりしていないと性能がでない。ボディ補強はチューニングの基本といってもよい。
しっかりしたボディは、高速での安定性だけでなくレーンチェンジやワインディングでの不快な揺れや不安定な挙動、パワーロスを抑えてくれる。乗り心地がよすぎる車は、レーンチェンジや山道で酔いやすいことがあるが、セレナNISMOはその心配は少ないかもしれない。
テストコースの試乗でも、ボディ剛性からくる安定感、操縦性の良さは感じた。スラローム的なレーンチェンジでもミニバン特有のヨー変化とその揺り返しが少ない。コーナリングもステアリングなりで曲がってくれる感覚だ。旋回中にロールが多いとステアリングを切り足してもすぐに曲がってくれない感覚があまりない。
ボディがしっかりしているので、サスやタイヤががんばって仕事をしてくれている(グリップしている)感覚なのだが、その分、若干横Gは強く感じるかもしれない。しかし、ドライバーと助手席はレカロシート(オプション)ならば、体が持っていかれるようなことはない。
サスペンションが少し硬くなっているので、荒れた路面や細かい凹凸があるような道では、若干小刻みな振動を感じるが、不快なロールやヨー変化が少ない分、乗り心地も悪くはない。ブレーキをちょっときつめに踏んでも、あまりノーズダイブすることなく減速Gだけを感じることができる。
NISMOカーズとしては、グローバルでの展開も考えて、今後も対応車種を増やしていくという。ウワサの『シルビア』についても(本当なら)NISMOロードカーを期待したい。
(レスポンス 中尾真二)
セレナNISMOは、17年3月に設立された「NISMOカーズ事業部」として最初の車種となる。NISMOカーズは、レーシングカーとしてのNISMOブランドを持つロードカーを手掛ける部門。日産車のチューニングを専門とするオーテックジャパンの中に設立された。事業部名が示すとおり、NISMOブランドのロードカーを専門に扱っていく予定だ。
これまでもGT-Rやジューク、ノート、e-PowerノートにもNISMOブランドのロードカーは存在したが、すべてオーテックジャパンが架装・チューニングを施すコンプリートカーだ。
特徴は、インテリア、エクステリアの要所にあしらわれたNISMOレッドのラインやステッチが目を引く。フロントグリルとバンパーはオリジナルのデザインとなり、リアスポイラー、サイドシルプロテクター、リアディフューザーなどが追加される。フロントバンパーからサイドシルプロテクターのフィン、そしてドアミラーにはNISMOレッドのラインが引かれる。専用ホイールは17インチでタイヤはブリヂストンRE-003(205/50R17)を装着する。
内装もシフトレバー、ステアリング、ダッシュボード、ドアトリムなどにレッドステッチがあしらわれる。ステアリングは本革+アルカンターラ仕様だ。他にも専用のコンビメーターも装備される。細かいところでは、ナビの起動時に表示されるセレナのグラフィックイメージも、ちゃんとNISMO仕様になっている。
ここまでは、外観・ドレスアップ系の特徴だが、NISMOを冠するクルマならたとえミニバンでも走行性能に直接関係するポイントが必要だ。
まずフロントバンパーの両サイドには縦のスリットが入っているのだが、前面からサイドに流れる空気を表面とバンパー内部に道を作ってやることで空力特性をアップさせている。内装ではオプションながら専用設計のレカロシートの設定がある。ミニバンという特性を考えて、乗り降りしやすく座面横の立ち上がりを押さえているものの、セミバケットシートとしては十分なホールドを保つようになっている。後ろ側のアンカーをどこに着けるのか気になるが、4点以上のフルハーネスにも対応するようにシート背面にはベルト用の穴も開いている。
エンジン本体はノーマルセレナと同じだが、ECUのマップは変更されている。スタートから中間加速でのレスポンスをよりリニアになるようなセッティングだ。スプリング、ダンパーもスポーティな走りに対応するため、ばね定数、減衰率ともにアップされている。この専用サスペンションによりボディは15mmほどローダウンされる。
ファミリーカーとしてもじつはありがたいのはボディ補強だ。フロントの第1メンバーはクロスバーで補強され、サスペンション取り付け部のメンバーステーも補強される。ボディ底面にはセンタークロスバー、リアクロスバーが2本、横に入る。さらに縦方向にも2本、サブメンバーが追加されている。フロア下部が、角度のついた井桁の構造で補強されていると思えばよい。フロアの補強はこのサブメンバー、クロスバーだけではない。井桁リア部分をささえるように、斜めのサブメンバー、サブメンバーサポートも追加される。
このボディ補強によって、車体のねじり剛性は5%アップしている。似たようなボディ補強は、『e-Powerノート NISMO』でも施されているが、ボディサイズや構造が異なるミニバンに特化したアプローチでの補強ポリシーがうかがえる。
チューニングカーというとエンジンの改造に目がいきがちだが、エンジンだけいじっても車は速くならない。それを支えるサスペンションと、サスペンションを支えるボディやメンバー類がしっかりしていないと性能がでない。ボディ補強はチューニングの基本といってもよい。
しっかりしたボディは、高速での安定性だけでなくレーンチェンジやワインディングでの不快な揺れや不安定な挙動、パワーロスを抑えてくれる。乗り心地がよすぎる車は、レーンチェンジや山道で酔いやすいことがあるが、セレナNISMOはその心配は少ないかもしれない。
テストコースの試乗でも、ボディ剛性からくる安定感、操縦性の良さは感じた。スラローム的なレーンチェンジでもミニバン特有のヨー変化とその揺り返しが少ない。コーナリングもステアリングなりで曲がってくれる感覚だ。旋回中にロールが多いとステアリングを切り足してもすぐに曲がってくれない感覚があまりない。
ボディがしっかりしているので、サスやタイヤががんばって仕事をしてくれている(グリップしている)感覚なのだが、その分、若干横Gは強く感じるかもしれない。しかし、ドライバーと助手席はレカロシート(オプション)ならば、体が持っていかれるようなことはない。
サスペンションが少し硬くなっているので、荒れた路面や細かい凹凸があるような道では、若干小刻みな振動を感じるが、不快なロールやヨー変化が少ない分、乗り心地も悪くはない。ブレーキをちょっときつめに踏んでも、あまりノーズダイブすることなく減速Gだけを感じることができる。
NISMOカーズとしては、グローバルでの展開も考えて、今後も対応車種を増やしていくという。ウワサの『シルビア』についても(本当なら)NISMOロードカーを期待したい。
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