トヨタ常務理事「約2台に1台がトヨタの電動車」…電動化技術の説明会を開催

トヨタ自動車の電動車両
トヨタ自動車は11月27日、東京・青海の「メガウェブ」で車の電動化技術に関する報道陣向けの説明会を開催した。そこにはハイブリッド車(HV)『プリウス』などの電動車をはじめ、これまで開発してきたモーターやバッテリーなどがズラリと並んでいた。

その裏にはトヨタが電気自動車(EV)など電動化車両について出遅れているとのイメージがあり、それを払拭したいという思いがあったと言っていい。冒頭に行ったパワートレーンカンパニーの安部静生常務理事の説明でも、「トヨタの電動化車両のシェアは40%を超えており、約2台に1台がトヨタの電動車」と強調した。

もちろん、その中にはトヨタが得意とするHVが含まれているわけだが、HVはガソリン車の延長と見られることが多く、またこれといったEVを販売していないことから、トヨタは電動化車両で出遅れているとのイメージが強くなってしまった。

「車の電動化には、モーター、バッテリー、PCU(パワーコントロールユニット)がコアとなる技術で、この技術があればさまざまなタイプの電動車をつくることができる。エンジンを組み合わせればHV、エンジンと電動機能を組み合わせればPHV、充電機能を無味会わせればEV、燃料電池と水素タンクを組み合わせればFCV(燃料電池車)をつくることができる。トヨタは20年以上にわたりHVに取り組み、着実に電動化技術を進化させ、商品力を磨いてきた」と安部常務理事は説明する。

トヨタが電動化車両で出遅れているというのはお門違いというわけだ。会場にはモーター、バッテリー、PCUなどの部品が世代別に展示されていて、そのほとんどがトヨタ独自で開発したものだ。パワー半導体についても、トヨタが独自で開発して生産している。説明会では、それぞれの部品について、担当者がその開発の経緯や仕組みについて熱心に解説していた。

しかし、EVについては多少の焦りもあるのも事実のようだ。その1つの表れがマツダ、デンソーとのEV新会社「EVシー・エー・スピリット」の設立だ。「この20年のHVの進化した技術は非常に有用で、確かにEVに適用することができる。しかし、われわれ自身でEVを開発しても、ビジネス的に苦しいのも事実。しかもこの悩みは自動車各社で抱えている。それならば、みんなで協力して開発するのはどうだろうということで、少量生産でビジネスを成功させているマツダさんに学びたいと新会社をつくることになった」と安部常務理事は話す。

新会社では、トヨタがこれまで培ってきた電動化技術を提供する。その電動化技術については、どこにも負けないとの自負があり、今後各国の規制を睨みながら、EVを含めたトヨタの電動化車両は一気に加速していくことになりそうだ。

(レスポンス 山田清志)

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