【WRC 第1戦】トヨタが2-3フィニッシュ、開幕戦ダブル表彰台を達成…優勝はフォードの王者オジェ

2018年WRC開幕戦モンテカルロの表彰台。左から2位タナク組、優勝オジェ組、3位ラトバラ組。
世界ラリー選手権(WRC)開幕戦「ラリーモンテカルロ」は現地28日に最終日のデイ4を迎え、トヨタ・ヤリスWRCを駆るオット・タナクが2位でフィニッシュ。ヤリ-マティ・ラトバラも3位に入って、トヨタはダブル表彰台獲得を達成した。優勝はフォードのセバスチャン・オジェ。

今季トヨタに新加入した#8 オット・タナクは前日のデイ3を2位キープで終えた時点で、最終日に向けてはこう語っていた。「(大きな)リスクをおかしてまで順位を上げようとは考えていない。ヤリスWRCでの最初のラリーでこの順位を走っていることに満足しているし、チームのためにもその方が良いだろうと思う」。33.5秒差の先頭を無理に追いかける構えは取らず、まずは移籍初戦で確実に2位を得ることを優先するクレバーな考えである。

そして迎えた競技最終日のデイ4、#8 タナクは2位を守ってラリーを終了(最終タイム差58.3秒)。昨年はフォード・フィエスタWRCで自身初優勝を含む2勝を挙げ、今季トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)陣営に加入したエストニア出身の30歳タナクが、移籍初戦から好パフォーマンスを発揮して見せた。

2位 #8 タナクのコメント
「こういう良いかたちでシーズンをスタートでき、とても嬉しく思う。非常に強力なチームに加わることができたと実感している。マシンは驚くほど素晴らしく、ラリー開始直後からずっと気持ち良くドライブすることができたよ。とても難しいコンディションでタフなラリーだったが、特に大きな問題を抱えることなく走り切れた。この後のラリーが本当に楽しみだ」

3台体制で臨んだトヨタは、#7 ヤリ-マティ・ラトバラも3位に入ってダブル表彰台。#9 エサペッカ・ラッピは最終結果7位だったが、デイ3終了時は4位で、その段階ではヤリスWRCが2-3-4位を固めていた。総じて好調と評していい今季初戦だった。

トヨタのチーム代表 トミ・マキネンのコメント
「とても素晴らしいシーズンのスタートとなりました。我々がWRCへの参戦を開始してから、チームは最も力強い状態にあると思います。チーム全員が全力でラリーに臨む姿を見て、本当に嬉しく思いました。また、オット(タナク)のチームに溶け込む早さ、そして彼のプロフェッショナルな仕事ぶりと吸収スピードに、とても感動しました。この調子を続けられれば素晴らしいことですし、次のラリースウェーデンがとても楽しみです」

開幕戦の優勝は個人王座6連覇を狙う#1 セバスチャン・オジェ(フォード)。モンテカルロは5年連続の勝利となった。4位にはシトロエンの#10 クリス・ミーク、5位にはヒュンダイの#5 ティエリー・ヌービルが入り、それぞれの陣営での最上位となっている。

開幕戦の好結果を受け、トヨタのチーム総代表でもある豊田章男社長は「素晴らしい結果でシーズンのスタートを切ることができました。このメンバーたちと共に今年もヤリスを走らせていけることを本当に頼もしく思います。アスファルト、雨水、雪、氷、泥の全てが入り混じった難しい道でヤリスをゴールまで運んで来てくれたマキネン代表、メカニックやエンジニアなどチームの皆、そしてなにより6人のドライバーとコ・ドライバーに敬意を表します」とコメント。

さらに豊田社長は「シーズンは始まったばかり。これから極寒、高地、灼熱、そしてライバルたちの熟成…。闘いは厳しさを増してまいります。もっといいヤリスを作るため…素晴らしいチームの仲間たちと、そして応援いただける全てのファンの皆さまと、世界中の道でヤリスを走らせていければと思います」と語っている。

好スタートを切ったトヨタはワークス参戦再開2年目での王座獲得を狙うことができるのか、次戦以降もその闘いぶりが注目されるところだ。全13戦の予定の今季WRC、第2戦は昨年ラトバラがトヨタの復帰1勝目を挙げたラリースウェーデン(2月15~18日)となる。

(レスポンス 遠藤俊幸)

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