【三菱 デリカD:5 新型】一般向け試乗会が開催、サーキットでいち早くドライブした感想は?
2018年末、ビッグマイナーチェンジが発表された新型『デリカD:5』は、特徴のあるフロントまわりのデザインが、国内で先行展示されたオートサロン2019でも注目の的だった。正式な発売日はまだ発表されていないが、先行予約も始まっており、ディーラーにも展示車両がだいぶ行き渡ってきたという。
◆国内初となる一般向け試乗イベント
ディーゼルの静粛性や多段8速ATなど、機能的な特徴も気になるところだが、なにより、まだ国内では型式認定が終わっていないので、仮ナンバー等での公道試乗ができない状態だ。三菱自動車は「公道がだめならサーキットで」と、新型デリカに試乗ができるイベントを1月20日に開催した。会場は千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイ。10台の新型デリカが用意され、日本国内では、初めて一般のドライバーが運転できる機会という貴重なイベントだ。
サーキット走行は、先導車ありで追い越し禁止だが、ストレートでは80km/h以上になる設定だった。走行には、助手席にインストラクターが同乗するが、家族などの後席同乗ももちろんできる。ドライバーは抽選なのだが、走行枠は1時間ごとに計6回あり、外れても何度も申し込める。家族参加でお父さん、お母さんともに試乗できた人もいた。
また、45度のスロープ、20度のキャンバー走行、ローラーなどを設置した特設コースでは、オフロード性能の疑似体験もできる。この特設コースはインストラクターの運転で、助手席や後席の同乗となるが、空しか見えない坂、そのままひっくり返りそうな傾斜は、一般ドライバーにとって貴重な体験だ。他にも、子ども向けのプレイコーナーや、ワゴン車によるケータリングサービスもあった。屋外のイベント会場で温かい調理したての食事がとれるのは、家族参加にはうれしい。
◆揺れが少なく乗り心地がよい
新型デリカの特徴として語られるのは、ディーゼルなのに各段に向上した静粛性だ。パワーアップしたエンジンも魅力だが、8速ATのスムースな加速、電動パワステの制御も、関連の記事でも取り上げている点。これらの評価は実際のところどうなのだろうか。参加者の声をひろったところ、すべてのインタビューで出たのは、車室内の静粛性への率直な感動だった。
ご夫婦とお子さん2名で参加した家族は、現行デリカに乗っており、都内在住だが家族旅行の際に青森まで車で出かけることもあるというドライブ家族だ。
お父さんは「現行デリカと比較すると、静かさは際立ちます。8ATの細かい制御はスムースでした。いまのクルマにはつけていないので、アダプティブクルーズコントロールはうれしいですね。」とスムースな走りを強調する。お母さんは「揺れが少なくて後ろの席の乗り心地が思ったよりよかったです」と後列シートの快適さを語ってくれた。
お子さんのうち、上のお兄ちゃんは、ナビの画面が大きくなったのに気づいたという。新型デリカD:5のナビ画面は10.1インチの専用大型ディスプレイが採用されている。大型ディスプレイは、ナビの見やすさに加え、今後は安全機能やコネクテッドカーのディスプレイとして重要な機能要素となってくる。
◆これからのクルマに必需品となるADAS
2010年式のデリカ、ガソリン車に乗っているというご夫婦は、普段は買い物、レジャーなどに使っており、キャンプなどもよく行くそうだ。運転はご夫婦両方と運転する。
「加速時はガソリン車よりも静かでした。ハンドリングもよく8ATのシフトもよいですね。電動パワステは、片手のホールドでもしっかり安定してコーナリングできるので驚きました。今のクルマはADAS機能などついていないので、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールは、これからのクルマにはぜひ必要な機能ですね。」というご主人に対し、「シートがよくなったと思います。ハンドルが軽くなったのがうれしいです。運転が楽になりました。主人は長距離運転ですぐ眠くなるので、自動ブレーキやクルーズコントロールがあると安心です(笑)」と奥さんは、安全装備を評価した。
e-Assistのほぼフル機能が設定可能な新型デリカにすれば、長距離ドライブで奥さんの交代時間を減らせるのではないだろうか。
◆欧州車で一般的なディーゼル+多段AT
最後に試乗イベントの狙いについて、イベントの企画も担当した鴛海尚弥氏(商品戦略本部 CPSチーム 商品企画 担当マネージャー)に話を聞いた。
・今回のイベントを企画した狙いについて
昨年11月に予約受注を開始させましたが、正式発売前なのでディーラーに展示車はあっても試乗車がない状態です。受注状況は、年末の時点で計画数をクリアするほど順調なのですが、予約済みの方には、実車を運転する機会を、候補として悩んでいる方には、一歩踏み出していただけるようなイベントとして企画しました。もちろん、そうでないみなさんにも新しいD:5を知ってもらうためのイベントになったと思います。
・参加者へのアピールポイント
ファミリーミニバンには、あまりディーゼルという設定はないのですが、欧州車ではディーゼル+多段ATの組み合わせは一般的です。新型デリカは、6ATから8ATに変更しましたが、エンジンとのマッチングのよさが魅力です。
エンジンは現行型ベースですが、ピストン、クランクシャフト等の形状変更などファインチューニングにより燃費とトルクアップを図っています。ATの多段化とあわせて、走行中の静粛性、加速のスムースさを、サーキットでの発進加速、上り坂、連続コーナーで体感してもらうようになっています。
◆斬新なフロントデザインは次のデリカへの挑戦
・参加者の声
イベントではインストラクターとして同乗させてもらいましたが、加速のスムースさはみなさん評価してくれています。それと静粛性ですね。静粛性は、遮音材の増強に加えて、ダッシュボードまわりの小さい穴などの処理にこだわりました。フロアマットも吸音性にすぐれた素材を採用し、ただの「愛車セット」のおまけではありません。機能部品として設計されたものです。
「ミニバンなのに安定している」という評価もいただきました。サスペンションの向上と電動パワーステアリングによって、コーナリングも安心してステアリングが切れます。とくに歴代デリカが大事にしている2列目、3列目シートの乗り心地もサーキットならではのコースで体感できたと思います。
・特徴的なフロントデザインについて
デリカは12年の歴史の中で、大幅なデザイン変更をしてこなかった車種です。そのため、今回のデザインについては非常にチャレンジングなものでした。デリカはオフロード走行も可能なミニバンとして、どちらかというと機能的な性能を追求してきた車種です。『ジムニー』のようにデザインを守るという考え方もありましたが、次のデリカにつなげるためにも、インパクトが必要と判断しました。悪路走破性などデリカの本質部分は変えず、むしろ性能を向上させたうえで、新しいユーザーへの訴求も考えました。チャレンジですが、いまの受注状況は一安心といったところです。
(レスポンス 中尾真二)
◆国内初となる一般向け試乗イベント
ディーゼルの静粛性や多段8速ATなど、機能的な特徴も気になるところだが、なにより、まだ国内では型式認定が終わっていないので、仮ナンバー等での公道試乗ができない状態だ。三菱自動車は「公道がだめならサーキットで」と、新型デリカに試乗ができるイベントを1月20日に開催した。会場は千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイ。10台の新型デリカが用意され、日本国内では、初めて一般のドライバーが運転できる機会という貴重なイベントだ。
サーキット走行は、先導車ありで追い越し禁止だが、ストレートでは80km/h以上になる設定だった。走行には、助手席にインストラクターが同乗するが、家族などの後席同乗ももちろんできる。ドライバーは抽選なのだが、走行枠は1時間ごとに計6回あり、外れても何度も申し込める。家族参加でお父さん、お母さんともに試乗できた人もいた。
また、45度のスロープ、20度のキャンバー走行、ローラーなどを設置した特設コースでは、オフロード性能の疑似体験もできる。この特設コースはインストラクターの運転で、助手席や後席の同乗となるが、空しか見えない坂、そのままひっくり返りそうな傾斜は、一般ドライバーにとって貴重な体験だ。他にも、子ども向けのプレイコーナーや、ワゴン車によるケータリングサービスもあった。屋外のイベント会場で温かい調理したての食事がとれるのは、家族参加にはうれしい。
◆揺れが少なく乗り心地がよい
新型デリカの特徴として語られるのは、ディーゼルなのに各段に向上した静粛性だ。パワーアップしたエンジンも魅力だが、8速ATのスムースな加速、電動パワステの制御も、関連の記事でも取り上げている点。これらの評価は実際のところどうなのだろうか。参加者の声をひろったところ、すべてのインタビューで出たのは、車室内の静粛性への率直な感動だった。
ご夫婦とお子さん2名で参加した家族は、現行デリカに乗っており、都内在住だが家族旅行の際に青森まで車で出かけることもあるというドライブ家族だ。
お父さんは「現行デリカと比較すると、静かさは際立ちます。8ATの細かい制御はスムースでした。いまのクルマにはつけていないので、アダプティブクルーズコントロールはうれしいですね。」とスムースな走りを強調する。お母さんは「揺れが少なくて後ろの席の乗り心地が思ったよりよかったです」と後列シートの快適さを語ってくれた。
お子さんのうち、上のお兄ちゃんは、ナビの画面が大きくなったのに気づいたという。新型デリカD:5のナビ画面は10.1インチの専用大型ディスプレイが採用されている。大型ディスプレイは、ナビの見やすさに加え、今後は安全機能やコネクテッドカーのディスプレイとして重要な機能要素となってくる。
◆これからのクルマに必需品となるADAS
2010年式のデリカ、ガソリン車に乗っているというご夫婦は、普段は買い物、レジャーなどに使っており、キャンプなどもよく行くそうだ。運転はご夫婦両方と運転する。
「加速時はガソリン車よりも静かでした。ハンドリングもよく8ATのシフトもよいですね。電動パワステは、片手のホールドでもしっかり安定してコーナリングできるので驚きました。今のクルマはADAS機能などついていないので、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールは、これからのクルマにはぜひ必要な機能ですね。」というご主人に対し、「シートがよくなったと思います。ハンドルが軽くなったのがうれしいです。運転が楽になりました。主人は長距離運転ですぐ眠くなるので、自動ブレーキやクルーズコントロールがあると安心です(笑)」と奥さんは、安全装備を評価した。
e-Assistのほぼフル機能が設定可能な新型デリカにすれば、長距離ドライブで奥さんの交代時間を減らせるのではないだろうか。
◆欧州車で一般的なディーゼル+多段AT
最後に試乗イベントの狙いについて、イベントの企画も担当した鴛海尚弥氏(商品戦略本部 CPSチーム 商品企画 担当マネージャー)に話を聞いた。
・今回のイベントを企画した狙いについて
昨年11月に予約受注を開始させましたが、正式発売前なのでディーラーに展示車はあっても試乗車がない状態です。受注状況は、年末の時点で計画数をクリアするほど順調なのですが、予約済みの方には、実車を運転する機会を、候補として悩んでいる方には、一歩踏み出していただけるようなイベントとして企画しました。もちろん、そうでないみなさんにも新しいD:5を知ってもらうためのイベントになったと思います。
・参加者へのアピールポイント
ファミリーミニバンには、あまりディーゼルという設定はないのですが、欧州車ではディーゼル+多段ATの組み合わせは一般的です。新型デリカは、6ATから8ATに変更しましたが、エンジンとのマッチングのよさが魅力です。
エンジンは現行型ベースですが、ピストン、クランクシャフト等の形状変更などファインチューニングにより燃費とトルクアップを図っています。ATの多段化とあわせて、走行中の静粛性、加速のスムースさを、サーキットでの発進加速、上り坂、連続コーナーで体感してもらうようになっています。
◆斬新なフロントデザインは次のデリカへの挑戦
・参加者の声
イベントではインストラクターとして同乗させてもらいましたが、加速のスムースさはみなさん評価してくれています。それと静粛性ですね。静粛性は、遮音材の増強に加えて、ダッシュボードまわりの小さい穴などの処理にこだわりました。フロアマットも吸音性にすぐれた素材を採用し、ただの「愛車セット」のおまけではありません。機能部品として設計されたものです。
「ミニバンなのに安定している」という評価もいただきました。サスペンションの向上と電動パワーステアリングによって、コーナリングも安心してステアリングが切れます。とくに歴代デリカが大事にしている2列目、3列目シートの乗り心地もサーキットならではのコースで体感できたと思います。
・特徴的なフロントデザインについて
デリカは12年の歴史の中で、大幅なデザイン変更をしてこなかった車種です。そのため、今回のデザインについては非常にチャレンジングなものでした。デリカはオフロード走行も可能なミニバンとして、どちらかというと機能的な性能を追求してきた車種です。『ジムニー』のようにデザインを守るという考え方もありましたが、次のデリカにつなげるためにも、インパクトが必要と判断しました。悪路走破性などデリカの本質部分は変えず、むしろ性能を向上させたうえで、新しいユーザーへの訴求も考えました。チャレンジですが、いまの受注状況は一安心といったところです。
(レスポンス 中尾真二)
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