【WEC】トヨタ、2020/2021シーズンに「GRスーパースポーツ」ベースのマシンで参戦…アストンもヴァルキリーで最高峰クラスへ
14日、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は世界耐久選手権(WEC)の“再来季”にあたる2020/2021シーズンもシリーズ最高峰クラスへの参戦を継続すると表明した。同シーズンからの新規定車両は「GRスーパースポーツ(仮称)」がベースになる。
WECの2018/2019シーズン最終戦(第8戦)として開催されている2019年ルマン24時間レース(決勝15~16日)においては、WECの来季、そして再来季以降についての協議や発表等が行なわれている。そのなかで、再来季=2020/2021シーズンの最高峰クラス車両の新たな技術規定が確定したことを受け、トヨタが同シーズンの参戦継続を正式に表明したもの。
現在のWECの最高峰クラスは“純プロト”といえる「LMP1」(LMP=ル・マン・プロト)規定によって争われており、トヨタは「TS050 HYBRID」で参戦している。この規定が用いられるのは来季=2019/2020シーズンまでで、トヨタはこのシーズンの参戦継続は既に発表済みだ。そして2020/2021シーズンに向けては、“ハイパーカー”と呼ばれる新たな最高峰クラス規定の策定が主催者サイドなどの諸関係者間で続いてきた経緯がある。
トヨタは、「市販に向けて開発中の『GRスーパースポーツ(仮称)』をベースとするハイブリッド・プロトタイプ車両」で2020/2021シーズンの新最高峰クラスに臨むとしている。市販車およびレース車両は、ともにトヨタ本社、東富士研究所、独ケルンのTMG(TOYOTA MOTORSPORT GmbH)にて開発中だという。レース車両の名称等は現段階で非公開。
TOYOTA GAZOO Racing Company プレジデント:友山茂樹氏のコメント
「TOYOTA GAZOO Racing は2020年秋から始まるシーズンでも、新しいレギュレーションの下、挑戦をし続けることを表明します。FIA/ACO(フランス西部自動車クラブ)によるレギュレーション策定のための惜しみない努力に感謝いたします。この新レギュレーションにより、数々のマニュファクチャラーがWECおよびルマンに参戦し、耐久レースがさらに繁栄することを願っています」
「TOYOTA GAZOO Racing としては新たな時代の耐久レースでの激しい競争を通じて、レースチームとしてだけではなく、スポーツカーメーカーとしても確固たる地位を築きたいと思っています。そしてファンのみなさま、我々のライバルたちも新時代のWECおよびルマンをたいへん楽しみにしていると確信しています 」
WEC公式サイトによれば、アストンマーティンがヴァルキリーのレース仕様ファクトリーマシンで2020/2021シーズンの最高峰クラスに参戦することを発表したという。
現行LMP1では、来季=2019/2020シーズンも自動車メーカー(市販車ブランド)直系の活動として参戦するのはトヨタのみ(最新暫定エントリーリストによる)。アストンの活動形態の詳細はまだ分からないが、ハイパーカー初季となる再来季に向けては関係者の思惑に沿った動きが活発化し、WEC最高峰クラス(ルマン総合優勝戦線)が再び“メーカー”で賑わうことも期待できる流れが生まれつつあるのかもしれない。
ここで少々ややこしいWECのシーズン構成について補足すると、WECの今季=2018/2019シーズンは、欧州サッカーや米国NBA(バスケットボール)、あるいはウインタースポーツの多くが取っているような“年跨ぎ制”のシーズン構成への移行初季(移行措置シーズン)。2017年シーズンが同年末に終了した後、移行措置として都合1年半に渡る2018/2019シーズンが始まった。ルマン24時間レースを2回含むという異例のシーズンは、今回のルマンで完結する。
そして来季=2019/2020シーズンから、ルマンを最終戦とする年跨ぎ1年間のシーズンのかたちが始まる。2012年に発足した現行WECにとって“シーズン8”となる2019/2020シーズンは、今年9月1日決勝予定の英国シルバーストン戦で開幕し、来年6月のルマンを最終戦とする全8戦のカレンダーで実施予定だ。富士スピードウェイ戦は今年10月6日決勝予定で、第2戦に位置する。
これまでルマン等の一部イベントを除いては決勝6時間レースでの開催が普遍的だったWECだが、2019/2020シーズンは4時間や8時間などのフォーマットも用いられ、多彩化する(富士は6時間)。
2019/2020シーズン、つまり最後のLMP1参戦シーズンに、トヨタは今季ドライバー布陣のうちフェルナンド・アロンソを除く5名を継続起用、新たにB.ハートレーを加えたメンバリング(2台の編成は未発表)で臨むことを既に発表している。今後は来季のこと以上に、再来季=2020/2021シーズンに向けてのトヨタ陣営の動きがより大きな注目を集めることになるだろう。
(レスポンス 遠藤俊幸)
WECの2018/2019シーズン最終戦(第8戦)として開催されている2019年ルマン24時間レース(決勝15~16日)においては、WECの来季、そして再来季以降についての協議や発表等が行なわれている。そのなかで、再来季=2020/2021シーズンの最高峰クラス車両の新たな技術規定が確定したことを受け、トヨタが同シーズンの参戦継続を正式に表明したもの。
現在のWECの最高峰クラスは“純プロト”といえる「LMP1」(LMP=ル・マン・プロト)規定によって争われており、トヨタは「TS050 HYBRID」で参戦している。この規定が用いられるのは来季=2019/2020シーズンまでで、トヨタはこのシーズンの参戦継続は既に発表済みだ。そして2020/2021シーズンに向けては、“ハイパーカー”と呼ばれる新たな最高峰クラス規定の策定が主催者サイドなどの諸関係者間で続いてきた経緯がある。
トヨタは、「市販に向けて開発中の『GRスーパースポーツ(仮称)』をベースとするハイブリッド・プロトタイプ車両」で2020/2021シーズンの新最高峰クラスに臨むとしている。市販車およびレース車両は、ともにトヨタ本社、東富士研究所、独ケルンのTMG(TOYOTA MOTORSPORT GmbH)にて開発中だという。レース車両の名称等は現段階で非公開。
TOYOTA GAZOO Racing Company プレジデント:友山茂樹氏のコメント
「TOYOTA GAZOO Racing は2020年秋から始まるシーズンでも、新しいレギュレーションの下、挑戦をし続けることを表明します。FIA/ACO(フランス西部自動車クラブ)によるレギュレーション策定のための惜しみない努力に感謝いたします。この新レギュレーションにより、数々のマニュファクチャラーがWECおよびルマンに参戦し、耐久レースがさらに繁栄することを願っています」
「TOYOTA GAZOO Racing としては新たな時代の耐久レースでの激しい競争を通じて、レースチームとしてだけではなく、スポーツカーメーカーとしても確固たる地位を築きたいと思っています。そしてファンのみなさま、我々のライバルたちも新時代のWECおよびルマンをたいへん楽しみにしていると確信しています 」
WEC公式サイトによれば、アストンマーティンがヴァルキリーのレース仕様ファクトリーマシンで2020/2021シーズンの最高峰クラスに参戦することを発表したという。
現行LMP1では、来季=2019/2020シーズンも自動車メーカー(市販車ブランド)直系の活動として参戦するのはトヨタのみ(最新暫定エントリーリストによる)。アストンの活動形態の詳細はまだ分からないが、ハイパーカー初季となる再来季に向けては関係者の思惑に沿った動きが活発化し、WEC最高峰クラス(ルマン総合優勝戦線)が再び“メーカー”で賑わうことも期待できる流れが生まれつつあるのかもしれない。
ここで少々ややこしいWECのシーズン構成について補足すると、WECの今季=2018/2019シーズンは、欧州サッカーや米国NBA(バスケットボール)、あるいはウインタースポーツの多くが取っているような“年跨ぎ制”のシーズン構成への移行初季(移行措置シーズン)。2017年シーズンが同年末に終了した後、移行措置として都合1年半に渡る2018/2019シーズンが始まった。ルマン24時間レースを2回含むという異例のシーズンは、今回のルマンで完結する。
そして来季=2019/2020シーズンから、ルマンを最終戦とする年跨ぎ1年間のシーズンのかたちが始まる。2012年に発足した現行WECにとって“シーズン8”となる2019/2020シーズンは、今年9月1日決勝予定の英国シルバーストン戦で開幕し、来年6月のルマンを最終戦とする全8戦のカレンダーで実施予定だ。富士スピードウェイ戦は今年10月6日決勝予定で、第2戦に位置する。
これまでルマン等の一部イベントを除いては決勝6時間レースでの開催が普遍的だったWECだが、2019/2020シーズンは4時間や8時間などのフォーマットも用いられ、多彩化する(富士は6時間)。
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