トヨタ ヤリスクロス 想像以上に本格派…明らかになった走りの実力と使い勝手[詳細画像60枚]

トヨタ ヤリスクロス Z(プロトタイプ)
大ヒットコンパクト『ヤリス』の資質を継承した新型コンパクトSUV、トヨタ『ヤリスクロス』。今秋の発売に先駆けお披露目されたプロトタイプの姿からは、想像以上に本格派な一面が見えてきた。明かされた新情報とともに、60枚の写真を紹介しよう。


◆ヤリスの系譜というよりも「ミニRAV4」的

ヤリスクロスは、ヤリスと同じコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム「GA-B」、1.5リットル・ダイナミックフォースエンジン、そしてハイブリッドシステムを受け継いだ都市型コンパクトSUVだ。骨格や心臓部、そしてヤリスの名前を共有しながらも、そのエクステリアデザインにはヤリスとの共通点は全くない、と言っていい。

トヨタは、「『日常の中の“非日常”』に着目、これまでのコンパクトSUVとは異なる独自の魅力を追求」したとしている。エクステリアデザインは「ENERGETIC SMART」をコンセプトに、SUVとしてのロバスト(頑強)さとコンパクト車として重要なアジリティ(機敏さ)をミニマルに表現した明快な立体構成とした。

水平基調を軸に、SUVらしい力強さを表現したエクステリアは、ヤリスの系譜というよりもミニ『RAV4』的なイメージが強い。


◆本格SUV並みの4WDシステム

駆動方式は2WDと4WDを用意するが、ヤリスクロスらしさを味わうなら4WDが良いかもしれない。ガソリン車の4WDには「マルチテレインセレクト」を用意。シフトの手前にあるダイヤルでMUD&SAND/ROCK&DIRTを切り替えることができる。駆動力、4WD、ブレーキの制御を最適化し、オフロードや滑りやすい路面での走破性を向上させる。また前輪駆動に近い状態と4WD状態を自動で制御する「ダイナミックトルクコントロール4WD」システムも採用している。

ハイブリッドの4WDはトヨタ車でおなじみの「E-Four」を採用。 片方のタイヤが空転してしまうような悪路では、TRAILモードによって、空転するタイヤにブレーキを掛け反対側のタイヤに最適な駆動トルクを掛けるよう制御。雪道などでもスムーズかつパワフルに走ることができるとしている。このほかにも、ダウンヒルアシストコントロール、SNOWモードなど、本格SUV並みの4WD性能を備えるのがヤリスクロスの売りだ。


◆使い勝手の良さを詰め込んだ荷室空間

使い勝手の面では車高を活かした荷室空間を特筆したい。

まずはトヨタのコンパクトSUVとして初採用の4:2:4分割可倒式リヤシートだ。リヤシートを倒さずともゴルフバッグ2つを搭載できる積載性を持つが、シートの真ん中を倒せばスキー板のような長尺ものも搭載可能。さらに、デッキボードを6:4分割式とし、さらに2段階調節を可能としたことで、様々な荷物を効率的に搭載できるようにしている。

また新開発のハンズフリーパワーバックドアを、これもまたトヨタのコンパクトSUVで初採用。荷物で手がふさがっている状態でもスマートキーを携帯していれば、リヤバンパーの下に足を出し入れするだけで開閉が可能だ。


◆「初採用」だらけの安全性能

安全性能面では最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を採用。交差点での右折時にも対応するプリクラッシュセーフティや、路上の歩行者を検知し衝突回避をおこなう緊急時操舵支援機能も装備した。さらに「S-VSC(横風対応制御付)」をトヨタ車として初採用。これは高速走行時の強い横風を検知して片側の車輪にブレーキをかけることで車線の逸脱を抑制してくれる機能だ。遠出することも多くなりそうなヤリスクロスならではの安心装備といえるだろう。

また、自動駐車機能「アドバンスト パーク(パノラミックビューモニター付)」もトヨタのSUVとして初採用。このほかにもアダプティブハイビームシステムをトヨタのコンパクト車として初採用するなど、あると嬉しい先進安全装備を満載している。グローバルモデルであるだけに、トヨタの力の入れようを様々な装備からも伺い知ることができる。

ヤリスクロスの価格は未公表。



(レスポンス 宮崎壮人)

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