トヨタはハイラックスBEV仕様や新型プリウス、JPNタクシーのタイ仕様を披露...バンコクモーターショー2023
トヨタは4月2日まで開催中の「第44回バンコク国際モーターショー」(バンコクモーターショー2023)に出展。そこで披露されたのが、『ハイラックス・レボBEVコンセプト』と新型『プリウス』、『LPG対応HEVタクシー』だ。
タイは輸出も行う東南アジア最大の自動車生産国であり、トヨタにとってももっとも重要な国のひとつであることは言うまでもない。それだけに今回のショーでは最も広いエリアを使って多くの車種を展示していた。
◆ハイラックス・レボBEVコンセプト
ハイラックス・レボBEVコンセプトは、8代目ハイラックスをベースとして開発されたピックアップトラックの100%電気自動車(BEV)の試作車で、昨年12月にトヨタがタイ進出60周年を記念して発表されたものだ。タイ国内で販売されるハイラックスは、「レボ」というサブネームが付き「ハイラックス・レボ」という車名で展開され、それをベースにしたのが今回のBEVとなる。
最大の特徴は、悪路での走行頻度が高い新興国の道路事情を鑑み、ラダーフレーム構造を採用したことにある。ハイラックスはIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)に基づき、現地でのメンテナンス事情にも対応できることを基本コンセプトとしてきたが、このBEV化にあたってもその考え方を踏襲。BEVであっても変わらないタフさを存分に発揮できるものとした。
外観で従来のハイラックスと大きく異なるのがフロントフェイスで、EVらしさを強調するためにグリルレスとしたヘキサゴングリルを採用。ボディの下回りを覗くととバッテリーやラダーフレームに直接付けられたモーターを見ることができる。また、インテリアではノーマルのハイラックスで採用されるシフトレバーが、ハイラックスレボBEVコンセプトではトヨタのBEV『bZ4X』と同じダイヤル式シフトに変更されていた。
タイ政府は“ASEANのEVハブ”を目指して、2030年までに直流タイプ(DC型)のEV急速充電器を全国で13,000基以上、同タイプの充電器を備えたEV急速充電ステーションを約1400カ所まで整備することを目標としている。
トヨタではこのコンセプトカーについて、「商用車にBEVを投入することで、物流・輸送面でのカーボンニュートラルという観点でBEVを求めるユーザー層へ提案するモデル」としている。
◆プリウスの販売を再開か
一方で、航続距離などBEVに対する使い勝手の悪さも当然ながら指摘されている。そこで、環境と使い勝手の両立という点で改めて注目されているのがHEVである。5代目の新型『プリウス』をトヨタが出展したのもそうした背景を見込んでのものと考えていいだろう。
実はタイ国内においてプリウスは、販売の伸び悩みと部品の輸入関税を巡って係争中であったことから2015年に生産・販売を終了されている。その後、係争中の問題は昨年9月にトヨタ側が敗訴が確定し、390億円の追徴が決まってトヨタもそれに従うことを表明した。そんな矢先、今回のショーで5台目新型『プリウス』が出展されたのだ。これは再びタイ国内で販売される狼煙となるのではないかと大きな注目を浴びたというわけだ。
出展された車両は日本でもよく目にする「マスタードイエロー」のHEVモデル。内装はドアロックされて見ることができなかったが、ホイールアーチモールが光沢仕様であることから、おそらく日本で販売されているZグレードをそのまま持ち込んだのではないかと思われる。現時点でタイでのプリウス販売に関するアナウンスは一切ない。今回の出展でタイのユーザーがどう反応するのか、そういった見極めた上での判断になるのではないだろうか。
◆LPG対応HEVタクシー コンセプト
そしてもう一つの注目がLPG対応HEVタクシーの出展だ。バンコク市内を走る鮮やかなイエローとグリーンのツートーンカラーに身をまとったこの車両は、まさに日本でお馴染みの「ジャパンタクシー」そのもの。パワーユニットもHEVとなっているようで、なんと後席にはヒートシートまで備えられていた。とはいえ、車内にはタイ仕様の料金メーターが備えられおり、つまりジャパンタクシーをタイでも展開することを示唆するものではないか、そう見られているのだ。
現在、バンコクでは使われているタクシーはほとんどが『カローラ』であり、燃料にはLPG(液化石油ガス)が使われている。それをHEVとすることで、より環境に優しい社会の実現に貢献することになるという狙いだ。しかも、出展されたタクシーはハイルーフであることで広々としたキャビンを備え、大型電動スライドドアによる高い乗降性や車椅子へのサポートも万全だ。こうした対応がタイにおける新たな社会インフラを構築しようとの考えが今回の出展にあったように思われる。
ただ、これもあくまで出展されたのみ。バンコク市内をテスト走行する姿が目撃されたとの情報があるものの、具体的な販売計画などは一切アナウンスされていない。また、日本で発売された新型『シエンタ』をベースとした新たな「ジャパンタクシー」の登場も噂されており、この車両がそのままタイ国内で展開されるかは不透明だ。
その他、『ヤリス』のマイナーチェンジモデルも披露された。よりシャープなLEDヘッドランプやバンパーのデザインを変更することで、一段とアグレッシブさを強調。インテリアではインフォテイメントユニットのディスプレイを9インチに拡大し、Apple CarplayやAndroidAutoへの対応もサポートする。Lusso、Chiaro、Prestoの3つの新たな仕様も用意した。価格は55万9000バーツ(約207万円)から。
タイは輸出も行う東南アジア最大の自動車生産国であり、トヨタにとってももっとも重要な国のひとつであることは言うまでもない。それだけに今回のショーでは最も広いエリアを使って多くの車種を展示していた。
◆ハイラックス・レボBEVコンセプト
ハイラックス・レボBEVコンセプトは、8代目ハイラックスをベースとして開発されたピックアップトラックの100%電気自動車(BEV)の試作車で、昨年12月にトヨタがタイ進出60周年を記念して発表されたものだ。タイ国内で販売されるハイラックスは、「レボ」というサブネームが付き「ハイラックス・レボ」という車名で展開され、それをベースにしたのが今回のBEVとなる。
最大の特徴は、悪路での走行頻度が高い新興国の道路事情を鑑み、ラダーフレーム構造を採用したことにある。ハイラックスはIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)に基づき、現地でのメンテナンス事情にも対応できることを基本コンセプトとしてきたが、このBEV化にあたってもその考え方を踏襲。BEVであっても変わらないタフさを存分に発揮できるものとした。
外観で従来のハイラックスと大きく異なるのがフロントフェイスで、EVらしさを強調するためにグリルレスとしたヘキサゴングリルを採用。ボディの下回りを覗くととバッテリーやラダーフレームに直接付けられたモーターを見ることができる。また、インテリアではノーマルのハイラックスで採用されるシフトレバーが、ハイラックスレボBEVコンセプトではトヨタのBEV『bZ4X』と同じダイヤル式シフトに変更されていた。
タイ政府は“ASEANのEVハブ”を目指して、2030年までに直流タイプ(DC型)のEV急速充電器を全国で13,000基以上、同タイプの充電器を備えたEV急速充電ステーションを約1400カ所まで整備することを目標としている。
トヨタではこのコンセプトカーについて、「商用車にBEVを投入することで、物流・輸送面でのカーボンニュートラルという観点でBEVを求めるユーザー層へ提案するモデル」としている。
◆プリウスの販売を再開か
一方で、航続距離などBEVに対する使い勝手の悪さも当然ながら指摘されている。そこで、環境と使い勝手の両立という点で改めて注目されているのがHEVである。5代目の新型『プリウス』をトヨタが出展したのもそうした背景を見込んでのものと考えていいだろう。
実はタイ国内においてプリウスは、販売の伸び悩みと部品の輸入関税を巡って係争中であったことから2015年に生産・販売を終了されている。その後、係争中の問題は昨年9月にトヨタ側が敗訴が確定し、390億円の追徴が決まってトヨタもそれに従うことを表明した。そんな矢先、今回のショーで5台目新型『プリウス』が出展されたのだ。これは再びタイ国内で販売される狼煙となるのではないかと大きな注目を浴びたというわけだ。
出展された車両は日本でもよく目にする「マスタードイエロー」のHEVモデル。内装はドアロックされて見ることができなかったが、ホイールアーチモールが光沢仕様であることから、おそらく日本で販売されているZグレードをそのまま持ち込んだのではないかと思われる。現時点でタイでのプリウス販売に関するアナウンスは一切ない。今回の出展でタイのユーザーがどう反応するのか、そういった見極めた上での判断になるのではないだろうか。
◆LPG対応HEVタクシー コンセプト
そしてもう一つの注目がLPG対応HEVタクシーの出展だ。バンコク市内を走る鮮やかなイエローとグリーンのツートーンカラーに身をまとったこの車両は、まさに日本でお馴染みの「ジャパンタクシー」そのもの。パワーユニットもHEVとなっているようで、なんと後席にはヒートシートまで備えられていた。とはいえ、車内にはタイ仕様の料金メーターが備えられおり、つまりジャパンタクシーをタイでも展開することを示唆するものではないか、そう見られているのだ。
現在、バンコクでは使われているタクシーはほとんどが『カローラ』であり、燃料にはLPG(液化石油ガス)が使われている。それをHEVとすることで、より環境に優しい社会の実現に貢献することになるという狙いだ。しかも、出展されたタクシーはハイルーフであることで広々としたキャビンを備え、大型電動スライドドアによる高い乗降性や車椅子へのサポートも万全だ。こうした対応がタイにおける新たな社会インフラを構築しようとの考えが今回の出展にあったように思われる。
ただ、これもあくまで出展されたのみ。バンコク市内をテスト走行する姿が目撃されたとの情報があるものの、具体的な販売計画などは一切アナウンスされていない。また、日本で発売された新型『シエンタ』をベースとした新たな「ジャパンタクシー」の登場も噂されており、この車両がそのままタイ国内で展開されるかは不透明だ。
その他、『ヤリス』のマイナーチェンジモデルも披露された。よりシャープなLEDヘッドランプやバンパーのデザインを変更することで、一段とアグレッシブさを強調。インテリアではインフォテイメントユニットのディスプレイを9インチに拡大し、Apple CarplayやAndroidAutoへの対応もサポートする。Lusso、Chiaro、Prestoの3つの新たな仕様も用意した。価格は55万9000バーツ(約207万円)から。
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