新しいトヨタ『センチュリー』はSUVなのか? その謎を解き明かす「5つのデザイン視点」
「センチュリーSUV」と噂されてきた新しいセンチュリー。9月6日の発表会でSUVではないとわかったわけだが、「SUVタイプの新型」との報道も多く、世間にはまだSUVだと受け止めている人が少なくないようだ。
なぜそうなのか? デザインに着目して5つの視点を設定し、解き明かしてみたい。
◆第一の視点:記憶の引き出しにカリナン
人は何か新しいものを見ると、それと照らし合わせられそうな記憶を無意識に探す。記憶の引き出しを開け、参照することで自分なりに理解しようとするのである。
デザインという行為は、実はこの無意識の参照を前提に行われている。こういうカタチにしたら、人々はどんな記憶を参照するか? 参照先が多くの人に共通していれば、デザイン意図が多くの人に伝わることになる。
新型車を見て人が「○○に似てる」と思うのも、無意識の参照の結果だ。人によって記憶の引き出しの中身が違うので、参照先の「○○」も人それぞれであることが多い。しかしセンチュリーの場合は違ったようだ。
新しいセンチュリーはテールゲートを備える2BOX。しかも全高が1805mmと高く、22インチという大径ホイールを履く。プロポーションがSUVに見えるのは当然だろう。だが、人々が無意識に参照したのは、SUVというだけの漠然としたイメージではなかっただろうと思う。
2018年にデビューしたロールスロイス『カリナン』はSUVを自認する。超高級SUVには他にもベントレー『ベンテイガ』やランボルギーニ『ウルス』があるが、ボクシーな基本フォルムや太いリヤピラーなどの共通点から、センチュリーを見た人の多くがカリナンの記憶を参照したに違いない。カリナンがSUVだから、センチュリーもSUVという受け止め方になる。
いや、センチュリーのデザインがカリナンに似ていると言っているわけではない。しかしカリナンが登場したとき、それは他に類を見ないデザインの超高級SUVであり、見る人の参照先は他のロールスしかなかった。一方、センチュリーを見る人にはカリナンという参照先がすでにある。センチュリーのデザインがカリナンを想起させないほど独創的だったら、SUVなどという無用の誤解を招かずにすんだはずである。
◆第二の視点:かつてセダンは2BOXだった
SUVのブームが始まったのは80年代末のアメリカ。それがやがて乗用車プラットフォームのクロスオーバーSUVに進化して、世界に広まった。しかし19世紀後半に始まった自動車の長い歴史を思えば、SUVはまだ日が浅い。日本やヨーロッパでSUVがメインストリームに躍進したのは、ここ10年余りの話だ。
1908年に発売されてアメリカに爆発的なモータリゼーションを巻き起こした「T型フォード」は、折り畳み式の簡易な幌を備えるオープンボディの「ツーリング」が主流だった。多様な消費者ニーズに応えるため、生産に手間とコストがかかるクローズドボディも用意されたが、そのなかで「セダン」や「リムジン」は2BOXのシルエット。かろうじて3BOXに見えるのは、キャビン長が短い2人乗りの「クーペ」だけだった。
「セダンは2BOX」という方程式は少なくとも30年代まで、欧米の自動車メーカーに共有されていた。高級車も例外ではない。1930年から40年まで生産された「キャデラックV-16」は、その名の通り、7.4リットルという大排気量のV型16気筒を積む最高級車。欧州では同じ1930年にメルセデスが7.7リットルの直列8気筒を搭載する「タイプ770」(通称グロッサー・メルセデス)を発売し、44年まで同社のフラッグシップを務めた。どちらもキャビンの背面が垂直に切り立った2BOXだ。
当時のクルマには荷室がなかったので、泊まりがけでドライブに行くときには車体後部にスーツケース=トランクを括り付ける。そのトランクを40年代になってボディに取り込むようになり(だから荷室をトランクと呼ぶ)、セダンはだんだん3BOXしていった。それでも当初はトランクのボリュームは控えめ。セダンがエンジンルーム、キャビン、トランクの3つのBOXでプロポーションを構成するようになるのは、50年代になってからだ。
セダン=3BOXという現代の常識は、長い自動車史の後半で培われてきたもの。センチュリーは歴史の前半にまで遡って2BOXにした。これはショーファーカーに相応しいと言えるかもしれない。
30~40年代までのショーファーカーには特有のデザインを持つ例があった。雇われ運転手は屋根のない前席で運転し、オーナーが座る後席だけがクローズドボディ。あるいは、前席は耐久性重視の革張りで(当時の常識)、後席は手触りのよいファブリック張り。次世代のショーファーカーを目指すセンチュリーの開発陣が、そうしたショーファーカーならではのデザインがあった時代を振り返るのは当然のこと。歴史に学んだ結果であれば、センチュリーが2BOXであって何も不思議はないはずだ。
◆第三の視点:プレミアムディメンションではない
30年代は高級セダンも2BOXだったが、前述のキャデラックV-16やグロッサー・メルセデスを見て、SUVを連想する人はいないだろう。
昔は大排気量エンジンが高級車の証だった。直列でもV型でも、大排気量となればエンジンが長くなる。それを当時の流儀で前車軸より後ろに積むから、ボンネットが長いばかりか、前輪からキャビンまでの距離も非常に長い。大きなエンジンがそこにあることが、プロポーションに示されていたのだ。
この高級感表現は現代に受け継がれており、メルセデスやBMWは前輪中心からフロントドアまでの距離を「プレミアム・ディメンション」と呼ぶ。ここに充分な長さを取ることが、現代における高級車の証というわけだ。エンジンに由来する価値観ではあるが、メルセデスは電気自動車の『EQS』や『EQE』で、Aピラーの根元を前進させたキャブフォワードのプロポーションを採りながらも、「プレミアム・ディメンション」の確保にこだわった。
しかしセンチュリーは、GA-Kプラットフォームがベースだ。フロントにV6を横置きする。フロントドアのヒンジ位置にはプラットフォームの制約があったのだろう。前輪のホイールアーチの直後にフロントドアのオープニングラインがある。これは「プレミアム・ディメンション」ではない。
30年代の高級セダンから現代のプレミアムブランドに連綿と続く価値観を、センチュリーは表現しなかった。高級車の伝統を想起させるプロポーションではないから、次の連想としてSUVが浮上してきてしまう。近年は横置きFFの乗用車プラットフォームを使ったクロスオーバーSUVが多い。それらと充分に差別化できていないプロポーションだから、SUVだと思われてしまう。
ちなみにロールスロイス・カリナンも2BOXだが、V12をフロントに縦置きするので「プレミアム・ディメンション」が長い。SUVを自認しながらも、伝統的な高級感をそのプロポーションにしっかり表現しているのだ。
◆第四の視点:SUV風のディテール
新しいセンチュリーは前後のバンパーを結ぶように、ボディサイド下部に樹脂製のクラッディングを設けている。全7色のボディカラーのうち、プロミネントグレーとブラックがモノトーンで、それ以外はボディ基本色とバンパー/クラッディングの色を違えたツートーンだ。サイドビューを色で区切り、1.8mという背の高さ感を軽減するのがツートーンのひとつの狙いだろう。
クラッディングのもうひとつの役割は「センチュリーらしさ」の表現だ。センチュリーセダンは、ボディの裾回りにシルバーのガーニッシュを配置。「几帳面」と呼ぶ段差を伴ったショルダーラインが、ボディの前後で縦方向に降りてガーニッシュにつながり、ぐるりと一周する。新型も几帳面をセダンから受け継ぎ、それを前後バンパー/クラッディングにつなげた。
しかし疑問なのは、バンパー側面にもサイドのクラッディングにも、センチュリーセダンにはない厚みを持たせていること。ボディ鉄板面との境目が分厚い。これはSUVが力強さやプロテクト感を表現するときの常套手段だ。そこにSUVらしさが滲み出てしまっている。
その一方、グリルとヘッドランプを分離したのは、センチュリー自身の伝統も含めて高級車のセオリーに則ったデザインである。しかしヘッドランプを二段構えにして、その間にボディ色を挟んだ処理はどうだろう?
近年はカテゴリーを問わず大きなグリルがトレンドだが、SUVやオフロード向けピックアップではグリルの開口部をボディ色で囲む例が多い。ボディ色部分を増やして、カタマリとしての強さを表現したいからだ。センチュリーのヘッドランプに挟んだボディ色は、それを想起させる。デザイン意図ではもちろんないが、見る人が記憶の引き出しからオフローダーの顔付きを引っ張り出してしまう可能性は否定できない。
◆第五の視点:リヤのパーティションはSUVでない証
2BOX車の欠点のひとつは、テールゲートを開けると外気が室内に入り込んでしまうこと。エアコンで保っていた室内環境が、その瞬間に乱されてしまう。そこで新しいセンチュリーは2BOXながら、後席と荷室を固定式のパーティションで区切った。高級車らしい配慮だ。
ロールスロイス・カリナンも、「イマーシブ・シーティング」というオプションの後席を選べばパーティションが装備されるが、センチュリーはすべてパーティション付き。パーティションに「骨」を入れることで、ボディ剛性を高めることができたという。
パーティションがあるので、もちろん後席を折り畳んで荷室を広げることはできない。SUVの”U”はユーティリティだ。さまざまな場面で使い勝手の良さを提供するのがSUV。センチュリーは実用的な荷室広さを確保しているとはいえ、そのユーティリティはSUVではないのである。
ちなみにアメリカでSUVは乗用車ではなくライトトラックに分類され、その定義には「乗員空間より荷室空間が大きいこと」という項目がある。後席を折り畳めばそれをクリアできるわけだが、パーティションがあるセンチュリーはそれができない。アメリカに行くと、デザインから受ける印象がどうあれ、センチュリーはSUVではないということになる。
従来のセンチュリーセダンは国内専用車だったが、トヨタは新しいセンチュリーを海外展開する意向だという。その仕向地にアメリカがあるなら、SUVに認定されないことがメリットになる。アメリカはSUVを含むライトトラックに、25%という高い輸入関税を課しているからだ。トヨタはそれも考えて、センチュリーをSUVにしなかったのかもしれない。
なぜそうなのか? デザインに着目して5つの視点を設定し、解き明かしてみたい。
◆第一の視点:記憶の引き出しにカリナン
人は何か新しいものを見ると、それと照らし合わせられそうな記憶を無意識に探す。記憶の引き出しを開け、参照することで自分なりに理解しようとするのである。
デザインという行為は、実はこの無意識の参照を前提に行われている。こういうカタチにしたら、人々はどんな記憶を参照するか? 参照先が多くの人に共通していれば、デザイン意図が多くの人に伝わることになる。
新型車を見て人が「○○に似てる」と思うのも、無意識の参照の結果だ。人によって記憶の引き出しの中身が違うので、参照先の「○○」も人それぞれであることが多い。しかしセンチュリーの場合は違ったようだ。
新しいセンチュリーはテールゲートを備える2BOX。しかも全高が1805mmと高く、22インチという大径ホイールを履く。プロポーションがSUVに見えるのは当然だろう。だが、人々が無意識に参照したのは、SUVというだけの漠然としたイメージではなかっただろうと思う。
2018年にデビューしたロールスロイス『カリナン』はSUVを自認する。超高級SUVには他にもベントレー『ベンテイガ』やランボルギーニ『ウルス』があるが、ボクシーな基本フォルムや太いリヤピラーなどの共通点から、センチュリーを見た人の多くがカリナンの記憶を参照したに違いない。カリナンがSUVだから、センチュリーもSUVという受け止め方になる。
いや、センチュリーのデザインがカリナンに似ていると言っているわけではない。しかしカリナンが登場したとき、それは他に類を見ないデザインの超高級SUVであり、見る人の参照先は他のロールスしかなかった。一方、センチュリーを見る人にはカリナンという参照先がすでにある。センチュリーのデザインがカリナンを想起させないほど独創的だったら、SUVなどという無用の誤解を招かずにすんだはずである。
◆第二の視点:かつてセダンは2BOXだった
SUVのブームが始まったのは80年代末のアメリカ。それがやがて乗用車プラットフォームのクロスオーバーSUVに進化して、世界に広まった。しかし19世紀後半に始まった自動車の長い歴史を思えば、SUVはまだ日が浅い。日本やヨーロッパでSUVがメインストリームに躍進したのは、ここ10年余りの話だ。
1908年に発売されてアメリカに爆発的なモータリゼーションを巻き起こした「T型フォード」は、折り畳み式の簡易な幌を備えるオープンボディの「ツーリング」が主流だった。多様な消費者ニーズに応えるため、生産に手間とコストがかかるクローズドボディも用意されたが、そのなかで「セダン」や「リムジン」は2BOXのシルエット。かろうじて3BOXに見えるのは、キャビン長が短い2人乗りの「クーペ」だけだった。
「セダンは2BOX」という方程式は少なくとも30年代まで、欧米の自動車メーカーに共有されていた。高級車も例外ではない。1930年から40年まで生産された「キャデラックV-16」は、その名の通り、7.4リットルという大排気量のV型16気筒を積む最高級車。欧州では同じ1930年にメルセデスが7.7リットルの直列8気筒を搭載する「タイプ770」(通称グロッサー・メルセデス)を発売し、44年まで同社のフラッグシップを務めた。どちらもキャビンの背面が垂直に切り立った2BOXだ。
当時のクルマには荷室がなかったので、泊まりがけでドライブに行くときには車体後部にスーツケース=トランクを括り付ける。そのトランクを40年代になってボディに取り込むようになり(だから荷室をトランクと呼ぶ)、セダンはだんだん3BOXしていった。それでも当初はトランクのボリュームは控えめ。セダンがエンジンルーム、キャビン、トランクの3つのBOXでプロポーションを構成するようになるのは、50年代になってからだ。
セダン=3BOXという現代の常識は、長い自動車史の後半で培われてきたもの。センチュリーは歴史の前半にまで遡って2BOXにした。これはショーファーカーに相応しいと言えるかもしれない。
30~40年代までのショーファーカーには特有のデザインを持つ例があった。雇われ運転手は屋根のない前席で運転し、オーナーが座る後席だけがクローズドボディ。あるいは、前席は耐久性重視の革張りで(当時の常識)、後席は手触りのよいファブリック張り。次世代のショーファーカーを目指すセンチュリーの開発陣が、そうしたショーファーカーならではのデザインがあった時代を振り返るのは当然のこと。歴史に学んだ結果であれば、センチュリーが2BOXであって何も不思議はないはずだ。
◆第三の視点:プレミアムディメンションではない
30年代は高級セダンも2BOXだったが、前述のキャデラックV-16やグロッサー・メルセデスを見て、SUVを連想する人はいないだろう。
昔は大排気量エンジンが高級車の証だった。直列でもV型でも、大排気量となればエンジンが長くなる。それを当時の流儀で前車軸より後ろに積むから、ボンネットが長いばかりか、前輪からキャビンまでの距離も非常に長い。大きなエンジンがそこにあることが、プロポーションに示されていたのだ。
この高級感表現は現代に受け継がれており、メルセデスやBMWは前輪中心からフロントドアまでの距離を「プレミアム・ディメンション」と呼ぶ。ここに充分な長さを取ることが、現代における高級車の証というわけだ。エンジンに由来する価値観ではあるが、メルセデスは電気自動車の『EQS』や『EQE』で、Aピラーの根元を前進させたキャブフォワードのプロポーションを採りながらも、「プレミアム・ディメンション」の確保にこだわった。
しかしセンチュリーは、GA-Kプラットフォームがベースだ。フロントにV6を横置きする。フロントドアのヒンジ位置にはプラットフォームの制約があったのだろう。前輪のホイールアーチの直後にフロントドアのオープニングラインがある。これは「プレミアム・ディメンション」ではない。
30年代の高級セダンから現代のプレミアムブランドに連綿と続く価値観を、センチュリーは表現しなかった。高級車の伝統を想起させるプロポーションではないから、次の連想としてSUVが浮上してきてしまう。近年は横置きFFの乗用車プラットフォームを使ったクロスオーバーSUVが多い。それらと充分に差別化できていないプロポーションだから、SUVだと思われてしまう。
ちなみにロールスロイス・カリナンも2BOXだが、V12をフロントに縦置きするので「プレミアム・ディメンション」が長い。SUVを自認しながらも、伝統的な高級感をそのプロポーションにしっかり表現しているのだ。
◆第四の視点:SUV風のディテール
新しいセンチュリーは前後のバンパーを結ぶように、ボディサイド下部に樹脂製のクラッディングを設けている。全7色のボディカラーのうち、プロミネントグレーとブラックがモノトーンで、それ以外はボディ基本色とバンパー/クラッディングの色を違えたツートーンだ。サイドビューを色で区切り、1.8mという背の高さ感を軽減するのがツートーンのひとつの狙いだろう。
クラッディングのもうひとつの役割は「センチュリーらしさ」の表現だ。センチュリーセダンは、ボディの裾回りにシルバーのガーニッシュを配置。「几帳面」と呼ぶ段差を伴ったショルダーラインが、ボディの前後で縦方向に降りてガーニッシュにつながり、ぐるりと一周する。新型も几帳面をセダンから受け継ぎ、それを前後バンパー/クラッディングにつなげた。
しかし疑問なのは、バンパー側面にもサイドのクラッディングにも、センチュリーセダンにはない厚みを持たせていること。ボディ鉄板面との境目が分厚い。これはSUVが力強さやプロテクト感を表現するときの常套手段だ。そこにSUVらしさが滲み出てしまっている。
その一方、グリルとヘッドランプを分離したのは、センチュリー自身の伝統も含めて高級車のセオリーに則ったデザインである。しかしヘッドランプを二段構えにして、その間にボディ色を挟んだ処理はどうだろう?
近年はカテゴリーを問わず大きなグリルがトレンドだが、SUVやオフロード向けピックアップではグリルの開口部をボディ色で囲む例が多い。ボディ色部分を増やして、カタマリとしての強さを表現したいからだ。センチュリーのヘッドランプに挟んだボディ色は、それを想起させる。デザイン意図ではもちろんないが、見る人が記憶の引き出しからオフローダーの顔付きを引っ張り出してしまう可能性は否定できない。
◆第五の視点:リヤのパーティションはSUVでない証
2BOX車の欠点のひとつは、テールゲートを開けると外気が室内に入り込んでしまうこと。エアコンで保っていた室内環境が、その瞬間に乱されてしまう。そこで新しいセンチュリーは2BOXながら、後席と荷室を固定式のパーティションで区切った。高級車らしい配慮だ。
ロールスロイス・カリナンも、「イマーシブ・シーティング」というオプションの後席を選べばパーティションが装備されるが、センチュリーはすべてパーティション付き。パーティションに「骨」を入れることで、ボディ剛性を高めることができたという。
パーティションがあるので、もちろん後席を折り畳んで荷室を広げることはできない。SUVの”U”はユーティリティだ。さまざまな場面で使い勝手の良さを提供するのがSUV。センチュリーは実用的な荷室広さを確保しているとはいえ、そのユーティリティはSUVではないのである。
ちなみにアメリカでSUVは乗用車ではなくライトトラックに分類され、その定義には「乗員空間より荷室空間が大きいこと」という項目がある。後席を折り畳めばそれをクリアできるわけだが、パーティションがあるセンチュリーはそれができない。アメリカに行くと、デザインから受ける印象がどうあれ、センチュリーはSUVではないということになる。
従来のセンチュリーセダンは国内専用車だったが、トヨタは新しいセンチュリーを海外展開する意向だという。その仕向地にアメリカがあるなら、SUVに認定されないことがメリットになる。アメリカはSUVを含むライトトラックに、25%という高い輸入関税を課しているからだ。トヨタはそれも考えて、センチュリーをSUVにしなかったのかもしれない。
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