社内の批判意見を一掃した出来栄え! マット塗装のトヨタ『クラウン』お披露目
トヨタ自動車は12月11日、「THE CROWN 横浜都筑」店にて、トヨタ『クラウンクロスオーバーRS Advanced』ベースの特別仕様車「CROSSOVER RS “Advanced・THE LIMITED-MATTE METAL”」を一般招待客へお披露目すイベント、THE CROWN MEETINGを開催した。
お披露目会には、クラウンチーフエンジニアの清水竜太郎氏、クラウンチーフデザイナーの宮崎満則氏(※崎の旁は上が立)、堤塗装成形部の石垣佑樹氏、モビリティ材料技術部の竹谷美雪氏も出席し、トークショー形式で、特別仕様車の紹介やクラウンの魅力について語った。
◆マットカラーが大好きとポロリ本音も出たトークイベント
イベント冒頭でまずは特別仕様車がアンベールされ、一般招待客へ初お披露目となった。チーフエンジニアの清水氏は、この特別仕様車開発の経緯について、「かっこいいクラウンを作りたかった。そしてTHE CROWNという専門店ならではの特別なクルマを用意することで、ブランド認知を広めたいと考えている」と語った。また、個人的にマット塗装が大好きだといった本音も。
そして今回のクラウンのラインナップが、従来のクラウンとはかなり異なっている点について、「新型クラウンの開発が始まったかなり早い段階から、売り方、お客様との接し方を変えていこう、そして専門店があってもいいのではないかという意見があった」と明かされた。
特別仕様車がマットカラーになっていることについても、販売店や顧客の意見を反映して決定された。デザイナーの宮崎氏によると、100以上にもおよぶ案を販売店などと精査し、顧客の意見と統合してマットカラーを選んだそうだ。マットカラーをまとったクロスオーバーをどこから見てもらいたいか、という質問に対しては、「横から見てもらうのが塊の変化が見え、マットが際立って見えるのではないか」と印象を述べた。
インテリアについては、社内でもいろいろと議論があったが、スポーティにしたいという結論に落ち着いたとのこと。ステアリングやシフトレバーをディンプル加工にしたり、インパネにレーザーで印字をしたりなど、あまりこれ見よがしな派手さを与えるのではなく、さりげない上質感とスポーティ感を出している。「ぜひオーナーの皆さまに特別感を味わっていただきたい」と、出来栄えに自信を覗かせていた。
◆社内からは反対の声もあったマット塗装への取り組み
マットカラーの塗装については、石垣氏と竹谷氏が解説。大前提としてトヨタとしてメンテナンスしやすく維持しやすいということを意識して開発したという。
竹谷氏によると、マット塗装はカッコイイといったプラスの意見もあるが、やはりメンテナンスしにくいといったマイナス意見も多く寄せられていたそうだ。「塗装に携わる人間として、マット塗装のクルマを自信を持ってお届けできるようにしたいといった積年の思いがあり、最表層にコーティングを施工することでメンテナンスのしやすいボディにしている」と秘密が明かされた。このコーティングは、お鍋のフッ素加工をイメージしてもらうとわかりやすいという。
塗装についてのノウハウについては石垣氏が解説。「マット塗装はクリア塗装と違い、異物が混入してしまうと磨いて表面をキレイにするといったことができない。磨いてしまうと艶が出てしまうため塗装前の準備段階で、いかに異物の混入を防ぐかが大事」。このことから、手間も暇もかかってしまうマット塗装に、最初は工場内からも批判的な声があったそうだ。
「しかしマット塗装を施した試作車を見たスタッフが、一様にそのかっこよさと重厚感を感じ、批判的な意見は一掃され、なんとしてもコレを世の中に出したいと前を向いた瞬間があった」と裏話が語られた。マット塗装については塗装だけでなく、検査も大変とのことで、艶がなく異物混入が見えづらいため、通常の検査より時間を掛けてチェックしているそうだ。このようにすべてが特別な工程となるため、マット塗装や検査は特別チームを結成して対応している。洗車についても、手洗い洗車が推奨ではあるが、洗車機を通してもコーティング層があることによって、ボディに大きな影響はないといった話も聞けた。
◆若年層にも着実にアプローチした新型クラウン
続いて、来場客からの質問に答えていくクラウントークサロンがスタート。最初にTHE CROWN横浜都筑ゼネラルマネージャー 宇佐美健氏が登壇し、店舗の反響について語った。
「10月6日のオープンからすでに2000組を超えるお客様にきていただいている。そして50代、60代のお客様だけでなく若いお客様も増えた。クラウンスポーツの発表に引っ張られるかのように、再度クロスオーバーの商談や試乗申し込みが増えた」と、新しいクラウンの認知が着実に広がっていることが報告された。セダンについても、ほかの店舗にはあまり用意されていないこともあり、実車が見られるのかという問い合わせが多いとのこと。
◆クラウン開発は進化を止めないというのが使命
質問コーナーでは、「どのクラウンが好きか?」、「今回のクラウンは一般的な機械式駐車場に入るサイズを超えている。やはりデザインを優先させたのか?」、「今後どのようなクラウンが登場するか?」という質問があった。
「どのクラウンが好きか?」については開発者らしく、どのクラウンも思い入れがあり決められないといった回答になっていた。「デザイン優先か?」については、日本の市場を無視したわけでは決してないが、クラウンの革新のためにデザインを優先したとのこと。「今後のクラウン」については、進化を止めないというのが我々の使命であり、皆さんがビックリするようなクルマを出したい。またTHE CROWNを介して皆さまと会話を通して新しいモノを生み出していきたいと語られた。
余談だが、会場でクラウンについての意見を募集した際に手を挙げた来場者の方は、クラウン1代目から16代目すべてに乗ってきたとのこと。これには開発陣も目を丸くしていた。チーフエンジニアの清水氏によると以前、豊田章男会長が「全部のクラウンに乗ったのは日本では僕ぐらいではないか」と話していたそうだが、章男会長以外にも横浜にいらっしゃったと吃驚していた。
お披露目会には、クラウンチーフエンジニアの清水竜太郎氏、クラウンチーフデザイナーの宮崎満則氏(※崎の旁は上が立)、堤塗装成形部の石垣佑樹氏、モビリティ材料技術部の竹谷美雪氏も出席し、トークショー形式で、特別仕様車の紹介やクラウンの魅力について語った。
◆マットカラーが大好きとポロリ本音も出たトークイベント
イベント冒頭でまずは特別仕様車がアンベールされ、一般招待客へ初お披露目となった。チーフエンジニアの清水氏は、この特別仕様車開発の経緯について、「かっこいいクラウンを作りたかった。そしてTHE CROWNという専門店ならではの特別なクルマを用意することで、ブランド認知を広めたいと考えている」と語った。また、個人的にマット塗装が大好きだといった本音も。
そして今回のクラウンのラインナップが、従来のクラウンとはかなり異なっている点について、「新型クラウンの開発が始まったかなり早い段階から、売り方、お客様との接し方を変えていこう、そして専門店があってもいいのではないかという意見があった」と明かされた。
特別仕様車がマットカラーになっていることについても、販売店や顧客の意見を反映して決定された。デザイナーの宮崎氏によると、100以上にもおよぶ案を販売店などと精査し、顧客の意見と統合してマットカラーを選んだそうだ。マットカラーをまとったクロスオーバーをどこから見てもらいたいか、という質問に対しては、「横から見てもらうのが塊の変化が見え、マットが際立って見えるのではないか」と印象を述べた。
インテリアについては、社内でもいろいろと議論があったが、スポーティにしたいという結論に落ち着いたとのこと。ステアリングやシフトレバーをディンプル加工にしたり、インパネにレーザーで印字をしたりなど、あまりこれ見よがしな派手さを与えるのではなく、さりげない上質感とスポーティ感を出している。「ぜひオーナーの皆さまに特別感を味わっていただきたい」と、出来栄えに自信を覗かせていた。
◆社内からは反対の声もあったマット塗装への取り組み
マットカラーの塗装については、石垣氏と竹谷氏が解説。大前提としてトヨタとしてメンテナンスしやすく維持しやすいということを意識して開発したという。
竹谷氏によると、マット塗装はカッコイイといったプラスの意見もあるが、やはりメンテナンスしにくいといったマイナス意見も多く寄せられていたそうだ。「塗装に携わる人間として、マット塗装のクルマを自信を持ってお届けできるようにしたいといった積年の思いがあり、最表層にコーティングを施工することでメンテナンスのしやすいボディにしている」と秘密が明かされた。このコーティングは、お鍋のフッ素加工をイメージしてもらうとわかりやすいという。
塗装についてのノウハウについては石垣氏が解説。「マット塗装はクリア塗装と違い、異物が混入してしまうと磨いて表面をキレイにするといったことができない。磨いてしまうと艶が出てしまうため塗装前の準備段階で、いかに異物の混入を防ぐかが大事」。このことから、手間も暇もかかってしまうマット塗装に、最初は工場内からも批判的な声があったそうだ。
「しかしマット塗装を施した試作車を見たスタッフが、一様にそのかっこよさと重厚感を感じ、批判的な意見は一掃され、なんとしてもコレを世の中に出したいと前を向いた瞬間があった」と裏話が語られた。マット塗装については塗装だけでなく、検査も大変とのことで、艶がなく異物混入が見えづらいため、通常の検査より時間を掛けてチェックしているそうだ。このようにすべてが特別な工程となるため、マット塗装や検査は特別チームを結成して対応している。洗車についても、手洗い洗車が推奨ではあるが、洗車機を通してもコーティング層があることによって、ボディに大きな影響はないといった話も聞けた。
◆若年層にも着実にアプローチした新型クラウン
続いて、来場客からの質問に答えていくクラウントークサロンがスタート。最初にTHE CROWN横浜都筑ゼネラルマネージャー 宇佐美健氏が登壇し、店舗の反響について語った。
「10月6日のオープンからすでに2000組を超えるお客様にきていただいている。そして50代、60代のお客様だけでなく若いお客様も増えた。クラウンスポーツの発表に引っ張られるかのように、再度クロスオーバーの商談や試乗申し込みが増えた」と、新しいクラウンの認知が着実に広がっていることが報告された。セダンについても、ほかの店舗にはあまり用意されていないこともあり、実車が見られるのかという問い合わせが多いとのこと。
◆クラウン開発は進化を止めないというのが使命
質問コーナーでは、「どのクラウンが好きか?」、「今回のクラウンは一般的な機械式駐車場に入るサイズを超えている。やはりデザインを優先させたのか?」、「今後どのようなクラウンが登場するか?」という質問があった。
「どのクラウンが好きか?」については開発者らしく、どのクラウンも思い入れがあり決められないといった回答になっていた。「デザイン優先か?」については、日本の市場を無視したわけでは決してないが、クラウンの革新のためにデザインを優先したとのこと。「今後のクラウン」については、進化を止めないというのが我々の使命であり、皆さんがビックリするようなクルマを出したい。またTHE CROWNを介して皆さまと会話を通して新しいモノを生み出していきたいと語られた。
余談だが、会場でクラウンについての意見を募集した際に手を挙げた来場者の方は、クラウン1代目から16代目すべてに乗ってきたとのこと。これには開発陣も目を丸くしていた。チーフエンジニアの清水氏によると以前、豊田章男会長が「全部のクラウンに乗ったのは日本では僕ぐらいではないか」と話していたそうだが、章男会長以外にも横浜にいらっしゃったと吃驚していた。
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