高級感アップ! 自分でできる車の静音化テクニック~Weeklyメンテナンス~

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高級車とスタンダードな車種に乗ったときに感じるグレード感の違いのひとつが音だ。静粛性の高いクルマは高級感があり走行中の居心地も良いのだ。そこでDIYでできる静音処理を考えてみた。

◆高級で快適
高級車に乗り込んでドアを閉じると一気に車内が静かになるのを感じる。それだけ防音/遮音性能が高く、車外の音を乗員に伝えない性能が高いことの証なのだ。車内の静粛性の高さは快適性にも直結する。ドライブ中ずっと不快な騒音を聞き続けていると疲れの原因にもなるからだ。静かな車内で快適なドライブをするために、愛車に対してDIYでできる静音処理を実施してみると良いだろう。

静音処理といってもさまざまな手法がある。もっとも知られているのがオーディオにこだわるユーザーが、オーディオの音をより高音質に聴くために車内の音響環境を整えるために行う制振/防音(デッドニングとも呼ばれる)などの処理だろう。車内の騒音を下げることでSN比(信号とノイズの比率)を改善して、より音楽信号をピュアに聴くことができる環境を作るのが目的だ。

◆外側から車内に侵入してくる騒音を減らす
そんなオーディオのデッドニングに代表される防音処理だが、一般のユーザーにも恩恵がある方法について順に紹介していくこととしよう。車内を静かにするには複数の施工ポイントがある。そのひとつが防音/遮音の処理だ。クルマの外側から車内に侵入してくる騒音を減らすのが目的の処理だ。主なものにはタイヤハウスやサスペンションから伝わってくるロードノイズ、タイヤが発するパターンノイズ、エンジンルームからやって来るエンジン音、さらには走行中の風切り音などが主なものだろう。

中でも処理することで大きく静粛性がアップするのがタイヤハウスまわりの処理だ。オーディオ系のプロショップでは専用のメニューを用意して施工を行っているため、オーディオに詳しいユーザーにはすでに知られた存在ではないだろうか。

◆部分的な処理ならDIYも可能
しかし部分的な処理であれば、ある程度のスキルと部材を選べばDIYでの施工も可能だ。簡単なものだとスプレータイプがあったり、裏に粘着シートが付いた貼り付けるタイプの手軽な防振材も用意されているので、適材適所で用意して実施すると良いだろう。その他にも、Aピラーに対して施工する吸音素材は風切り音を軽減できる効果があったり、フロアマットの下に敷くマットも手軽な施工で防音の効果を発揮する。またエンジン音を少しでも静かにするためにボンネット裏に貼るタイプの吸音材も用意される。これらの部材を適材適所に用いることで静かな車内が作ることができる。

ただし、ひとつ注意したいのは取り付ける部位に合わせた性能を持っていること。特に雨水や熱などが加わる部分に用いる部材は、それらの環境に対応しているのかをチェック。施工カ所への取り付けでもしっかりと耐久性が確保されていることを確認した上で施工すると良いだろう。わかりやすい例としては取り付け部位ごとの専用パーツも用意されているのでこれを用いるのが近道になりそうだ。

◆2種類の方向性がある
ところで防振や防音のための部材には大きく分けて2種類の方向性がある。ひとつはドアパネルやタイヤハウスなどの振動を緩和するための制振材。その名の通り振動を熱エネルギーなどに変換(または質量で抑え込む)して弱める効果がある。

一方、音を直接吸収するのが吸音材だ。こちらはその名の通り音を素材の内部で吸収することで車内の乗員に騒音を届けないのが役割。純正でも内張りの裏側を見るとあちこちに貼られているので、さらに効果を高めるために追加で処理することもある。これらの部材を組み合わせて、振動によるノイズを抑えるための制振材と風切り音などを遮断するための吸音材を組み合わせて、静かで快適な車内を作ろう。

プロが施工する防音処理のような完璧な仕上がりを目指さなくても、気になるポイントを絞ってDIY施工するのであれば比較的ハードルが低い。簡単な部分からはじめてその効果を体感しつつ静かな愛車を作っていくのも良いだろう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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