トムス50周年、「スターレットKP47」がモチーフの記念ウォッチ…カシオから登場
カシオ計算機は7月23日、「Speed and Intelligence」をコンセプトとした腕時計「EDIFICE(エディフィス)」ブランドの新製品として、「TOM’S(トムス)」の名を一躍有名にした初代レーシングカー「TOM’SスターレットKP47」をモチーフにした創立50周年記念モデル『EFS-S641TMS』を8月9日に発売すると発表した。
トヨタと深い関わりを持つ「TOM’S」は、1974年に創立されたレーシングチームで、エディフィスは2013年より同チームのオフィシャルパートナーとしてサポートしている。EFS-S641TMSのモチーフとなっているTOM’SスターレットKP47は、1970年代のマイナーツーリングレースで数々の記録を残した伝説のレーシングカーだ。
同日、CITY CIRCUIT TOKYO BAY<シティサーキット東京ベイ>にて、EDIFICE TOM’S 50th Anniversary Edition 発表会が行なわれた。発表会にはカシオ計算機執行役員で時計BU事業部長の高橋央氏、カシオ計算機第一デザイン部グローバルデザイン室の田代篤史リーダー、時計ジャーナリストの篠田哲也氏、SUPER GT 36号車 ドライバーの坪井翔選手、トムスの舘信秀取締役会長、トムスの谷本勲代表取締役社長が参加。
まずは高橋央氏が登壇し、エディフィスの歴史や今回発売するモデルのコンセプトなどを語った。今回発売されるモデルネームにもあるように、トムスは創立50周年であり、カシオの時計事業も50周年となる。スピードとインテリジェンスをキーワードに、時間を大切にしてテクノロジーとエレクトロニクスを融合することで、かっこよく、使いやすい商品をお客様にお届けすることが重要だと述べた。
2000年に発売された3針アナログのエディフィスは、2009年には100分の1を計測出来るストップウォッチ機能が搭載され、2010年には1000分の1の計測が可能に。さらに2013年のモデルではラップメモリーが200本計測でき、2014年にはBluetoothを搭載し、タイムをスマホと連携できるなど、ストップウォッチの機能が劇的に進化していった。
エディフィスについて高橋氏は「エディフィスをしているとレース好き、車が好き出あることを示すことができ、周りからも気付いてもらえる。話しかけて貰えることに喜びを感じてもらいたい。つまり、モータースポーツファン、車好きのアイデンティティだ」と語った。
◆長かったような短かったような50年
続いてトムスの舘取締役会長が登壇。創業から50周年を迎えたことについて、長かったような短かったような曖昧な印象だが、よく50年やってきたなという思いだと語った。『日本一のレーシングチームを作る』という志のもと会社を創業し、数々のレースに参戦。つねにトップ争いに食い込み、確実に日本のトップメーカーと言える同社。
今後の目標について館取締役会長は、「我々はレースに勝って、そしてエディフィスというブランディングを高めていくことが宿命・仕事だと思っている。これからもレースにどんどん勝ち続けて、カシオのブランディングを上げていければいいなと思う」と語った。
◆TOM’SスターレットKP4の採用は満場一致で決定
次にカシオ計算機の田代リーダーが登壇。EDIFICEの機能やデザイン面について説明した。今回発売されるエディフィスは、どういったコラボモデルを作るか、というところからプロジェクトがスタートしているとのこと。トムスに相談してカシオでも何度も検討した結果、歴史に敬意を表し、50周年の起源でもあるTOM’SスターレットKP47が一番いいと満場一致で決定された。
時計のデザインについては、まずKP47を徹底的に調べる必要があり、トムスのデザインセンターにあるKP47を、時計にどう落とし込むかを考えつつ、何時間もチェックしたという。そして最終的に、KP47の赤、白、グリーン、イエローのカラーリンをベースデザインに採用。
しかし3KRエンジンの表現も捨てがたく、うまくデザインに入れ込ませるため、スターレットのグリルを文字盤にレイアウトし、その奥を紫色にすることでグリルから見える3KRを表現。KP47が履いていた特徴的な井桁ホイールはインダイアルにデザインされている。
そして開発スタッフがもうひとつこだわったのが、TOM'Sファーストロゴだ。このロゴは長バンド部分にあしらわれ、キーカラーのグリーンをバンドエッジにも配色している。短バンド側にはKP47のセンターピラーをモチーフにした立体デザインが施されるこだわりよう。メタル遊環はKP47のフェンダーミラーの造形を再現し、レザー遊環には、ホワイト、レッド、グリーンの車体カラーがあしらわれている。
さらに細かい部分では、エースナンバーの36もデザインとして取り入れられている。KP47は当時36ではなかったため、どのように時計にデザインするかが検討された。試行錯誤した結果、36秒のところにガラスの裏面に加工を施し、うっすらと表示されているというデザインが採用された。
デザインだけでなく仕様部分にも抜かりはなく、ケースはサスペンションアームをイメージした複雑な造形のカーボンファィバー強化樹脂ペースを採用。文字盤のカーボンのない3つ穴部分は、光を取り入れるところになっており、ソーラー充電システムが搭載されている。風防は傷がつきにくいサファイアクリスタルを採用し、ガラスの裏には視認性をあげる無反射コーティングも施されている。
こだわりの詰まった製品だけに販売の方法が気になるところだが、2024年8月1日0時より予約を開始し、販売開始は8月9日からとなる。価格は4万4000円(消費税込み)。
◆マジで涙が出るとまで言わせたEDIFICEの完成度
ここで司会進行の方から感想を聞かれたトムスの舘取締役会長の第一声は、「マジに涙が出る。」だった。
「この時計については色々事前にお話を聞いていたが、今また説明を聞いて、ふっと目頭が熱くなるぐらい、こんな思いを込めて作っていただいたのが本当にうれしい。トムスの古いファンは、僕よりもよく色んなこと覚えてられていて、とくにトムスの名前は、TOM’Sスターレットで有名になった。そういう意味ではスターレットの思い出はすごく深い」と述べた。
舘氏によると、このスターレットは1973年のオイルショックでトヨタが全レースから撤退することになり、その際にトヨタのスタッフに頼み込んでこの車を譲り受けたとのこと。そんな裏話も飛び出したが、この話をすると終わらなくなると自ら話を絶ちきり進行を優先するほど、舘氏にとっては思い入れのあるマシンだったようだ。
◆カシオとTOM’Sは考え方が似ている
続いてトムスの谷本代表取締役社長が登壇。カシオとトムスの関係性について語った。「以前からすごく感じていたが、カシオとトムスはこだわるポイントがすごく似ていると思っていた」。
「たとえば、トムスはコンプリートカーの事業もやっているが、車にチューニングをしたりカスタマイズをしたりというところで、とくに嗜好性の高い分野のものづくりをしている。経済合理性で考えると、とくに東京都内では車を持つ意味はほぼない。そんな中で、なぜ車を持つのかという話にすごく近いと思っている」
「時計も同じではないか。これだけスマホが発達しているので、時間を見る・計るといったことであれば、スマホがあればいいじゃないかと考える方も多いと思う。そんななかでも、なぜ時計を持つのか? なぜ車を持つのか? というところは、やはり物を作る方のこだわりであったり、それに共感があったり、自分はこういう使い方をしたいから車を持ちたい。こういうシーンで時計を使いたいから時計が欲しいという、こだわりのある使い方をされるものだと思っている」
「そんな思いがカシオとトムスの合う部分ではないかと思っている。レースを進めていく中で、50周年の節目でこんなに歴史の刻まれた、そしてこだわりのある時計を世に出すことができたのは、本当にうれしいと率直に思った」と述べた。
◆縁起のいい時計となったEDIFICE
続いてSUPER GT 36号車 ドライバーの坪井翔選手がエディフィスについて語った。坪井選手はちょうど2日前の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士大会で優勝したばかり。その表彰式の際にもエディフィスを付けていたそうだ。つまりエディフィスは優勝を引き寄せた縁起のいい時計にもなったようだ。
記念モデルのこだわり抜かれたデザインについては、「TOM’SのKP47は本人が産まれる前のモデルでもあり、詳しくは知らなかった。しかしこんなに思いがこもった時計であり、ここまでこだわったデザインになっていることを知らないまま装着していたので、ちょっと恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべていた。
◆ケースとダイヤルの作りがすごくいいモデル
続いて時計ジャーナリストの篠田哲也氏がエディフィスの印象を述べた。まず本モデルをひと目見て、ケースとダイヤルの作りがすごくいいと感じたという。ケースの素材がカーボン強化樹脂で、数百万円する時計にも使われている素材だ。ストラップと時計を繋ぐ部分など立体的な形になっていることについては、とくに驚いたとのこと。
ダイアルについてもソーラー充電機能があるため、光を当てるエリアを確保するとデザインが凝れず、デザインに凝ると受光エリアが小さくなるという相反が起こる。そんな難しい部分でありながら、デザインと機能を両立していることに感心したという。
デザイン部の田代リーダーによると、こういった造形については、コンセプトモデルとして何度も試行錯誤して設計したうえで金型を作っているそうだ。また金型はグループ会社の山形カシオのスタッフやデザイナーとも相談して作ったといった話も聞けた。ちなみに山形カシオはハイエンドモデルの腕時計の製造を請け負い、高品質な物づくりを強みとする会社だ。
◆TOM’Sに対するリスペクトを、どうやって時計に反映させるかが重要
最後に進行役に苦労した点を聞かれたカシオの高橋氏は、次のように語った。「苦労ばっかりだが、本当にいい物を作る時は、開発者がすごくこだわっていいものにしようとしている。トムスに対するリスペクトを、どうやって時計に反映させて作り上げるかを考えた。今回はコストが高くなるようなギミックもほぼほぼ採用した。これについてはパッションでそれをどうやって実現するかに重点を置いた」。
また田代リーダーは「1番大事なのは、ファンの方に何が喜ばれるのか、どういったものが響いてくれるのかというところがすごく重要。開発の途中で手を抜いたりすると見向きもされない状態になってしまうので、こだわりを持って、なんとかやりたいことを基準に実現するという考えで開発を進めている。エディフィスの開発チームは、車好きやモータースポーツ好きが多いので、メンバーで意見交換しながら、目標を定めて作っていき、つねにブラッシュアップに取り組んでいる」と語った。
トヨタと深い関わりを持つ「TOM’S」は、1974年に創立されたレーシングチームで、エディフィスは2013年より同チームのオフィシャルパートナーとしてサポートしている。EFS-S641TMSのモチーフとなっているTOM’SスターレットKP47は、1970年代のマイナーツーリングレースで数々の記録を残した伝説のレーシングカーだ。
同日、CITY CIRCUIT TOKYO BAY<シティサーキット東京ベイ>にて、EDIFICE TOM’S 50th Anniversary Edition 発表会が行なわれた。発表会にはカシオ計算機執行役員で時計BU事業部長の高橋央氏、カシオ計算機第一デザイン部グローバルデザイン室の田代篤史リーダー、時計ジャーナリストの篠田哲也氏、SUPER GT 36号車 ドライバーの坪井翔選手、トムスの舘信秀取締役会長、トムスの谷本勲代表取締役社長が参加。
まずは高橋央氏が登壇し、エディフィスの歴史や今回発売するモデルのコンセプトなどを語った。今回発売されるモデルネームにもあるように、トムスは創立50周年であり、カシオの時計事業も50周年となる。スピードとインテリジェンスをキーワードに、時間を大切にしてテクノロジーとエレクトロニクスを融合することで、かっこよく、使いやすい商品をお客様にお届けすることが重要だと述べた。
2000年に発売された3針アナログのエディフィスは、2009年には100分の1を計測出来るストップウォッチ機能が搭載され、2010年には1000分の1の計測が可能に。さらに2013年のモデルではラップメモリーが200本計測でき、2014年にはBluetoothを搭載し、タイムをスマホと連携できるなど、ストップウォッチの機能が劇的に進化していった。
エディフィスについて高橋氏は「エディフィスをしているとレース好き、車が好き出あることを示すことができ、周りからも気付いてもらえる。話しかけて貰えることに喜びを感じてもらいたい。つまり、モータースポーツファン、車好きのアイデンティティだ」と語った。
◆長かったような短かったような50年
続いてトムスの舘取締役会長が登壇。創業から50周年を迎えたことについて、長かったような短かったような曖昧な印象だが、よく50年やってきたなという思いだと語った。『日本一のレーシングチームを作る』という志のもと会社を創業し、数々のレースに参戦。つねにトップ争いに食い込み、確実に日本のトップメーカーと言える同社。
今後の目標について館取締役会長は、「我々はレースに勝って、そしてエディフィスというブランディングを高めていくことが宿命・仕事だと思っている。これからもレースにどんどん勝ち続けて、カシオのブランディングを上げていければいいなと思う」と語った。
◆TOM’SスターレットKP4の採用は満場一致で決定
次にカシオ計算機の田代リーダーが登壇。EDIFICEの機能やデザイン面について説明した。今回発売されるエディフィスは、どういったコラボモデルを作るか、というところからプロジェクトがスタートしているとのこと。トムスに相談してカシオでも何度も検討した結果、歴史に敬意を表し、50周年の起源でもあるTOM’SスターレットKP47が一番いいと満場一致で決定された。
時計のデザインについては、まずKP47を徹底的に調べる必要があり、トムスのデザインセンターにあるKP47を、時計にどう落とし込むかを考えつつ、何時間もチェックしたという。そして最終的に、KP47の赤、白、グリーン、イエローのカラーリンをベースデザインに採用。
しかし3KRエンジンの表現も捨てがたく、うまくデザインに入れ込ませるため、スターレットのグリルを文字盤にレイアウトし、その奥を紫色にすることでグリルから見える3KRを表現。KP47が履いていた特徴的な井桁ホイールはインダイアルにデザインされている。
そして開発スタッフがもうひとつこだわったのが、TOM'Sファーストロゴだ。このロゴは長バンド部分にあしらわれ、キーカラーのグリーンをバンドエッジにも配色している。短バンド側にはKP47のセンターピラーをモチーフにした立体デザインが施されるこだわりよう。メタル遊環はKP47のフェンダーミラーの造形を再現し、レザー遊環には、ホワイト、レッド、グリーンの車体カラーがあしらわれている。
さらに細かい部分では、エースナンバーの36もデザインとして取り入れられている。KP47は当時36ではなかったため、どのように時計にデザインするかが検討された。試行錯誤した結果、36秒のところにガラスの裏面に加工を施し、うっすらと表示されているというデザインが採用された。
デザインだけでなく仕様部分にも抜かりはなく、ケースはサスペンションアームをイメージした複雑な造形のカーボンファィバー強化樹脂ペースを採用。文字盤のカーボンのない3つ穴部分は、光を取り入れるところになっており、ソーラー充電システムが搭載されている。風防は傷がつきにくいサファイアクリスタルを採用し、ガラスの裏には視認性をあげる無反射コーティングも施されている。
こだわりの詰まった製品だけに販売の方法が気になるところだが、2024年8月1日0時より予約を開始し、販売開始は8月9日からとなる。価格は4万4000円(消費税込み)。
◆マジで涙が出るとまで言わせたEDIFICEの完成度
ここで司会進行の方から感想を聞かれたトムスの舘取締役会長の第一声は、「マジに涙が出る。」だった。
「この時計については色々事前にお話を聞いていたが、今また説明を聞いて、ふっと目頭が熱くなるぐらい、こんな思いを込めて作っていただいたのが本当にうれしい。トムスの古いファンは、僕よりもよく色んなこと覚えてられていて、とくにトムスの名前は、TOM’Sスターレットで有名になった。そういう意味ではスターレットの思い出はすごく深い」と述べた。
舘氏によると、このスターレットは1973年のオイルショックでトヨタが全レースから撤退することになり、その際にトヨタのスタッフに頼み込んでこの車を譲り受けたとのこと。そんな裏話も飛び出したが、この話をすると終わらなくなると自ら話を絶ちきり進行を優先するほど、舘氏にとっては思い入れのあるマシンだったようだ。
◆カシオとTOM’Sは考え方が似ている
続いてトムスの谷本代表取締役社長が登壇。カシオとトムスの関係性について語った。「以前からすごく感じていたが、カシオとトムスはこだわるポイントがすごく似ていると思っていた」。
「たとえば、トムスはコンプリートカーの事業もやっているが、車にチューニングをしたりカスタマイズをしたりというところで、とくに嗜好性の高い分野のものづくりをしている。経済合理性で考えると、とくに東京都内では車を持つ意味はほぼない。そんな中で、なぜ車を持つのかという話にすごく近いと思っている」
「時計も同じではないか。これだけスマホが発達しているので、時間を見る・計るといったことであれば、スマホがあればいいじゃないかと考える方も多いと思う。そんななかでも、なぜ時計を持つのか? なぜ車を持つのか? というところは、やはり物を作る方のこだわりであったり、それに共感があったり、自分はこういう使い方をしたいから車を持ちたい。こういうシーンで時計を使いたいから時計が欲しいという、こだわりのある使い方をされるものだと思っている」
「そんな思いがカシオとトムスの合う部分ではないかと思っている。レースを進めていく中で、50周年の節目でこんなに歴史の刻まれた、そしてこだわりのある時計を世に出すことができたのは、本当にうれしいと率直に思った」と述べた。
◆縁起のいい時計となったEDIFICE
続いてSUPER GT 36号車 ドライバーの坪井翔選手がエディフィスについて語った。坪井選手はちょうど2日前の全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士大会で優勝したばかり。その表彰式の際にもエディフィスを付けていたそうだ。つまりエディフィスは優勝を引き寄せた縁起のいい時計にもなったようだ。
記念モデルのこだわり抜かれたデザインについては、「TOM’SのKP47は本人が産まれる前のモデルでもあり、詳しくは知らなかった。しかしこんなに思いがこもった時計であり、ここまでこだわったデザインになっていることを知らないまま装着していたので、ちょっと恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべていた。
◆ケースとダイヤルの作りがすごくいいモデル
続いて時計ジャーナリストの篠田哲也氏がエディフィスの印象を述べた。まず本モデルをひと目見て、ケースとダイヤルの作りがすごくいいと感じたという。ケースの素材がカーボン強化樹脂で、数百万円する時計にも使われている素材だ。ストラップと時計を繋ぐ部分など立体的な形になっていることについては、とくに驚いたとのこと。
ダイアルについてもソーラー充電機能があるため、光を当てるエリアを確保するとデザインが凝れず、デザインに凝ると受光エリアが小さくなるという相反が起こる。そんな難しい部分でありながら、デザインと機能を両立していることに感心したという。
デザイン部の田代リーダーによると、こういった造形については、コンセプトモデルとして何度も試行錯誤して設計したうえで金型を作っているそうだ。また金型はグループ会社の山形カシオのスタッフやデザイナーとも相談して作ったといった話も聞けた。ちなみに山形カシオはハイエンドモデルの腕時計の製造を請け負い、高品質な物づくりを強みとする会社だ。
◆TOM’Sに対するリスペクトを、どうやって時計に反映させるかが重要
最後に進行役に苦労した点を聞かれたカシオの高橋氏は、次のように語った。「苦労ばっかりだが、本当にいい物を作る時は、開発者がすごくこだわっていいものにしようとしている。トムスに対するリスペクトを、どうやって時計に反映させて作り上げるかを考えた。今回はコストが高くなるようなギミックもほぼほぼ採用した。これについてはパッションでそれをどうやって実現するかに重点を置いた」。
また田代リーダーは「1番大事なのは、ファンの方に何が喜ばれるのか、どういったものが響いてくれるのかというところがすごく重要。開発の途中で手を抜いたりすると見向きもされない状態になってしまうので、こだわりを持って、なんとかやりたいことを基準に実現するという考えで開発を進めている。エディフィスの開発チームは、車好きやモータースポーツ好きが多いので、メンバーで意見交換しながら、目標を定めて作っていき、つねにブラッシュアップに取り組んでいる」と語った。
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