ウイナーはランチア ストラトスゼロ…コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025開催
クラシックカーの祭典、コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025が3月15日から16日にかけて、奈良の薬師寺境内において開催された。主催はコンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025 実行委員会。
◆会場を奈良に移して
これまで2016年、2018年、2019年と3回開催してきたコンコルソ・デレガンツァ・京都が名前もコンコルソ・デレガンツァ・ジャパンとして、会場も京都二条城から奈良の薬師寺に変えて復活した。
もともと日本で開催されるコンクール・デレガンスであれば日本らしい景観の下で行いたいという主催者の思いで始まったこのイベント。これまでも桜で有名な二条城で、しかも桜が咲く春に開催されていたが、コロナ禍以降開催が難しくなり、さらに会場の耐震工事などにもぶつかってしまったことから今回は薬師寺での開催に至った。
そうはいってもどちらも国宝、世界遺産であることなど日本ならではのロケーションであることは変わらず、今回も1300年伝わる信仰の場所であり、いにしえの奈良を感じられる薬師寺とクラシックカーの競演が行われたのである。
もう一つ今回のイベントで海外にはない特徴があった。それは、薬師寺白鳳伽藍(はくほうがらん)に、17時から22時までと翌朝5時30分から8時30分まで、出展車両を並べたことだ。ナイトタイムスペシャルセレブレーションとモーニングタイムスペシャルセレブレーションと呼ばれ、どちらも日の入りと日の出のマジックアワーを使って、幻想的な雰囲気を味わってほしいというものだった。今回は残念ながら雨のためどちらの雰囲気も味わえなかったのは残念だったが、次回以降この雰囲気を楽しんでみたいと感じた
◆最大のトピックは成層圏
出展車両も前回までは欧米を中心に集められていたが、今回は日本を中心に集められた。それは、日本での認知度を上げたいことと同時に、世界に向けて、日本にもこんなに素晴らしいクラシックカーやヒストリックカーが存在するということをアピールしたかったからだ。そういった思いに共感したトヨタ博物館や日本自動車博物館から、前者はトヨタ『2000GT(ボンドカー)』とレクサス『LFAスパイダー』が、後者からは日本のクラシックカー文化の始まりともいえる濱家にあったランチア『ラムダ』が出展された。
そのほかの出展車両で最大のトピックはアメリカからエントリーされたランチア『ストラトスゼロ』が来日したことだ。1970年のトリノショーでデビューしたこのクルマはカロッツェリアベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニがデザインしたコンセプトモデル。
成層圏と名付けられたように、同時のクルマとしては(そして今でも)あまりにも奇抜なデザインをまとっていた。フロントウインドウから乗降することで、サイドのドアをなくし、極力全高を低くした。結果として840mmという驚くほどの低さを実現。ただ乗り降りのためにステアリングがアップライトになるなどの工夫は凝らされていたものの、いかんせんウエッジシェイプのため、大柄の人だとフロントウインドウが閉まらず、今回もメンテナンスのために来日したスタッフは移動のたびにフロントウインドウは開けたままアップライト状態のステアリングと格闘していた。
さらに戦前ではアストンマーティン『タイプC』や長年日本に住み着いている『インターナショナル』、エレガントなボディをまとったジャガー『SS1ライトサルーン』やドラージュ『D6-70』といったクルマたちをはじめ、ニューヨーク近代美術館に常設展示車として選ばれるほど美しいと称えられているチシタリア『202SC』、1947年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステのオープンカークラスで優勝した経歴を持つワンオフのフィアット『1100Cヴィラデステ』などが集まり、会場に華を添えていた
審査員も国際級の顔ぶれだ。日産のデザインを率いた中村史郎氏、カロッツェリアピニンファリーナでマセラティ『クアトロポルテ』やフェラーリの『エンツォ』などのデザインを手がけた奥山清行氏、カロッツェリアザガートの、アンドレア・ザガート氏、元F1ドライバーのティエリー・ブーツェン氏をはじめFIVA会長のティド・ブレスター氏などが厳正なる審査が行われた。
そして、今回のウイナーはやはりというべきか、ランチア・ストラトスゼロが受賞した。
来年以降の開催は未定のようだが、ぜひ、このようなシチュエーションでの開催を期待したい。日本ならではのコンクール・デレガンスはいま、このイベントしかなく、かつ、世界に誇れるイベントに成長するはずだからだ。
◆会場を奈良に移して
これまで2016年、2018年、2019年と3回開催してきたコンコルソ・デレガンツァ・京都が名前もコンコルソ・デレガンツァ・ジャパンとして、会場も京都二条城から奈良の薬師寺に変えて復活した。
もともと日本で開催されるコンクール・デレガンスであれば日本らしい景観の下で行いたいという主催者の思いで始まったこのイベント。これまでも桜で有名な二条城で、しかも桜が咲く春に開催されていたが、コロナ禍以降開催が難しくなり、さらに会場の耐震工事などにもぶつかってしまったことから今回は薬師寺での開催に至った。
そうはいってもどちらも国宝、世界遺産であることなど日本ならではのロケーションであることは変わらず、今回も1300年伝わる信仰の場所であり、いにしえの奈良を感じられる薬師寺とクラシックカーの競演が行われたのである。
もう一つ今回のイベントで海外にはない特徴があった。それは、薬師寺白鳳伽藍(はくほうがらん)に、17時から22時までと翌朝5時30分から8時30分まで、出展車両を並べたことだ。ナイトタイムスペシャルセレブレーションとモーニングタイムスペシャルセレブレーションと呼ばれ、どちらも日の入りと日の出のマジックアワーを使って、幻想的な雰囲気を味わってほしいというものだった。今回は残念ながら雨のためどちらの雰囲気も味わえなかったのは残念だったが、次回以降この雰囲気を楽しんでみたいと感じた
◆最大のトピックは成層圏
出展車両も前回までは欧米を中心に集められていたが、今回は日本を中心に集められた。それは、日本での認知度を上げたいことと同時に、世界に向けて、日本にもこんなに素晴らしいクラシックカーやヒストリックカーが存在するということをアピールしたかったからだ。そういった思いに共感したトヨタ博物館や日本自動車博物館から、前者はトヨタ『2000GT(ボンドカー)』とレクサス『LFAスパイダー』が、後者からは日本のクラシックカー文化の始まりともいえる濱家にあったランチア『ラムダ』が出展された。
そのほかの出展車両で最大のトピックはアメリカからエントリーされたランチア『ストラトスゼロ』が来日したことだ。1970年のトリノショーでデビューしたこのクルマはカロッツェリアベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニがデザインしたコンセプトモデル。
成層圏と名付けられたように、同時のクルマとしては(そして今でも)あまりにも奇抜なデザインをまとっていた。フロントウインドウから乗降することで、サイドのドアをなくし、極力全高を低くした。結果として840mmという驚くほどの低さを実現。ただ乗り降りのためにステアリングがアップライトになるなどの工夫は凝らされていたものの、いかんせんウエッジシェイプのため、大柄の人だとフロントウインドウが閉まらず、今回もメンテナンスのために来日したスタッフは移動のたびにフロントウインドウは開けたままアップライト状態のステアリングと格闘していた。
さらに戦前ではアストンマーティン『タイプC』や長年日本に住み着いている『インターナショナル』、エレガントなボディをまとったジャガー『SS1ライトサルーン』やドラージュ『D6-70』といったクルマたちをはじめ、ニューヨーク近代美術館に常設展示車として選ばれるほど美しいと称えられているチシタリア『202SC』、1947年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステのオープンカークラスで優勝した経歴を持つワンオフのフィアット『1100Cヴィラデステ』などが集まり、会場に華を添えていた
審査員も国際級の顔ぶれだ。日産のデザインを率いた中村史郎氏、カロッツェリアピニンファリーナでマセラティ『クアトロポルテ』やフェラーリの『エンツォ』などのデザインを手がけた奥山清行氏、カロッツェリアザガートの、アンドレア・ザガート氏、元F1ドライバーのティエリー・ブーツェン氏をはじめFIVA会長のティド・ブレスター氏などが厳正なる審査が行われた。
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