【初心者向け】クルマ雑誌独特の「用語」を知りたい!

クルマに興味を持ち始めたばかりの女性から、「クルマ雑誌っておもしろくないよね」という話をされました。理由を聞いてみると、「独特の用語ばっかりで何が書いてあるのかさっぱりわからない」のだとか。

たしかにクルマの記事、特にインプレッション(試乗記)には、他では使わない表現がたくさん出てきますよね。そこで、クルマ雑誌でよく出てくる用語をまとめてみました。

まずは「乗り心地」にまつわる言葉から。


いなす足回り
大きな路面の凹凸でも、しっかりと衝撃を受け止め、不快な揺れや傾きを発生させない、という場合に使います。「いなす」はもともと、「巧みにかわす」「上手にあしらう」という意味の言葉です。


しなやかな乗り心地
「いなす足回り」によって、もたらされる乗り心地。足回りがよくチューニングされていて、路面の凹凸を感じさせない乗り心地のこと。「固さ」ではなく、不快感のなさを伝えたいときに使われます。


底づき感がある
乗り心地に関する用語。サスペンションが衝撃を吸収しきれず、路面の凹凸が響くような乗り心地に対して使われます。試乗記で「感」が付く言葉が多いのは、感覚を伝えているためです。


引き締まった足回り
やや固めの乗り心地を感じさせてくれるクルマに対して使います。たとえば、「引き締まった足回りによって、コーナリングでロールしない(=傾かない)」。


フラットな乗り心地
「しなやかな乗り心地」と似て、路面の凹凸を感じさせない乗り心地を表すときに使いますが、どちらかというと高速走行時の乗り心地を指すことが多いようです。


よく躾けられた足回り
こちらも「しなやかな乗り心地」と似た意味を持つ表現で、「よく躾けられた足回りによって、操縦性と乗り心地を両立している」などと使います。


剛性感がある
ボディなどに力を加えたとき、変形が少ないことを「剛性が高い」と言います。そこから、カッチリした印象の乗り心地や操縦性を、「剛性感のある乗り心地/操縦性」と言うようになりました。

続いて操作性や操縦性に関する言葉をとりあげてみましょう。


節度感がある
ステアリングやシフト、スイッチなどの操作性に対して使われる言葉。「節度」は「度を越さず、適度である」という意味であることから、変な癖がなくしっかりした操作性であることを表します。


ダイレクト感がある
ドライバーの動作と機械の動きが直結しているように感じることを「ダイレクト感がある」と言い、ステアリングなどの操作性を伝えるときに使います。


小気味よい走り
「小気味よい」は、「キレがよい」「メリハリがある」という意味。クルマの世界では、「嫌な部分がなく気持いいこと」を伝えたいときに、「小気味よい走り」「小気味よいシフト」などと使います。


ザラついたエンジンフィール
アクセルを踏み込んで、エンジンを高回転まで回していったとき、スムーズではなく音や振動がきになる場合に「ザラついたエンジンフィールが気持ちよさを損ねている」などと使います。


シャープな加速
「シャープ=鋭い」。アクセルを踏んだとき、操作に遅れず瞬時に加速が始まる様や、どんな回転数からでももたつくことなく加速ができる様を表現するときに使います。


ビビッドに反応する
「躍動的な」「きびきびとした」という意味の言葉がビビッド。試乗記では、「ステアリングがビビッドに反応する」など、操作に対して素早くクルマが動く様を言います。


リニアな反応
ステアリングやアクセルなどの操作に対して、正確にクルマが動いてくれること。「意のままに操れる」などとも言います。


クルマが好きな人だけでなく、初心者の人やクルマに興味のない購入検討者が読んでもわかるような表現をするのが一番ですが、的確な表現をしようとするばかりに独特な用語が使われることも多いもの。こうした用語を踏まえた上で、もう一度記事を読んでみると、より理解度が深まるはずなので、ぜひ読み返してみてくださいね。

(木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road