ハイラックスだけじゃない。ピックアップトラックを見てみよう

まだボクが子供のころ、道にピックアップトラックが走っているのはごくありふれた光景でした。ガラス屋さんも商店街の電気屋さんも、あたりまえのようにピックアップトラックを使っていましたからね。ところがふと気がつけば、ピックアップトラックを見かける機会は激減。なぜなら、ボンネットのないトラックが主流となって日本で新車のピックアップトラックが販売されなくなってしまったからです。

そんなところに飛び込んできたニュースが、ハイラックスの日本販売再開。これを待ち望んでいた人もいるのではないでしょうか? でも、世界レベルで見てみると、ピックアップトラックは人気のジャンルのクルマ。そこで今回はハイラックス復活記念企画として、世界を代表するピックアップトラックの人気モデルをご紹介します!

世界一売れているのはフォード・Fシリーズ

ピックアップトラックは世界中で活躍していますが、中でも人気が高い地域はタイと北米。特に北米における販売台数は驚異的で、新車販売では乗用車よりもピックアップトラックの方が多いのだから驚きですよね。そんな北米でもっとも高い人気を集めるのが「F150」を代表とするフォードのFシリーズです。

このFシリーズ、どのくらい売れていると思います? 2016年はなんと82万799台も売れました。日本で同時期にもっとも売れたクルマはプリウスですが、その台数は25万台弱。Fシリーズのアメリカでの販売台数は、その3倍以上になるのです。Fシリーズだけを見ても、北米でのピックアップトラック人気の高さがわかりますよね。ちなみに、Fシリーズは世界一売れているピックアップトラックででもあります。

力強い顔つきのシボレー・シルバラード

そんなFシリーズに差をつけられつつも、ナンバー2の人気を誇るのがシボレー・シルバラード。

北米では2016年に57万4876台も販売されました。こちらは力強い顔つきが特徴で、大きな車体に重いトレーラーも引っ張ることができる強力なディーゼルエンジンを積んだ仕様も用意されています。

根強い人気のダッジ・ラム

ピックアップトラック王国の北米で第三位の売り上げを誇るのは、ダッジ・ラム。大型グリルにトラクターのようなフェンダーを組み合わせたフロントデザインが力強く、根強い人気を誇っています。かつてはスポーツカーであるヴァイパー用のV10エンジンを搭載した、過激なスポーツ仕様がラインナップされたこともありました。

自家用車として使われるのはもっとも小さな車体の「RAM1500」がメインですが、プロユース向けとして大きな車体の「RAM2500」や「RAM3500」も用意されています。ラムやシルバラード、Fシリーズを見ていると、力強く見えるデザインがピックアップトラック大国アメリカで人気を得るのに欠かせない条件であることがわかりますね。

ハイラックスの北米版といえるトヨタ・タコマ

こちからは日本ブランド車を紹介しましょう。北米で販売されているトヨタ・タコマはハイラックスと基本メカニズムを共用しつつ、内外装を専用に仕立てたモデル。ハイラックスと比べると、アメリカの人々の好みを反映した力強いデザインになっているのが印象的ですね。

いわゆる「フルサイズ」ではないので、F-150、ラム、シルバラードに比べるとひとまわり小さな車体を持っていますが、それでも全長およそ5.4mと堂々たるサイズです。さらにロングなモデルもあり!

タコマのお兄さんとなるトヨタ・タンドラ

アメリカでF-150などのフルサイズピックアップと同じクラスとしてトヨタが用意する“大型ピックアップトラック”が、タンドラ。

数種類ある車体サイズのうちもっとも大きいタイプは全長が6mを超え、エンジンはガソリンのV8で5.7L と4.6Lが選べます。アメリカでは、この写真のように大型のピックアップトラックでトレーラーを引っ張るのはよくある光景です。

ハイラックスのライバルとなる日本車も

ハイラックスのライバルに相当する日本のピックアップトラックも、東南アジアをはじめ各地で絶大な人気があります。

まずは日産ナバラ。かつて日本で販売されていた「ダットサントラック」の後継モデルで、メルセデス・ベンツのピックアップトラック「Xクラス」のベースにもなっているクルマです。力強さを感じつつもシンプルなデザインですね。

スタイリッシュなデザインで注目されている三菱自動車の「トライトン」は、日本でも先代が2006年から2011年まで販売されていましたね。新型も相変わらずスタイリッシュです。

北米や東南アジアでは、ピックアップトラックをSUVのようにサラリと乗るのが一般的。ハイラックスの発売によって、日本でもそんな人が増えるといいですよね!

(文:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]