大きくわけて5つある? バッテリーの「種類」

バッテリーは、エンジンをかけるセルモーターを回したり、エアコンやカーナビなどの電装品に電力を供給したり、クルマになくてはならないパーツです。では、バッテリーに種類があることはご存知でしょうか?

一般的な乗用車に使われるバッテリーには、「開栓型」、「ドライ」、「メンテナンスフリー」、「アイドリングストップ車用」、「ハイブリッド車用補機バッテリー」の大きく5つのタイプがあります。

5種類の違いはどこにある?

■開栓型バッテリー

「開栓型」は、多くのクルマに使用されているもっとも一般的タイプです。長く使用していくと内部に充填されているバッテリー液(希硫酸)が蒸発により減っていくので、定期的な点検が必要です。液の減りが確認できるようなら、カー用品店で販売されているバッテリー液(蒸留水または精製水)を充填します。

バッテリー液が不足したまま使い続けると、最悪バッテリーが破裂し火災につながることも……。しかし、現在市販されている製品は、昔と比べて液が減りにくくなっており、バッテリーの平均的な寿命(3~5年)まで液を補充しないケースもあるようです。

■メンテナンスフリーバッテリー

メンテナンスフリーバッテリー(密閉型)は、名前の通りメンテナンス(=点検)を不要としたもの。気密性が高く、バッテリー液の減りがほとんどないので、液の減りを気にすることなく寿命まで使用できます。メンテナンスフリーバッテリーはここ最近の主流でもあり、輸入車や高性能車、ハイブリット車やEV(電気自動車)によく搭載されています。

■ドライバッテリー

通常のバッテリーがバッテリー液の中に電極(金属)が浸されているのに対し、ドライバッテリーは電極にバッテリー液が染み込むように充填され、セル(小部屋)ごとに密閉されています。強力な充電式乾電池というイメージです。通常のバッテリーに比べて非常に軽量なことがメリットで、レーシングカーによく利用されています。反対にデメリットは、非常に高価であること。

■アイドリングストップ車用バッテリー

停車時にエンジンを停止し、燃料消費と排ガスの排出量を抑えるアイドリングストップ機構を搭載したクルマが増えてきました。バッテリーもこの機構に合わせたものを選択する必要があります。

電気を使用するものに共通しますが、スイッチをONにした瞬間は多くの電力を消費します。アイドリングストップ車も同様で、エンジン始動のたびに多くの電力を必要とします。もちろん、エンジン停止中もエアコンやカーナビは動作しているので、バッテリーの電力消費は多くなりがち。そこで、大容量かつ素早い充電性能のバッテリーが、アイドリングストップ車には要求されるのです。

■ハイブリッド車用、補機バッテリー

トヨタ・プリウスをはじめとしたハイブリッドカーには、モーターを駆動させるための「走行用バッテリー」と「補機バッテリー」、二種類のバッテリーが搭載されています。走行用バッテリーは、文字通り電気モーターで走行するために必要は電力を供給するもの。

「補機バッテリー」は、ガソリン車のバッテリーに相当する役割をするもので、システムの電源やECU(コンピュータ)、カーナビをはじめとした車内のさまざまな機能装備に電力を供給します。これがないとハイブリッド車は動かせません。そのため、通常のバッテリーと比較して大容量で、価格も高め。通常のバッテリー以上に、バッテリー上がりを起こすと著しく劣化するので注意が必要です。

ひとくちに“バッテリー”といっても、クルマの機能や特徴にあったタイプが用意されています。交換をする際は、ご自身のクルマにあったバッテリーを選んでくださいね!

(文:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]