痛車コレクション in NAGOYA 萌(もえ)ーターショー!? 3【名古屋モーターショー番外2017編】

日本は世界最大級のアニメ大国かつ自動車大国。2000年ごろ、そのふたつが融合した「痛車」が誕生し、ここ数年では海外にも波及しています。「痛い」かどうかはさて置き、そのオーナーさんたちは、「動くキャンパス」であるこのクルマたちにどんなこだわりを持っているのでしょうか。

11月23日(木)~26日(日)の間、愛知県の「ポートメッセなごや」で開催された「名古屋モーターショー」の一画で、痛車イベント「痛車コレクション in NAGOYA 萌(もえ)ーターショー!? 3」が開催されました。その中から、特に注目された痛車をいくつか紹介しましょう。

痛車というと、ただ単純にお気に入りのキャラクターを貼り付けているだけだと思われがちですが、実はクルマそのもののスタイリングや雰囲気に合わせて場所、大きさ、角度等々を考えなければいけない非常に高度なカスタマイズです。

さり気ないトヨタへのこだわり、セリカ「花咲ワークスプリング!琴吹ヒカリ」仕様

この最終型セリカは、美少女ゲーム『花咲ワークスプリング!』に登場する「琴吹ヒカリ」をモチーフにしたカスタムをしています。キャラクターは、どちらかというと控えめに配置。注目すべきは、そのカラーリングです。

トヨタのモータースポーツファンなら、キャラクターの下の3色のラインで気づくでしょう。アメリカのヒルクライムレース「パイクスピーク・ヒルクライム」に出場していた、トヨタUSAのワークスドライバー・ロッド・ミレン選手がドライビングしたレーシングセリカのカラーリングなのです。

リヤにもさり気ないこだわりポイントがありました。トランク部にある「TOYOTA」と「TOYOTA SPORT」のエンブレムは、欧州トヨタの純正部品です。

ネギがアクセント! スバル・インプレッサ「グッドスマイルレーシング初音ミク」仕様

「初音ミク」は、モータースポーツシーンに痛車が取り入れられる先駆けとなったキャラクター。もともとは、自分が作曲した音楽をその通りに歌ってくれる、パソコン向け音声合成ソフト「VOCALOID」のキャラクターでしたが、今では痛車の定番中の定番になっています。

このインプレッサは、SUPER GT 2012年シーズンの「グッドスマイルレーシング 初音ミクBMW Z4 GT3」のカラーリングに。フロントバンパーは人気の高い「チャージスピード」製のものに変更されています。また、キャラクターやそのグラフィックに目が行きがちですが、クルマのラインに沿った赤紫もしくは緑のラインが「初音ミク」のイメージカラーであることにも注目です。

オモチャのようなスズキ・ジムニー「リトルバスターズ!能美クドリャフカ」仕様

イベントでひときわ注目を集めていたのは、ピンク色のオモチャのようなスズキ・ジムニー。恋愛アドベンチャーゲーム『リトルバスターズ!』に登場する「能美クドリャフカ」をイメージしたカスタマイズが施されています。ボディ各所にあるキリル文字は、キャラクターがロシア人の血を引いており、ロシア語が堪能という設定からです。

ガルウィング&逆開きボンネットという迫力満点のカスタマイズと、柔らかなデフォルメイラストやピンク一色の内装とのギャップが注目の理由のひとつ。エンジンルームを覗くと、オイルキャッチタンクや社外ラジエター、パイピングなど走りも愉しそうな1台に仕上がっていました。

近年はラッピングの質も上がり、大きさや手間を惜しまなければDIYでも十分にハイクオリティな痛車が作れるようになりました。ここまで大胆なカスタムをしなくても、ワンポイントでキャラクターを入れて、ちょっと差を付けてみてはいかがでしょうか? お気に入りのキャラクターを入れると、より安全運転になるかもしれません。せっかくのキャラクターたちが傷ついてしまったらかわいそうですからね。

(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]