必要なツールは3つ! プロに聞いた「車内クリーニング」のテクニック
夏に向けたこれからの季節は、ドライブの機会も増えるもの。一人で行くにせよ、友達や家族と大人数で出かけるにせよ、快適な空間で移動したいですよね。そこで気になるのが、室内クリーニングです。でも、「どんな洗剤や道具を使えばいいのかわからない」という人は、少ないのではないでしょうか?
実は筆者も知りません……ということで、クルマのお手入れのプロに、室内クリーニングのテクニックを聞いてみました。
訪ねたのは、神奈川県川崎市中原区にある「有限会社アスナル(以下アスナル)」。同社は業務用のカーケア用品の販売と、ボディコーティング・ルームクリーニングの施工などを行うカーディテイリングのプロショップです。
シート下や「隙間」に溜まった汚れが匂いになる
アスナルの代表、宮崎慎也さんによると、車内の汚れや臭いの原因となるのは、人間の汗・脂、食べ物のカス、タバコの煙、ペットの体毛、乗り降りの際に持ち込まれてしまうホコリ・泥だそう。
「ハンディタイプや洗車場に備え付けの掃除機で車内清掃を行う方は、多いでしょう。しかし、シートの下やシートバック(背もたれ)と座面の隙間、フロアマットの下に入り込んでしまったゴミや汚れは、見落としがち。これが匂いの原因となります。特にこれから暑い時期に入ってくると、雑菌の繁殖が早くなるので注意が必要です。どんなに気をつけて乗っていても、汚れは溜まって臭いも出てくるので、こまめに清掃してください」(宮崎さん)
では、具体的にどんな方法で車内クリーニングをすればいいのでしょうか? 「高価なツールやクリーナーを使うべき?」と思いがちですが、宮崎さんの答えは、いたってシンプルなものでした。
「固くしぼったタオルとアルコール系のガラスクリーナー、それに掃除機があれば十分です。
まずは、シート下やシートバックと座面の隙間など、細かいところも意識して掃除機をかけます。掃除機が終わったら、固く絞ったタオルでステアリングホイールやインパネを拭き、最後にガラスクリーナーを使ってガラスを拭けばOKです」
ポイントは、『固く絞った』タオルだそう。乾燥したタオルではホコリや汚れを吸着できず、かえって埃を振りまいてしまうのだとか。もうひとつのポイントは、快晴で風通しのいい場所で作業をすること。
「ハンドタオルに含まれる水分やクリーナーに含まれるアルコールを蒸発させるために、作業中や作業後には窓やドアは開けておきましょう。乾かないうちに締め切ってしまうと、せっかくキレイにしても行き場をなくした水分によって雑菌が再び繁殖してしまいます」
ちなみに、カー用品店でよく売られている消臭スプレーは、臭いの上にいい香りをかぶせているだけであるばかりか、車内の部品を痛める可能性もあるので、クリーナーは、シンプルなアルコール系のガラスクリーナーがいいそうです。小さなチリトリを置いて、乗り降りのときにゴミを取り除くなど、汚れを溜めない工夫も有効だと言います。
プロのクリーニングを見せてもらった
せっかくプロショップを訪れたので、実際にプロのクリーニング作業を見せていただきました。
- (左上)シートはリンサーで水を吹きかけ、真空状態にした上で勢いよく汚れを吸い上げる
(右上)蒸発した汗やタバコなどの汚れは、高熱の蒸気で拭き取りつつ除菌・除臭していく
(左下)フロアマットは、洗剤や蒸気で汚れを浮かび上がらせ、徹底的に吸い上げる
(右下)手がよく触れるダッシュボードまわりは、蒸気と拭き取りでキレイに!
水を噴射し汚れを吸着させ真空状態で吸い出す「リンスクリーナー(リンサー)」、高熱の蒸気で汚れ・雑菌を除く「スチームクリーナー」といった機材や「強アルカリ電解水」、有機的な汚れや臭いを分解除去する「バクテリア分解減臭剤」といったクリーニング剤を使い、徹底的に除去。作業後に吸い上げた汚れを見てみると……。
- 「リンサー」で吸い上げた汚れ。大半はフロアマットから出た泥などの汚れである。
作業を見せていただくために助手席とフロアマット、ルーフライニング(天井)のクリーニングをしてもらいましたが、それだけでも吸い上げた水はこんなに真っ黒になっていました。
宮崎さんは「どんなに綺麗にしていても、汚れは溜まっていくものです。年に一度、お部屋の大掃除をするような感覚で、専門店でクリーニングをするといいと思います」のこと。
車内もひとつのプライベート空間です。自分の部屋と一緒で、面倒だからと放っておくと、みるみる汚れが溜まってしまいます。気持ちよくドライブするためにも、まめにクリーニングをして、綺麗な車内を保ちたいものですね!
▼有限会社アスナル
住所:神奈川県川崎市中原区苅宿14-1
TEL:044-431-0390
Webサイト:http://www.earthnoal.com/
(取材・文・写真 クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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