世界中のスーパーカーが日本にやってきた!「2018 ガムボール3000 ロンドン〜東京」
みなさんは「ガムボール3000」というイベントをご存知でしょうか? 7日間で世界各国3000マイル(4800キロ)を走る、ドライブツーリズムイベントです。1999年に始まって、毎年、世界的な有名アーティストやモデル、Youtuberといった「インフルエンサー」と呼ばれる発信力が高いセレブリティが、自慢のスーパーカーやビンテージカーで参加しています。
2018年は記念すべき20回目として、最終目的地が初めて日本の東京に。アジアの都市がゴールになったのは2008年の「サンフランシスコ~北京」以来。8月4日(土)にロンドンを出発し、フランスを経由、7日(火)にイタリア・ボローニャから飛行機で関西国際空港へ飛び、9日(木)に京都府・岡崎公園、10日(金)に石川県七尾市、そして11日(土)に東京でゴールというスケジュールで行われました。参加台数は、120台!
歴史ある公園に現れたガムボーラーズたちにびっくり!
今回筆者は、京都とゴールである東京で、“ガムボーラーズ”と呼ばれる参加者たちを追ってきました。まずは、8月9日(木)のゴール地点である、京都府・岡崎公園の模様から。
- 平安神宮をバックにアストンマーチン・DB11。09号車を運転しているのはアメリカの歌手・アッシャー氏
目の前に桓武、孝明両天皇を祀る平安神宮がある岡崎公園。そこに突如として現れたスーパーカーたちに、地元住民や観光客はびっくりした様子でした。
- 日本からのエントリーで、ひときわ注目を集めていたのはこのブガッティ・シロン。大阪のスタート直前に納車されたばかりとのこと。撮影エリアに制限がないので周囲は見物人の壁!
- こちらも日本からのエントリー「アルファ・ロメオ 8C ディスコ・ヴォランテ・エディション」。世界でたった8台しか生産されていない、希少なクルマ。「ディスコ・ヴォランテ」はイタリア語で「空飛ぶ円盤」の意
- 参加者が自分のチームのステッカー、Tシャツなどのグッズをファンに配る場面に遭遇するのも、ガムボールらしいところ
セレモニーとしてDJやダンサーによるパフォーマンスなどが行われ、最初はまばらだった会場に人が集まってきました。その割合の多くを占めるのがなんと10代の若者たち。彼らは参加者のSNSやYoutubeを見てやってきたそうです。しかし、たくさん現れるはずのガムボーラーズたちのクルマが、なかなか来ない……。
どうやら、参加者の多くが日本の道を走ったことがないため、主催者がルートブックをわたしてもミスコースをしてしまい、到着が遅れたようです。セレモニーの終了間際にカーナンバー「150」をつけた、1台の「メルセデスAMG GT R」が到着しました。
このクルマのドライバーは、世界中を飛び回ってスーパーカーを中心とした映像を配信する「Shmee150」氏(本名はティム・バートン)。Youtubeのチャンネル登録者数が135万人という「世界一のカーYoutuber」です。
- 「道に迷ってしまいゴールが遅れてしまったよ。けどYoutubeを見てくれている日本のファンがたくさん待っていてくれてうれしい!」とYoutubeで見るのと同じ満面の笑みで話してくれた
今回は、メルセデス・ベンツ日本から貸与されたAMG GT Rで参加していましたが、「メルセデスAMG GT R」「マクラーレン675LTスパイダー」「BMW M5」「ポルシェ911GT3」など、自身もスーパーカーを複数所有しており、さらに「新型フォードGT」「新型TVRグリフィス」「マクラーレン・セナ」が納車待ちだとか! 今回ガムボーラーズの一部は、Shmee150氏のように自動車メーカーやスーパーカーなどを取り扱うレンタル会社の協力を得て、別のクルマで最終目的地の東京を目指していました。
- この日、到着したクルマはそのまま岡崎公園に保管され、参加者はバスで宿泊先に移動。クルマはもちろん見放題
最終目的地「東京」は直前のルート変更で大混乱!
京都を出たガムボーラーズは、石川県の「日本自動車博物館」を経由し、最終目的地の東京を目指します。
ところが、当日の出発直前にガムボール3000を主催する「Mr.ガムボール」ことマキシミリオン・クーパー氏(以下クーパー氏)が、「18時に横浜の大黒にいく」と関係者だけではなく、同イベントの様子を積極的にSNSに投稿するユーザーに発信し、突然のルート変更に一同は大混乱。結局、横浜の大黒PAに数台が到着しましたが、多くのガムボーラーズはたどり着けず……。
そこでクーパー氏は、本来非公開だったこの日の車両保管場所の住所を公開。日本のファンとガムボーラーズが触れ合う機会を設けました。上の写真は、保管場所となった東京都内の倉庫の近くで撮影したものです。
- 一部のクルマは、この日の宿泊先の「コンラッド東京」へ直接向かった。ガムボール3000には、このようなヴィンテージスーパーカーも多数、参加する。ちなみにこのフェラーリ288GTOは、後述のフィナーレパーティーにて「ベストカー賞」を獲得した。
4800kmドライブの〆はファンと一緒にパーティー!
東京で迎えた最終日は、深夜に六本木のナイトクラブ「10AK TOKYO(ワンオーク東京)」にて、参加者・関係者とファンを交えたフィナーレパーティーが行われました。パーティーの前半にはクーパー氏による表彰式も実施。最優秀賞となる「スピリット・オブ・ガムボール」が送られました。
- 受賞者にわたされるトロフィーは、今回のツアーの協賛企業のひとつである英国のラグジュアリーブランド「Asprey(アスプレイ)」の銀細工師が175時間かけて制作したという「ガムボール・スピリット・トロフィー」
この賞は「ツアー中に目立っていた」、「クーパー氏に最大限のアピールをした」、「ガムボール3000のスピリット(どれだけ周囲を楽しませながら自分も楽しんでいるか)を体現している」という要素を満たしているチームに対して贈られるもの。
今回、トロフィーを獲得したのは、ドバイからエントリーした「チーム・デーモン」でした。クルマは「ダッジ・チャレンジャー SRTデーモン ヘネシー・パフォーマンスチューン」です。
ガムボーラーズたちの発信で外国人観光客がさらに増える?!
主催者によると、日本・東京をゴールにしたのは、2019年に開催される「ラグビーワールドカップ」、20年に開催される「東京オリンピック」を成功に導く力を、「ガムボール3000」が持っているからとのこと。YouTubeやSNSのインフルエンサーが、トレンドを先取りする形で日本とその伝統文化を肌身で感じ、発信することで、より多くの外国人観光客を誘致する意図もあるようです。
- 「コンラッド東京」のエントランスにはスーパーカーがずらりと並んだフィナーレパーティーの朝
こういった狙いに賛否はあるでしょう。また、この「ガムボール3000」そのものにさまざまな意見もあるかと思います。しかし、これだけのスーパーカーやビンテージカーを間近で見られるイベントは、なかなかありません。それが目の前で走る姿を見せてくれるんですから、それだけでもクルマ好きとしては十分な価値を感じてしまいます。
(取材・文・写真:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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