もうすぐ買えなくなる!? パジェロやマークXにあの輸入車も……時代の変わり目に去り行くビッグネームたち
30年続いた「平成」に別れを告げ、「令和」という新しい時代が訪れました。そんなタイミングで飛び込んできたのがビッグネームである三菱「パジェロ」やトヨタ「マークX」が販売を終了するというニュースです。その背景も含めて、両者の功績を振り返ってみましょう。
日本向けのパジェロは、今年8月で生産が終了
RVブームの1990年代中盤に爆発的に売れたパジェロ。初代デビューが1982年なので37年もの歴史があり、現行モデルは4世代目にあたります。
デビュー当初、パジェロは「乗用車の快適性を備えた本格四輪駆動車」という画期的なコンセプトでした。それまでの四輪駆動車は「悪路走破性は高いけれど、快適ではない」というのがほとんど。しかしパジェロは、乗用車感覚の快適性を備えることで「ヨンク」を一般の人でも普通に乗れるクルマへと変化させたのが大きな功績です。
また、アフリカを舞台にした冒険ラリー「パリ・ダカール・ラリー」で幾度もの優勝を飾るなど大活躍し、上手にプロモーションも活用することで人気を高めました。
日本でもっとも多く売れたのは、1991年にデビューし1999年まで販売された2代目。ボディは写真のロングのほかにショートボディを用意し、ショートボディにはオープンモデルも用意されていました。どのくらいのグレード数があったと思いますか? 合計で30を超えるグレードがあったのだから驚きですね。
当初は「快適な四輪駆動車」でしたが、その後はSUVの主流がどんどん乗用車に近づいたことで、2000年代に入ると逆に「本格的な悪路走行用の四輪駆動車」と相対的にポジションが変化。そんな背景もあり、以前ほど販売台数が稼げるモデルではなくなってしまいました。
中東やアフリカなど海外向けは今後も生産が続きますが、日本向けが生産されるのは今年8月まで。その理由は、強化された日本の歩行者保護法規に(コスト的な判断も含めて)対応するための構造変更ができないというものです。現在は、最後を飾る「ファイナルエディション」という特別仕様車を販売中。
トヨタから消えるのはあのクルマ。生産は年内いっぱい
かつて、平成の中盤までは、乗用車と言えばセダンがあたりまえでした。平成が始まる前後に新車販売ランキングにおいて2位を定番のポジションとしていたクルマが「マークⅡ」。その後「マークX」へと改名したクルマで、デビューはなんと1968年。半世紀以上の歴史を持つ長寿モデルです。
昭和から平成へと年号が変わる1990年前後には「ハイソカーブーム」と呼ばれる高級車の流行を受け、1987年から1994年まで新車販売ランキングで2位をキープ。1988年から1995年にかけて販売されていた6代目は、団塊の世代のサラリーマンがこぞって購入していた、まさに日本を代表する高級セダンだったのです。
その後2004年には「マークX」と名前を変更してイメージチェンジ。現在発売されているマークxは2009年に発売された2代目です。
そんなマークXも、2019年をもって生産を終了するとアナウンスされました。現在はそれを記念してアルカンタラのインテリアなど仕立てをアップグレードした特別仕様車「ファイナルエディション」も販売されています。
マークXは“後輪駆動のセダン”という古くからのクルマ好きにとっては魅力あふれるパッケージング。しかし、マークXの販売終了は200万円台で購入できる後輪駆動のセダンが消滅することも意味しています。ここに寂しさを感じるクルマ好きも多いことでしょう。
パジェロもマークXも、平成のはじめに爆発的なヒットを飛ばしてその時代を過ごした人には親しみのあるビッグネーム。ハイソカーブームにミニバンブーム、そしてハイブリッドカーの一般化と30年間続いた平成は自動車業界の流行の動きも活発でした。コンパクトカーや軽自動車が販売ボリュームを増やすいっぽうで、時代の変化とはいえこうしたビッグネームが去っていくのはなんとも寂しい限りですね。
買うなら今しかない! ビートルも再びお休みに
ビッグネームが消えてしまうのは、国産車だけではありません。輸入車ではなんと、フォルクスワーゲンの「ビートル」が2019年度中に生産を終了することがアナウンスされています。
1930年代に発売され、その姿がカブトムシに似ていることから「ビートル(=カブトムシ)」という愛称で呼ばれた「フォルクスワーゲン タイプ1」。それをモチーフにしたモダンレトロなモデルが1998年に発売された「ニュービートル」で、現在発売されているのは2012年のフルモデルチェンジを経た「ザ・ビートル」。その販売が終了するというのです。
残念なのは、次期モデルの予定がないこと。つまりビートルはこのままお休みする可能性が高いのです。再び姿を現すとすれば、しばらくしてから電気自動車としての復活かもしれません。確実に言えるのは、このスタイルを手に入れられるのは今だけってことですよ。
イヴォークのオープンモデルも今が最後のチャンス?
スタイルのカッコよさで大好評のレンジローバー「イヴォーク」。欧州ではすでにフルモデルチェンジした新型の販売がはじまっていますが、気になるのはそのラインナップ。なんと「イヴォーク・コンバーチブル」が見当たらないのです。
イヴォーク・コンバーチブルは、SUV+オープンカーというなんとも個性的なモデル。同社によると「現時点では新型に予定がない」と言いますから、買うなら今です!
自動車の世界は、次々と新しいトレンドが生まれては消えていくことの繰り返し。だから新しいクルマが生み出されていくいっぽうで、消えていくクルマだってあります。果たして次はどんなトレンドが起こり、どんなクルマが流行するのでしょうか。興味深いし、楽しみでもありますね。
(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
あわせて読みたい!
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-