踏み間違いによる急発進を防止する「ペダルの見張り番」がバージョンアップ。実際に乗ってみた

2019.06.19 10:00

近頃、車両の暴走による痛ましい事故の報道があとを断ちません。とんでもない速度での暴走では防ぎようのない場合もありますが、駐車場などの低速域では事故を防げる可能性もあります。

ペダルの踏み間違いが原因と見られる事故のニュースが相次いでいます。こうした事故を防止するには、どうしたらいいのでしょうか？　そのひとつの回答が「ペダルの見張り番」です。

踏み間違いによる急発進を防止するこの装置、2016年12月に発売され、2019年1月に「ペダルの見張り番II」に進化。A PIT AUTOBACS SHINONOMEで、実際に装着されているクルマに乗って体験してきました。

アクセルとブレーキを踏み間違えても、車両の急発進を防止する

「ペダルの見張り番II」の仕組みを簡単に説明すると、アクセル信号を常時モニターし、停車時または10km/h未満の徐行時に急激にアクセルペダルを踏み込んだ際、アクセル信号がキャンセルされ、速度が出ないようにするというもの。駐車場などでアクセルとブレーキを踏み間違えてしまったときに、急発進を防げるというわけです。

: アクセルを急激に踏み込んだときにだけシステムが作動し、急発進しなくなる

: アクセルとブレーキの同時踏みでもブレーキが優先され、急発進を抑制してくれる

実際に乗ってその動作をたしかめた

はじめに売り場の担当でもある、A PIT AUTOBACS SHINONOMEカーライフアドバイザーの千野さんにデモンストレーションをしてもらい説明を受けたあと、「ペダルの見張り番II」が装着されているクルマを運転してみました。

停車状態で急激にアクセルを踏み込むと、ブザー音が鳴り、同時にエンジン回転が抑えられクルマは徐行程度の速度しか出ません。パニックになってアクセルを急激に踏み込んでも、急発進しないことを実感しました。

「アクセルを踏んで普通に走りたいときは？」と思うかもしれませんが、アクセルをじわっと踏み込めばちゃんと発進しますし、速度も乗ります。あくまでも、停止または極低速時に、急にアクセルが踏まれたときだけ、急発進が抑制される仕組みです。

: 車止めを乗り越えるようなアクセルの踏み込みでももちろん作動する

坂道ではキャンセルスイッチを

しかし、ときには急アクセルが必要な場合があります。それは、坂道発進です。坂道発進では、通常よりも強めにアクセルを踏み込みますが、システムが作動しているときにも出力が抑制され、発進することができません。そこで、「ペダルの見張り番II」では、新たにキャンセルスイッチを設け、スイッチを押すことで一時的に機能をキャンセルすることが可能となりました。アクセルを戻したときにシステムは自動復帰するので、坂道発進をするときに一回だけスイッチを押せばいい親切設計です。

200車種以上のクルマに対応する

オートバックスでは、本体と専用ハーネス、取り付け工賃込みで、「ペダルの見張り番」を30,000円＋税、「ペダルの見張り番II」を40,000円＋税で販売しています。少し古い、スロットルがワイヤーでアクセルペダルに繋がっているクルマには装着できませんが、電子制御式スロットルを採用する200車種以上に対応しているそうです。なお、アクセルの踏み方は人それぞれなので、アクセル感度の調整を行ってからお客様にお渡しするとのこと。

最新のクルマには誤発進抑制機能が搭載されていますが、非搭載車に乗っている方は、万が一の備えとして検討してみてはいかがでしょうか。