新たな挑戦の相棒は、こだわりいっぱいのダイハツ「ミラ」。クラフトコーラを販売する「伊良コーラ」【キッチンカー探訪】
ランチタイムのオフィス街に、野外イベントの会場に、はたまたファッションストリートの一角に出没するキッチンカーやフードカート(移動販売車)。味もさることながら、思い思いにデコレーションしたクルマのかわいらしさも楽しみの一つです。今回は、ダイハツ「ミラ」のウォークスルーバンを相棒に活動する「伊良(いよし)コーラ」に、フードカートでコーラを販売することへのこだわりを聞きました。
じいちゃんの技術と孫の情熱の結晶
伊良コーラを生み出したのは、「コーラ小林」のネームプレートをつける小林隆英さん。昔からかなりのコーラマニアだったのだそう。
- 店主の小林隆英さん。
インターネットでコーラについて検索していたとき、偶然100年前のコーラのレシピを発見したことから、小林さんの好奇心がMAXに。祖父・伊東良太郎さんが和漢方職人だったこともあり、お祖父さんから受け継いだ調合技術と小林さんの情熱によって、2018年、「伊良コーラ」が誕生しました。
- 伊良コーラのすべてが詰まったシロップ。
一見コーラには見えないこちらのシロップには、コーラの語源にもなっている生のコーラナッツやカルダモン、ナツメグ、柑橘類など12種類のフレーバーが入っています。普段コーラに親しみのない人でも、また飲みたくなる、角のないまぁるい味です。
- 伊良コーラ(500円/税込)
現在は、オンラインショップのシロップ(Mサイズ3,150円+送料)販売がメインですが、週末には、東京の青山通り沿いにある国連大学前で行われる「Farmer’s Market @UNU」へ出店。1杯500円(税込)で味わえます。
この青山で販売する時に登場するのが、フードトラック「カワセミ号」です!
- 週末に行われる「Farmer’s Market @UNU」の様子。
「伊良コーラは会社員時代の貯金を元手に始めました。最初は会社員と並行する形で始め、どこかの物件を借りるのではなく、コストやリスクが少ないフードトラックでの出店に決めました。今は伊良コーラ一本で勝負しています」(小林さん)。
コーラ作りとフードトラックでの移動販売は、会社員だった小林さんにとって新たな世界への挑戦だったのです。
カワセミは挑戦の印! 自慢の相棒「カワセミ号」
- ダイハツ「ミラ」ウォークスルーバンを伊良コーラ仕様に。
移動販売の相棒に選んだのは、ダイハツ「ミラ」のウォークスルーバンでした。
「フードトラックに改造した時、お客さんとの目線が近く、開口部も大きく取れて一番キレイなスタイルと思ったので、『ミラ』にしました。パッと見て直感的に『いいな』と思ったのも理由です」(小林さん)。
知り合いの札幌の整備工場で小林さんも一緒にフードカートの改造を手伝ったそうです。
ロゴマークは、世界で初めて専門メーカーとして手作りコーラを世に打ち出し、常識や既成概念に挑戦する姿勢を、水中に飛び込み魚を捉えるカワセミになぞらえました。だからカラーリングは、少し紫がかった落ち着いたブルーをチョイス。
「色的にはローバーミニのアイランドブルーです。ちょっと落ち着いていて、風合いのあるこの色が単純にキレイな色だと思い、カワセミ号のカラーに決めました」(小林さん)。
- 名付けて「カワセミ号」。
ナンバーにもこだわり。お客様と一緒に楽しむ工夫も
また内部の構造も計算されています。
「販売する時にコーラを作る様子を見て楽しめるように、強炭酸水を出すところや、シロップを入れるところにこだわりました」(小林さん)。
- 取り付けられたロートからしっかりシロップが注ぎ込まれる。
- 勢いよく強炭酸水が注ぎ込まれる。作る様子もお客様に見えるように工夫したとのこと。
オーダーしてから作られる伊良コーラ。ジッパー付きの袋にシロップが注がれる仕組みや、その後、ノズルから勢いよく炭酸水が注がれる過程など、お客さんの対面で行うショー形式。自然と作る工程に興味が注がれるので、見ていてとてもワクワクして、自然とお客さんとの会話も生まれる形です。そして、さりげなく背後には漢方入りの茶色の小ビンも並べられ、お祖父さんへの想いも表現されていました。
「お客さんからも『クルマも良いですね』という声をいただきます。あと、『ナンバープレートが144(いよし)になっている!』と気づかれる方もいますね(笑)」(小林さん)。
自分のルーツと「好き」を極めて誕生したクラフトコーラ。販売スタイルもどこか身軽で、そしてコンセプトが際立っています。青山のファーマーズマーケットをのぞいてみたら、ぜひ青いクルマを探してみてください。
(取材・文:別役ちひろ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
<取材協力>
伊良コーラ(HP)
http://iyoshicola.com/
伊良コーラ(インスタグラム)
https://www.instagram.com/iyoshicola/?hl=ja
[ガズー編集部]
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