果樹園姉妹、ハイゼットを走る山小屋に改造! 飛騨高山「フルーツカフェBitta」【キッチンカー探訪】

ダイハツ「ハイゼット」の荷台を改造した、まるで山小屋のような1台。こちらは岐阜県・飛騨高山にある、果樹園育ちの姉妹が営む移動カフェ「フルーツカフェBitta(ビッタ)」のキッチンカー。販売しているフルーツたっぷりのスムージーと同じくらい、姉妹の愛とこだわりが詰まったクルマです。

飛騨高山の果物のおいしさを知ってもらいたい!

左が亜矢子さん(姉)、右がさゆりさん(妹)。
左が亜矢子さん(姉)、右がさゆりさん(妹)。

高山市内を走る、ちょっとコロンとした形のキッチンカー。地元のスーパーや道の駅、イベントなどで看板を出す「フルーツカフェBitta」は、岐阜県高山市にある「平田果樹園」の長女・山本亜矢子さんと三女・阿多野さゆりさんが営んでいます(ちなみに次女さんが果樹園を継いでいます)。

飛騨高山の果物のおいしさを広めたくて、手軽に味わってもらえるスムージーの店を始めました。2017年に小さな固定店舗をオープンしましたが、自由に色々なところへ行ける移動販売に魅力を感じ、昨年Bittaカーを製作、移動販売を開始しました。果樹園の娘らしく、果物をケチらずたっぷり使った濃厚なスムージーの提供にこだわっています」(山本さん)。

飛騨桃を丸々2個使った「飛騨桃の贅沢スムージー」(700円/税込)
飛騨桃を丸々2個使った「飛騨桃の贅沢スムージー」(700円/税込)

モモ、リンゴ、ナシ、フルーツトマトは実家の平田果樹園のものを主に使用し、足りない分や実家で作っていないものは、近所の農家や知り合いの果樹園のものを使用しているそう。つまり、すべて地元・飛騨高山産。もちろん旬の果物を使っているため、季節ごとにメニューが変わります。これはおいしいに決まっていますね!

最初から軽トラ狙い! 足りない資金はクラウドファンディングを利用

走る山小屋・Bittaカー。
走る山小屋・Bittaカー。

店舗名やクルマに名づけられている「Bitta(ビッタ)」は、飛騨弁で「女の子」を意味する「びった」という言葉から、お父様がつけてくれたとか。カフェのコンセプトも「果樹園でままごとをして遊んでいる女の子(びった)」ということで、キッチンカーのイメージも「果樹園の山小屋」なんだそうです。

中古のハイゼットがBittaカーの本体。
中古のハイゼットがBittaカーの本体。

果樹園の娘なので、もともと軽トラに馴染みがあり、クルマの中で立って作業したかったため、軽トラが良いと思い、探しました。しかし、私たちはオートマ(AT)しか運転できないため、ATの軽トラを中古で探していたら、鹿児島県の販売店で程度の良いハイゼットが見つかりました。その時点では、漠然と『荷台に小屋のようだったらいいな』というくらいのイメージでした」(山本さん)。

デザインについては、固定店舗を開くとき設計を担当した設計士へ相談。開口一番、「店舗のイメージをそのままクルマにしたいんです!」と告げたそうです。そして、軽トラを改造した移動販売車の写真なども集めて資料として渡したとか。

移動販売を開始するまで営業していた「フルーツカフェBitta」の店内。
移動販売を開始するまで営業していた「フルーツカフェBitta」の店内。

もともと、Bittaのコンセプトをよく理解していた設計士だったため、Bitta姉妹の思い描いていたイメージはしっかりつかみ取れたとのこと。この見れば見るほどユニークなデザインが出来上がりました。

荷台部分に作られた「山小屋」の骨組み。
荷台部分に作られた「山小屋」の骨組み。

デザインをよく見てみると、荷台に店舗部分を作りつけ、屋根は車体と山小屋(店舗部分)が一体に見えるよう、カタツムリのように後ろまでグルンと巻いた形になっています。もちろん内部もコンパクトながら無駄がなく、作業しやすいそうですよ。

全体的にくるっと屋根が巻かれた形。
全体的にくるっと屋根が巻かれた形。

コロンとしたシルエットがかわいくてお気に入りです! 設計士さんをはじめ、大工さんなど関わってくださった方すべてがクルマの上に建物を作るのが初めての試み。その中でも、荷台にフレームを組んだり、発電機を載せるスライドを作ったりということが、初めての挑戦で大変だったそうです。また、荷重の問題も発生。重さに耐えられるよう、軽トラの足元を強化するために、クルマ工場の方々が試行錯誤してくださいました」(山本さん)

荷台部分を店舗にしたため、お客様用にしっかりとした踏み台を用意。
荷台部分を店舗にしたため、お客様用にしっかりとした踏み台を用意。

個性ある見た目で注目してもらえるのは、移動販売をする上で大きな強みになっていると思います」(山本さん)。

お客さんからも「かわいい!」と、声をかけられることがしばしばあるそうです。中にはこの珍しい形に興味を持ってデッサンしていく人もいたとか。また、外国人観光客も多い飛騨高山。走行中のBittaカーを見かけた外国からのお客さんは、手を振ってくれたそうです。

「クラウドファンディングで応援してくださった方をはじめ、製作に携わってくださった方々など、本当にたくさんの方のお力が集まってBittaカーが完成しました。そのおかげで、一層クルマに愛着をもって楽しく働けています。これからも大切に乗り、色々なところへ出掛けてたくさんの方々においしいスムージーを召し上がってもらいたいです」(山本さん)

より多くの人に飛騨のフルーツのおいしさを知ってもらいたい。幼い頃から果物と親しんできた姉妹ならではのキッチンカー。たくさんの果物を積んで、今日も高山の街を走っています。

(取材・文:別役ちひろ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

<取材協力>
フルーツカフェBitta
https://bitta.hida-ch.com/d2017-01.html

[ガズー編集部]

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