エンジンオイル交換しないとどうなる？タイミングの目安についても解説

2022.08.17 11:00

エンジンオイル交換は安心して運転するために必要な車のメンテナンスの一つです。ただ、定期的に行う必要があることは分かっていても、怠った場合のリスクや適切な交換のタイミングについては詳しく知らない方も多いでしょう。そこで、エンジンオイル交換の基礎知識や適切なタイミングなどについて解説します。

あわせて読みたい！
休眠車を起こすときは要注意！再始動時のポイント

1.エンジンオイル交換とは？

エンジンオイル交換とは、エンジンオイルを交換する車のメンテナンス作業のことです。車を正常に走行させるために定期的に行う必要があります。

そもそもエンジンオイルの役割とは？

防錆
潤滑
冷却
密封
洗浄

エンジンオイルはエンジンの内部を循環することで動きを助けます。役割は大きく5つあり、エンジン内部の水分を取り込んでサビを防ぐ「防錆」や、金属の摩擦を軽減することでパーツを保護したりエンジン異常や燃費低下を防いだりする「潤滑」、熱を吸収してオーバーヒートを防ぐ「冷却」・ピストンとシリンダーの距離感を適正に保つことでエネルギー効率を保つ「密封」、内部にたまった汚れを吸着し分散させることで動きを保つ「洗浄」に分けられます。

2.エンジンオイルを交換しないとどうなる？

エンジンオイルを交換しないと、エンジンの不調や故障を引き起こしかねません。まず、エンジンオイルはエンジン内部を洗浄する役割を持っているので、走れば走るほどオイルは汚れていきます。オイルが汚れると、燃料やオイルの燃えカスであるスラッジ（汚泥）が発生。エンジンの可動部や回転部に付着し、抵抗となるため、エンジンの性能や燃費が悪化するのです。

また、オイルは劣化が進むと粘度が落ち、潤滑や密閉といった機能を果たさなくなり、最悪の場合、ピストンリングが固着したり、ベアリングが焼き付きついたりしてエンジンを壊してしまうことも。エンジンの性能を維持するため、必ず定期的にオイル交換しましょう。

あわせて読みたい！
オイル交換しないと、クルマの内部では何が起こる？

3.エンジンオイル交換のタイミングの目安

半年もしくは走行距離5,000キロごと

オイルの性能が上がったことで、1万キロでも粘度が保たれるので問題ないという声もありますが、スラッジの発生や車のトータルコンディションを考えると、長く大切に乗っていただくためには5,000キロ前後の交換を推奨します。

エンジンオイルは目安よりも高頻度で交換してもよい？
エンジンオイルは目安のタイミングよりも高頻度の交換でも問題ありません。半年もしくは走行距離5,000キロごとというのは、あくまでも目安に過ぎず、ご使用の環境などにより頻度を高めた方がよいこともあります。ご自分でそろそろタイミングと感じられた際はぜひ、交換してみてください。

エンジンオイルを交換する際には注意するべきことが3点あります。それぞれ詳しく解説するので参考にご覧ください。

車のエンジンに合った粘度のオイルを選ぶ
基本的には、車の取扱説明書に書かれている「サービスデータ」に記載されている粘度をベースにオイルを選んでください。粘度は、オイルの硬さを表すものですが、それぞれのエンジンに合った粘度が説明書に載っています。メーカー推奨粘度が分からない場合は、カーディーラーやカー用品店に愛車の車種や年式を伝えると教えてもらえるでしょう。

また、オイルには鉱物油や化学合成油、両方を掛け合わせた部分合成油がありますが、特に最近の車にはエンジンの低温時から内部の隅々までオイルが行き渡りやすく、熱に強い化学合成オイルを推奨します。

オイルフィルターも同時に交換する
オイルフィルターを交換せずにいると、フィルターが詰まります。車のつくりでは、詰まってしまった場合には、エンジンを保護するためにフィルターを通さずにオイルを循環させることになっているのです。そのため、汚れたオイルがそのままエンジン内部を循環するようになってしまいます。

汚れたオイルが循環すれば当然、エンジンにダメージが与えられてしまいます。また、エンジンオイルを抜いてもフィルター内部に古いオイルが残ったままになるため、少なくともオイル交換の2回に1回はフィルター交換もするべきです。

なるべく専門店に依頼する
オイル交換にはいくつか道具が必要なことに加え、作業が難しいため個人で行うのはおすすめしません。服や持ち物が汚れるため後片付けに手間がかかったり、交換したオイルを廃油として自治体のルールに従って処分する必要があったりと、面倒な点もあります。また、費用面に関しても道具を購入することをふまえると、プロに任せるのと大きな差はありません。

安全面や費用対効果を考えると、オイル交換はディーラーやガソリンスタンド、カー用品店に依頼するのが得策でしょう。