運転免許試験場で献血を呼びかけているのはなぜ? はたらく献血バス<前編>
地域にもよりますが運転免許証を更新する際、運転免許試験場(運転免許センター)の敷地内に献血バスが止まり、献血協力を呼びかけているところをよく目にします。
なぜ運転免許試験場で献血協力を呼びかけているのか? 献血バスで献血を行うようになったのは、いつからなのか? また、献血バスはどのような造りなのか? 献血バスには知らないことが多く、次々と疑問が浮かびます。
今回は日本赤十字社 血液事業本部 経営企画部 経営企画課の国吉 紀和さん、東京都赤十字血液センター 事務部 総務課 主査の玉木亮さん、東京都赤十字血液センター 事業推進一部 献血推進課 献血一係長の高木啓輔さんに、献血バスの疑問に答えてもらいました。なお、いただけた回答は東京都内を中心としたものとなっています。
※献血バスは、厳密には「移動採血車」と呼称しますが、ここでは献血バスで表記します。
- 玉木さん(左)と、高木さん(右)。国吉さんにはメールで伺いました
献血バスが運転免許試験場に訪れる理由は?
現在、東京都の運転免許試験場、運転免許センターで献血バスが定期的に配車されているのは「府中運転免許試験場」のみ。かつては「鮫洲運転免許試験場」にも訪れていたのですが、設営場所の確保が困難となったため停止。「江東運転免許試験場」へは不定期に配車しているそうです。
運転免許試験場に献血バスが訪れる主な理由は、若い世代の来場者が多く、平日、休日に関わらず安定した献血協力を得られるからとのこと。「府中運転免許試験場」と「江東運転免許試験場」を併せた献血者数は、東京都全体の2.6%前後(2016年度:2.8%、2017年度:2.7%、2018年度:2.5%)に登ります。
くわえて献血バスが停車でき、受付や献血カードの発行、献血者の休憩場所が展開できるといった、立地的な条件がクリアされていることが挙げられます。
献血バスの稼働はいつから?
1961年8月に第1号献血バス(下画像)が完成。活動を開始したのは翌1962年9月からでした。最初の配車先は厚生省(当時)と東京都庁で、50人から献血協力を得られたそうです。
- 画像提供:日本赤十字社
東京都内にある運転免許試験場への配車は「府中運転免許試験場」が最も古く1968年2月から。同年5月より「鮫洲運転免許試験場」、1984年9月より「江東運転免許試験場」への配車が始まりました。
第1号献血バスの完成から50余年を経た現在(2018年度末時点)、全国で276台の献血バスが配備され、配車計画に沿って稼働しています。
献血バスは日本赤十字社が購入しているの?
ほとんどの献血バスは、組織や企業から寄贈されたものです。およそ半分は「宝くじ協会」からの寄贈となっています。
- 取材させてもらった献血バスは、「日本通運」より寄贈されたもの
献血バスには中型、大型、特大型とさまざまな種類があり、ベースとしてバスやトラックが使用されます。東京都内に配置されている献血バスは、道路事情や敷地内での取り回し性から中型車が中心となっています。
- 小型のマイクロバスは採血用の設備を積んでいない。献血用の部屋が確保できた際、人員や機材を持ち運ぶために使用される
一台の献血バスには、何人の職員が乗っているの?
地域や配車先の状況によって変わりますが、お医者様が1名、採血職員が3名、運転手を含めた事務職員が3名、あわせて7名での運用が標準だそうです。
すでに50年以上、活躍してきた献血バス。運転免許試験場に配車されるのは多くの条件をクリアしている施設だからというのが分かりました。<後編>では献血バスのメカニズムを中心に解説します。
(取材・文・写真:糸井賢一 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/
東京都赤十字血液センター
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/index.html
[ガズー編集部]
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