モデリスタの歴史をコンプリートカーで振り返る

トヨタのカスタマイズブランドであるモデリスタ。「他とは違う自分だけの特別な1台が欲しい」という願いをかなえるブランドとして、数多くのコンプリートカーやカスタマイズ用品をリリースしてきました。今回は、そのモデリスタの歴史をコンプリートカー中心に振り返りたいと思います。

市場のニーズの高まりに応えて1997年2月に誕生

モデリスタが誕生するのは1997年2月のこと。この頃は、1995年の道路運送車両法改正による規制緩和で、一気にカスタムに対するムードが盛り上がっていました。
そうしたニーズに応えるため、「株式会社トヨタモデリスタインターナショナル」と「株式会社トヨタモデリスタ福岡」「株式会社トヨタモデリスタ神戸」の3社が誕生します。事業内容は、カスタマイズ車両と関連部品・用品の開発および販売、そして個別カスタマイズへの対応です。3社のうち、主に開発は「トヨタモデリスタインターナショナル」が担当します。
また、「トヨタモデリスタインターナショナル」は、トヨタだけでなく、TRDブランドを抱える「トヨタテクノクラフト株式会社(現在の株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント社)」も共同出資しており、トヨタ車を知る会社同士で、より高い技術が生かされる体制となっていました。
ちなみに「株式会社トヨタモデリスタインターナショナル」「株式会社トヨタモデリスタ福岡」「株式会社トヨタモデリスタ神戸」の3社は2002年に「株式会社トヨタモデリスタインターナショナル」に統合されています。

誕生したばかりのモデリスタは、さっそく、1997年に最初のコンプリートカーを発表します。それが「PX-01」でした。トヨタ「サーフ」をベースに大型の前後バンパーとフルフレアメタルと呼ぶオーバーフェンダーを備えてスポーティーさを強調。それでいて4灯グリルが可愛らしさも感じさせる個性あふれる1台です。

1997年にリリースされたモデリスタの最初のコンプリートカー「PX-01」。ベースとなったのは「サーフ」でした。
1997年にリリースされたモデリスタの最初のコンプリートカー「PX-01」。ベースとなったのは「サーフ」でした。

さらにモデリスタは、同年に「グランビアPX-02」「ランクル70ネオクラシックPX-10」「スターレットPX-11」もリリースするなど、勢いを見せます。そして、その勢いは、翌年にも続き、イタリアの有名カロッツェリアである「ザガート」と共同開発した「ハリアーザガート」を発表します。

ザガートのコラボレーションはその後も続き、2001年に「VM180ザガート」、2006年には第2世代の「ハリアーザガート」がリリースされています。

2001年に発売となった「VM180ザガート」。2座オープンカーであるMR-Sをベースにイタリアンデザインをまとった1台。
2001年に発売となった「VM180ザガート」。2座オープンカーであるMR-Sをベースにイタリアンデザインをまとった1台。
2006年に発売された「ハリアーザガート」。前後のフェンダーキットや専用アルミホイールなどでたくましさをアップ。
2006年に発売された「ハリアーザガート」。前後のフェンダーキットや専用アルミホイールなどでたくましさをアップ。

コンプリートカーからパーツ装着へと重心を移動

1990年代後半から2000年代前半のモデリスタは、どちらかといえば個性的なコンプリートカーを数多くリリースしてきました。しかし、2000年代後半から、徐々に、その重心は装着用のパーツ販売へと移ってゆきます。

そうした動きを大きくプッシュしたのが、2009年に誕生した3代目「プリウス」でした。当時は、エコカー補助金などの追い風もあり、「プリウス」が大ヒットを記録。なんと、3代目の「プリウス」は、それまでの絶対王者であった「カローラ」を下し、年間販売ランキングの1位を獲得したのです。
しかも、2009年から2012年まで4年連続で1位をキープ。同じクルマが数多く売れれば、それだけ「他と違うようにしたい」というニーズも高まるもの。そうした願いをかなえるモデリスタのカスタマイズ用パーツは高い人気を集めることに成功します。

2009年に登場した3代目「プリウス」用のカスタム。写真は2012年の製品で、表情の異なる6バージョンが用意されていました。
2009年に登場した3代目「プリウス」用のカスタム。写真は2012年の製品で、表情の異なる6バージョンが用意されていました。

一方、カスタマイズのベースとしてジワジワと注目を集めていたのがミニバンやワンボックスカーでした。「アルファード」や「ヴェルファイヤ」をよりゴージャスにするカスタマイズが人気となります。また、おもてなし空間を極めた2015年の「アルファード/ヴェルファイア ロイヤルラウンジ」という新しい方向性も生まれています。

2015年に発売された「ロイヤルラウンジ」。2座のVIPシートや24インチディスプレイなどを装備したおもてなし空間が特徴です。
2015年に発売された「ロイヤルラウンジ」。2座のVIPシートや24インチディスプレイなどを装備したおもてなし空間が特徴です。

また、「ハイエース/レジアスエース」をベースに、使い勝手を極めた仕様も人気に。それが2007年に発売になった「ハイエース/レジアスエースMRT(マルチ・ロール・トランスポーター)」です。キャンプや仕事の相棒として人気を集めています。

そして2018年に「株式会社トヨタモデリスタインターナショナル」は、「トヨタテクノクラフト株式会社」、「株式会社ジェータックス」の2社と統合され、「株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」となります。モデリスタは新会社に移管することになりますが、そのスタンスは従来のまま、現在へと続きます。

2007年に発売された「ハイエース/レジアスエースMRT(マルチ・ロール・トランスポーター)」。仕事やキャンプ向けの仕様となっています(写真は現行モデル)。
2007年に発売された「ハイエース/レジアスエースMRT(マルチ・ロール・トランスポーター)」。仕事やキャンプ向けの仕様となっています(写真は現行モデル)。

コンプリートカーに始まり、ドレスアップやキャンプの相棒など、幅広いニーズに応えるカスタマイズを20年以上にわたって実施してきたモデリスタ。今後も“自分だけの”という個性を求める人がいる限り、その存在価値が失われることはないでしょう。

<関連リンク>
モデリスタ
https://www.modellista.co.jp/

株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント
https://www.toyota-cd.co.jp/

(取材・文:鈴木ケンイチ 写真:株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント 編集:奥村みよ+ノオト)

[ガズー編集部]

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