【動画】TOM'Sセンチュリー 試乗インプレッション 試乗編
モータージャーナリスト島下泰久が、高級セダンのコンプリートカー「TOM'Sセンチュリー」に試乗。ベースとなる「トヨタ・センチュリー」との違いに触れつつ、走りの特徴をリポートする。
これまで継続的にコンプリートカーを設定し続けてきたTOM'Sだが、2020年1月に開催された東京オートサロンでのプレスカンファレンスは、大いにときめくものとなった。会場では2台の真新しいコンプリートカーがお披露目され、さらに壇上の現社長によって「TOM'SはBMWアルピナのようなコンプリートカーメーカーを目指す」と宣言されたのだから。
BMWアルピナは、BMWからホワイトボディーを供給され、それをベースに徹底した補強、チューニングなどを行い、さらに専用チューニングのエンジンを搭載したモデルを販売している。単なるチューナーではなく、メーカーとして認められた存在だ。そのクルマの完成度はどれも、さすがとうならせるものばかり。そこを目指すのは、とても簡単なことではない。
けれど現代表はそう高らかに宣言した。そしてお披露目されたのは、1台が「TOM'Sスープラ」、そしてもう1台がこの「TOM'Sセンチュリー」だったのである。
思えば最新型の「トヨタ・センチュリー」、試乗した際に思ったのは、意外とドライバーも楽しめるクルマだなということだった。楽しめるというと誤解を招くかもしれないが、要するにリアシートに乗り、何なら新聞でも読んでいるVIPにロールやピッチなどを感じさせないようジェントルに走らせることが求められるクルマだけに、そうした繊細なコントロール性に秀でたものになっていたという話だ。
そんなTOM'Sとセンチュリーの組み合わせなのだから、期待するなと言ってもムリな話。多岐にわたるモディファイという点では、発表時の目玉はTOM'Sスープラだったのだろうと思いつつ、目指すのがアルピナだというTOM'Sならば、上質でありながら圧倒的なスポーツ性を持ったプレミアムセダンこそが柱になるのは自明だ。
そんなわけで今回の試乗は、ジャーナリストうんぬんの前に個人的な思い入れいっぱいのものとなった。このクルマに同じような期待を抱いている人、きっと少なくないと信じている。
(文:モータージャーナリスト・島下泰久)
[ガズー編集部]