【動画】日産キックス 試乗インプレッション 試乗編
日本仕様のキックスのパワートレインは、1.2リッター直列3気筒ガソリンエンジンで発電した電気を使って、モーターを駆動して走る「e-POWER」のみとなっている。価格を安く設定できるガソリン車のバリエーションがあったほうが販売面では有利だろうが、タイからの輸入車ということもあって、バリエーションを絞り、付加価値を前面に押し出す戦略にしたのかもしれない。
e-POWERはハイブリッドのシステムとしては“シリーズ式ハイブリッド”で、「トヨタ・ヤリス クロス」や「ホンダ・ヴェゼル」のハイブリッド車がライバルとなる。この中で個人的に最も刺激的な加速感を味わわせてくれると思うのがキックスだ。
エンジンを駆動に使わず、あらゆるシーンをモーターだけで走るクルマならではの静かさと滑らかさは、エンジン車に慣れた人にとってはそれだけで個性的。しかもエコ、ノーマル、Sの3つのドライブモードの性格分けは明確だ。
このうちエコとSでは日産がワンペダルドライブと呼ぶように、アクセル操作だけで発進から停止までをやってのける。これもライバルでは体験できない。さらにSモードの加減速は、どことなくマニュアルトランスミッションを思わせる小気味よさ。伝統的なクルマ好きの心にも響くだろう。
乗り心地はひとことで言えば骨太で、日本車というよりもヨーロッパ車を思わせる。おかげでハンドリングは機敏で、コンパクトサイズにふさわしい乗り味だ。腰高なボディーからくる不安感も抑えられていて、新興国のために生まれたという出自をいい意味で感じさせない。
ダイナミックなスタイリングと使いやすいキャビンに、新鮮な加減速をもたらすe-POWER、グローバルモデルらしいしっかりしたシャシーを融合したキックスは、既存の日本車とはひと味違う、独自の個性を持ったコンパクトSUVだった。
だからこそ望みたいのは4WDの設定だ。「ノートe-POWER」には、日産が長年用いてきた、後輪モーター駆動の4WDがある。これを使えばヨンクのキックスを開発することはさほど難しくないはず。日本は雪の積もる地域にも多くの人が暮らす国である。グローバルモデルとはいえ、日本の自動車メーカーが生み出したコンパクトSUVだからこそ、4WDは必須ではないかと思っている。
(文:モータージャーナリスト・森口将之)
[ガズー編集部]
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