【動画】「日産ノートX」試乗インプレッション 試乗編
プラットフォームをはじめ、すべてが一新された新型ノート。さらに、純ガソリンエンジンモデルを廃止しパワートレインをe-POWERのみとしたのも、日産の新しい試みだ。
e-POWERは、エンジンを発電機として使用し、モーターでクルマを走らせるという、日産のハイブリッド技術。パワートレインを見ると、エンジンは先代の1.2リッター直列3気筒をそのまま踏襲し、モーターは最高出力が109PSから116PSに、最大トルクが254N・mから280N・mに引き上げられている。
早速運転して感触を確かめてみると、まずは車内がとても静かになっていることに驚いた。
以前のe-POWERは、モーターで走るとはいえ発電のためにエンジンが頻繁にかかることもあり、エンジン音が普通のガソリンエンジンモデルとほとんど変わらないことが気になっていた。
新型ノートでは、車外から入ってくる音がとても少なく、エンジン音がほとんど気にならない。なんと新型には、路面が荒れているなど「ロードノイズが大きくなる道を走行している」と検知・判断した場合、エンジンをかけてこっそり充電しておく機能も付いているという。
その静かさと、滑らかで力強いモーターの加速感も相まって、ノートは電気自動車そのものといえる乗り味になった。さらに、クルマがペダルの踏力に対して緻密に反応するようになっているので、より自然に走らせることができて気持ちいい。足腰がしっかりして運転がしやすくなったものの、乗り心地が少し硬めなところは少々気になるが、外見だけではなく、運転してみても全体的な質感が大幅に向上していることに驚いた。しかも、今回の取材でさまざまな道を走ったうえでの実用燃費は約20km/リッター以上と、至れり尽くせり!
これまで筆者は、日産のコンパクトカーにそこまで期待することはなかった。しかし、ノートに触れてみて、新しいコンパクトカーのかたちを見たような気がする。日産は運転支援などの新しい技術にだけ注力しているのではないかと思いきや、運転する楽しさや心地よさもしっかり考えていることが体感できた。これからの日産車に対して、新たな楽しみができた、という気持ちになった。
(文:自動車ライター・伊藤 梓)
[ガズー編集部]
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