新型「スバルBRZ」、イチオシのポイントは最高の・・・

トヨタとのコラボレーションで開発されたFRスポーツカー「スバルBRZ」が、フルモデルチェンジで第2世代へと進化した。新型ならではの魅力とは何か? モータージャーナリスト山田弘樹が熱く語る。

何を隠そう、筆者がいま一番欲しいと思っているスポーツカーが、この新型スバルBRZだ。ただしそれはプロトタイプをサーキットで走らせた印象によるものだったから、今回の一般道での試乗は個人的にとても楽しみだった。

2代目となったBRZで何より素晴らしいのは、そのボディーだ。基本的な構造は初代のそれを踏襲しているが、Cピラー部分のインナーパネルをつなげたことで、その剛性が著しく高められている。数値的には車体のねじり剛性で先代比+50%とうたわれていて、実際にサーキットを走らせてもその違いは明らか。とても穏やかなコントロール性を実現していた。

こうした進化は、メーカーにしかできないことなのである。どれだけオーナーやチューナーが頑張っても手が届かない部分の磨き上げを行うことこそがメーカーの仕事であり、スバルはそれを見事に実現してくれた。

スバルは軽さにもこだわってくれた。普通、ボディー剛性を高めようとすると質量や重量も増える。何も工夫をしなければ、新型BRZはおよそ75kgの重量増となるはずだったという。しかしスバルは、進化させた部位の設計・デザインを煮詰め、材料をアルミに置換し、スポット溶接の打点増しの代わりに構造用接着剤を使うことで、この新型BRZの車重を先代モデルとほぼ変わらないレベルにまで抑えた。

今はカーボンルーフも珍しくない時代になったが、ルーフにアルミパネルを採用するだけでも、本当にすごいことだ。重量のうえではたった2kgの軽量化だが、重心の低下には大きく効いている。重心高を4mm(!)下げることで、運動性能を上げようとしているのだ。水平対向4気筒エンジンだけでも車両の重心は低められているのに(ウエットサンプを使う市販エンジンとしては最適解だと思う)、ここまで低重心化にこだわるオタクっぷりには、こちらも萌(も)えてくる。決して派手な外見ではないけれど、中身は超“エモい”。それが新型スバルBRZの、何よりの魅力である。

(文:モータージャーナリスト・山田弘樹)

[ガズー編集部]

他の試乗記情報はこちら

MORIZO on the Road