ホンダ ステップワゴン スパーダ。生まれ変わったミニバン「ステップワゴン」の装備や機能を紹介する

ホンダのミニバン「ステップワゴン」が6世代目へと進化した。新鮮みのあるデザインをまとう新型の、注目すべき機能・装備とは? モータージャーナリスト竹岡 圭が解説する。

ステップワゴンが初めて登場した時(1996年)、「巨大な箱がやってきた~!」と思いました。箱だけに使い方はひとそれぞれ。自由な発想でいろんなことができる感じが、ワクワク感があってよかったんですよね。

2世代目(2001年)もそのイメージを踏襲していたように感じていたのですが、3世代目(2005年)くらいから様相が変わってきて……。なんとなく“走り”の方向に向かっていたような気がしたんです。

ん!? 箱型ミニバンがその方向性でいいの? いや、一家に一台このクルマしかないならば、それも必要なのかもしれない!? なんていろいろと思いこそすれ、個人的にはやはりステップワゴンは、箱の大きさ、つまりは使い勝手で勝負してほしいなぁ~なんて、勝手に思ったりしていたのでした。

そこから時は流れ、5世代目(2015年)はかなりエポックメイキングなモデルだったと思います。ステップワゴンの何かやってくれそうなワクワクを、その名も「わくわくゲート」というカタチで表してくれました。

正直、度肝を抜かれました。だってね、縦にも横にも開くバックドアですよ! さすがホンダだな! これはホンダにしかできない! と強く思いました。ホンダって、ないものをつくり出すメーカーだと常々思っていて、さらに、そのほかにはないものをフィーチャーするのが、すごく上手だと思うんです。

例を挙げると、かつての「シティ」の「モトコンポ」なんかもそうですよね。シティに積める専用の折り畳みバイクを開発するなんて、ホンダくらいしか考えない気がしますモン(笑)。まぁこれは少々ぶっ飛んだ例なので、もう少し普通のところでお話しすると、「ホンダ・フィット」もそうですよね。

フィットのラゲッジスペースの広さを表す表現として「『オデッセイ』並みのラゲッジスペース」というのがあったんですが、コンパクトカーなのに、そんなに広いの? と、それだけで興味湧きますよね?

まぁ実際は、ホンダのディーラーでオデッセイをフィットと見比べちゃって、あれ? だったらオデッセイじゃなくてフィットでもいいかな? なんていうお客さまもいて、商売的にはどうだったの? なんて話も聞こえてきましたが(笑)、まず見たい! と思わせる。その力がすごいと思います。縦にも横にも開くバックドアなんて言われたら、それだけでもう見てみたいですからね。

そういう意味では、6世代目となった今回のモデルは「至って普通」かもしれません。2列目シートのロングスライドほか便利な機構はたくさんついていますが、初めて見るものではないですからね。

でも初心に返り、初代や2世代目をほうふつとさせるようなシンプルさが際立つ姿は、やはりホンダデザイン。そこにこれまでステップワゴンとしてはあまり声高に言われてこなかった、2列目や3列目の居住性をうたってきたところが新しいのかもしれませんね。

(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)

[GAZOO編集部]

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