日産新型EV「サクラ」 従来の軽自動車やEVとは全く異なる！まるも亜希子が解説

これまでの軽の常識を変えるデザインや質感にびっくり！ 軽規格で開発された新型EV「日産サクラ」で必見のポイントを、カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子が紹介する。

「軽自動車とEVは相性がいい」。これは、量産型EV「リーフ」を発売して以来、EVのメーカーとして世界をけん引してきた日産と、軽EV「i-MiEV（アイミーブ）」をつくった三菱の2社がタッグを組んで軽自動車を開発してきたからこそ持てた、ひとつの確信だった。

ガソリンエンジンの軽ユーザーの多くは、取り回し性に優れるサイズやランニングコストのよさに満足する一方で、高速道路の追い越しや合流、坂道などで非力さを感じたり、エンジンノイズや乗り心地に不満を持っていたりする。そうしたマイナス点を、低重心かつモーター駆動のEVならクリアできるのだ。

日産はさらに、サクラで軽の質感に対する不満にも応えた。そこには、前述のリーフや「アリア」と並ぶ“EV3兄弟”として恥ずかしくない軽EVにしたいという思いがあり、内外装を既存の軽からの流用とすることなく、一からつくり直している。名前も社内で新たに募集して決定。価格を300万円以下に抑え、補助金制度を利用すれば地域によっては実質130万円ほどで手に入るという、ガソリンエンジンの軽と変わらない価格帯を実現したことも大きな魅力だ。

実車を見てみると、黄色いナンバープレートが付くところには軽っぽさが残るものの、それを除けばプレミアムコンパクトといわれても納得するほどの仕上がり。特に、日本の伝統的な水引をモチーフとしたアルミホイールは“和モダン”な上質感を演出している。

インテリアではふかふかのソファのようなシートが魅力。“見せる・隠す収納”がセンスよく配置されていて、ところどころに桜のモチーフを発見できるという遊び心もうれしい。それでいて、バッテリーが床下に敷き詰められているにもかかわらず、室内空間についてはガソリンエンジンの軽「デイズ」と同等の広々とした空間が確保されている。後席の足元スペースも高級セダン「フーガ」と同等。前後のスライド機能やリクライニング機構もある。軽は1人、2人での移動に使う人が大半といわれているが、サクラは積極的に後席に誰かを誘いたくなる軽EVだ。

（文：カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子）

［GAZOO編集部］