【スバル・インプレッサST-H】ロングドライブもスポーティな走りも(まるも亜希子)

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もう二度とやりたくないけれど、ものすごく達成感と充足感に満たされたドライブというものを、10年ほど前に「スバルインプレッサ」で経験させてもらったことがあります。

それは、当時登場したばかりだった4代目モデルで、東名高速道路の起点・東京ICから西へとひた走り、1タンク(満タンの給油状態)でどこまで行けるかを試すという、いわゆるエコランチャレンジ。1.6リッターモデルではなく2リッターモデルを選んだのは、初めて試乗した時にその高速道路での乗り味が気に入ったからでした。

ビタッとした安定感と、余裕たっぷりで心地良いエンジンフィール。高速道路は直線に見えても微妙にカーブしていたり、平坦に見える路面でもわずかにうねっていたりと、ドライバーに実感がなくても常にステアリングの修正やアクセルの加減を強いられるものですが、それがインプレッサでは最小限に抑えられている感覚があり、「これはきっとロングドライブが楽しいだろうな」と思ったのでした。

静岡県に入って御殿場ICを過ぎてからも、予想どおり快適な高速クルージング。燃費計の数字もどんどん伸びてきたところで、当時2リッターのAWD車に設定されていた第2世代の「アイサイト」を使ってみることに。第1世代のシステムよりも、かなりスムーズで正確な追従をしてくれるようになったことに、とても感心したのを覚えています。

ただその割には、アイサイト使用時は燃費がなかなか上がらず、デジタル画面に表示されるパワーインジケーターを観察してみると、自分自身でアクセル操作している時よりも、ほんの少しだけインジケーターの振れ幅が大きいことがわかりました。車速と車間距離の維持が正確になったため(例えば、上り坂でもその設定を守ることが優先されるので)、燃料消費が増える場面もあったのです。とはいえ、安全はエコより大事という点には異論ありません。その後は路面状況に合わせ自分の右足とアイサイトを使い分けて、さらなる低燃費を狙ったのでした。

ずっとひとりで運転してきたというのに、広島県に入ってからも体力が温存されているのを感じ、まだまだイケる! と九州上陸。さすがに肩こりや腰の違和感が出てきたものの、運転そのものには飽きなかったというのはすごいことですよね。結果として、インプレッサは1タンクで約1100km走行! 今のアイサイトは当時よりも劇的に進化しているので、同じことをしたとしてももっと楽かもしれませんね。誰かチャレンジしてみてください。

(文:カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子)

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まるも亜希子さんが解説するスバル・インプレッサST-Hの注目ポイント

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