【マツダ3ファストバック20Sレトロスポーツエディション】面構成で見せるスタイリング(竹岡 圭)
「とにもかくにもカッコイイ!」 これが、私の「マツダ3」に対する思いなんですよね。初めて見た時に度肝を抜かれました。
自分がデザインの専門家でないのを承知で恐れ多くも語らせていただきますと、近年までの日本車のデザインって「線を使ったもの」が多かったと思うんです。いわゆる“キャラクターライン”というやつですね。
もちろんそれはそれでいいのですが、欧州車に見られるような「面構成で見せるデザイン」のクルマって、ほとんどなかったと思うんです。
マツダ3は見事な面構成。抑揚のあるボディーパネルは、光の当たり方によって、陰影の移ろい加減が本当にすてき。見ているだけでうっとりしちゃうんですよね。無論、マツダ3以外も、最近のマツダのデザインは本当に秀逸で、日本のメーカーのなかではカッコイイクルマが最も多いと思っています。
私が生まれて初めてカッコイイと思ったマツダ車はFC3S「サバンナRX-7」なのですが、RX-7とか「ロードスター」とかそういうカッコイイクルマは脇に置いておいて、いわゆる普通のクルマで、街なかで見かけて振り返ってしまうほどカッコよかったクルマは「アテンザ」だったんですよね。発表会場や試乗会場で見るよりも、高速道路で見かけた時に特に美しく感じたのを覚えています。
そのあたりからのマツダ車は全部カッコイイんですけど、なかでも秀逸なのがマツダ3の「ファストバック」だと思うんです。現在日本で販売されている日本車のなかでは、間違いなく右に出る者ナシという感じ。これを一点物ではなく、ラインで量産しているのですから、マツダの生産技術にも頭の下がる思いがします。
よく、「デザイナーが出してきたデザインを『こんなのは量産ラインじゃ実現不可能だ!』と生産技術の部署が突っぱねた」なんてエピソードを聞きますが、マツダの生産技術の方たちの場合は「なにぃ~! やってやろうじゃないか!」となる、という話を耳にしたことがあります。
そのおかげで、こんなにも美しいクルマを目にすることができる私たちは、なんとも幸せですよね。感謝感謝です!
(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)
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竹岡 圭さんが解説するマツダ3ファストバック20Sレトロスポーツエディションの注目ポイント
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