【トヨタ ルーミー 試乗】視界はまさにルーミー!“3気筒感”のない走りも魅力…青山尚暉
カスタムありきのエクステリアデザイン、1リットルクラスのコンパクトカーとしてはあまり例のない両側スライドドアを備えた、ダイハツ軽のノウハウをつぎ込んだ、『パッソ/ブーン』のプラットフォームを採用する“くつろぎ"スモールである。
1リットルのNAエンジンを積むモデルはパッソ/ブーン譲りの軽量、コンパクトな3気筒、69psエンジン、車重増に対処した専用ギヤ比を持つCVTを搭載。街乗りベストな動力性能を備え、JC08モード燃費は24.6km/リットル、最小回転半径4.6mと、経済性、小回り性ともに優秀だ。
もちろんダイハツ軽でおなじみの先進安全装備のスマアシを用意。収納、ラゲッジの使い勝手にも格段のこだわりを見せる。
運転席に乗り込めば、ミニバンを彷彿とさせる、シートハイトアジャスター最下端位置でも高めのドライビングポジションが印象的だ。視界はまさにルーミーな見下ろし感覚。何しろ前席ヒップポイント地上高は700mmとかなり高め。『ムーブキャンバス』が620mm、ライバルと目されるスズキ『ソリオ』でも675mmなのである。
アイドリング状態でもエンジンの3気筒感は皆無に近く、走りだしてからも「余裕がある」とは言えないものの、街乗り、高速道路でも必要十分で穏やかな動力性能、加速性能を発揮してくれる。
たしかに運転を楽しむようなクルマではないが、重心感は適度で、スムーズな運転を心がければカーブや山道でも不安になるシーンなどめったにない。
80km/h走行時のエンジン回転数はこのNAエンジンで2500回転。Sレンジに入れると3600回転までハネ上がるが、エンジンは2500回転以下ならけっこう静かだから、Dレンジに入れてクルージングする限り、1リットル、3気筒…から想像するよりずっと静か。
パワーステアリングは軽すぎない適度な重さで扱いやすく、応答性は安心感あるゆったりとしたもの。ブレーキ性能も車格にあった自然なフィールである。
ただし、高めのドライビングポジションに対してメーター位置が低めの印象はぬぐえない。シートハイトアジャスターを上げればなおさらそう感じるだろう。ナビ位置よりも低いのである。
ちなみにモニター類は充実しているが、バックモニター表示がインパネ中央のマルチインフォメーション内にあり、画面が小さく、老眼の身にとっては視認性に不満あり。大画面ナビに表示したいところである。無論、目のいい若いドライバーなら問題ないだろう。そもそもヤングファミリー向けのクルマだし…。
なお、ルーミー一族はペットを乗せるのにも適している。座面がたっぷりサイズの後席、240mmもスライドする後席を最後端位置にセットした後席フロア、6:4分割の後席を片側倒した拡大ラゲッジフロア(多機能デッキボード反転+防汚シートがありがたい)などに乗車させることができ、ステップ高366mmのスライドドア、ラゲッジ開口部地上高527mmのバックドア側からの乗車も楽々だからである。
インパネ中央上部に、このクラスではほかにない後席用エアコン吹き出し口があるのも、後席に乗った愛犬の快適度を高めてくれるはずだ。
「1LD-CAR!」らしく、前後席フルフラットシートアレンジも可能で、後席ダイブインアレンジでラゲッジをフラットに拡大することもできるアイデアは秀逸。
もし、このクルマ1台でオールマイティに使い、高速走行、長距離ドライブ、フル上乗車の機会が多い…と言うならターボモデルとの比較検討は欠かせない。ターボモデルは1.3リットル並みの動力性能、ずっと高い走りの質感の持ち主であり、ファーストカーとしての資質という意味ではより適切である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★
青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。
(レスポンス 青山尚暉)
1リットルのNAエンジンを積むモデルはパッソ/ブーン譲りの軽量、コンパクトな3気筒、69psエンジン、車重増に対処した専用ギヤ比を持つCVTを搭載。街乗りベストな動力性能を備え、JC08モード燃費は24.6km/リットル、最小回転半径4.6mと、経済性、小回り性ともに優秀だ。
もちろんダイハツ軽でおなじみの先進安全装備のスマアシを用意。収納、ラゲッジの使い勝手にも格段のこだわりを見せる。
運転席に乗り込めば、ミニバンを彷彿とさせる、シートハイトアジャスター最下端位置でも高めのドライビングポジションが印象的だ。視界はまさにルーミーな見下ろし感覚。何しろ前席ヒップポイント地上高は700mmとかなり高め。『ムーブキャンバス』が620mm、ライバルと目されるスズキ『ソリオ』でも675mmなのである。
アイドリング状態でもエンジンの3気筒感は皆無に近く、走りだしてからも「余裕がある」とは言えないものの、街乗り、高速道路でも必要十分で穏やかな動力性能、加速性能を発揮してくれる。
たしかに運転を楽しむようなクルマではないが、重心感は適度で、スムーズな運転を心がければカーブや山道でも不安になるシーンなどめったにない。
80km/h走行時のエンジン回転数はこのNAエンジンで2500回転。Sレンジに入れると3600回転までハネ上がるが、エンジンは2500回転以下ならけっこう静かだから、Dレンジに入れてクルージングする限り、1リットル、3気筒…から想像するよりずっと静か。
パワーステアリングは軽すぎない適度な重さで扱いやすく、応答性は安心感あるゆったりとしたもの。ブレーキ性能も車格にあった自然なフィールである。
ただし、高めのドライビングポジションに対してメーター位置が低めの印象はぬぐえない。シートハイトアジャスターを上げればなおさらそう感じるだろう。ナビ位置よりも低いのである。
ちなみにモニター類は充実しているが、バックモニター表示がインパネ中央のマルチインフォメーション内にあり、画面が小さく、老眼の身にとっては視認性に不満あり。大画面ナビに表示したいところである。無論、目のいい若いドライバーなら問題ないだろう。そもそもヤングファミリー向けのクルマだし…。
なお、ルーミー一族はペットを乗せるのにも適している。座面がたっぷりサイズの後席、240mmもスライドする後席を最後端位置にセットした後席フロア、6:4分割の後席を片側倒した拡大ラゲッジフロア(多機能デッキボード反転+防汚シートがありがたい)などに乗車させることができ、ステップ高366mmのスライドドア、ラゲッジ開口部地上高527mmのバックドア側からの乗車も楽々だからである。
インパネ中央上部に、このクラスではほかにない後席用エアコン吹き出し口があるのも、後席に乗った愛犬の快適度を高めてくれるはずだ。
「1LD-CAR!」らしく、前後席フルフラットシートアレンジも可能で、後席ダイブインアレンジでラゲッジをフラットに拡大することもできるアイデアは秀逸。
もし、このクルマ1台でオールマイティに使い、高速走行、長距離ドライブ、フル上乗車の機会が多い…と言うならターボモデルとの比較検討は欠かせない。ターボモデルは1.3リットル並みの動力性能、ずっと高い走りの質感の持ち主であり、ファーストカーとしての資質という意味ではより適切である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★
青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。
(レスポンス 青山尚暉)
最新ニュース
-
-
トヨタ『C-HR』、欧州販売100万台達成へ…日本にない2代目には初のPHEV設定
2024.12.23
-
-
-
VW、2030年に向けた大規模再編を発表…『ゴルフ』の生産はメキシコに移管へ
2024.12.23
-
-
-
「バチクソかっこええやんけ!」ホンダ『プレリュード』初公開へ、新技術「S+ Shift」にもSNSで反響
2024.12.23
-
-
-
マツダがモータースポーツ技術を活かした市販車発表へ、ベースはロードスター…東京オートサロン2025
2024.12.23
-
-
-
インフィニティの新型SUV『QX80』と『QX60』、米IIHSで最高の安全性評価
2024.12.23
-
-
-
やはり進行していた! ホンダのハイブリッド戦略の要とは?…新開発プラットフォームと次世代e:HEVシステム
2024.12.23
-
-
-
高級感アップした日産『ムラーノ』新型、米国発売…4万0470ドルから
2024.12.23
-
最新ニュース
-
-
トヨタ『C-HR』、欧州販売100万台達成へ…日本にない2代目には初のPHEV設定
2024.12.23
-
-
-
VW、2030年に向けた大規模再編を発表…『ゴルフ』の生産はメキシコに移管へ
2024.12.23
-
-
-
「バチクソかっこええやんけ!」ホンダ『プレリュード』初公開へ、新技術「S+ Shift」にもSNSで反響
2024.12.23
-
-
-
マツダがモータースポーツ技術を活かした市販車発表へ、ベースはロードスター…東京オートサロン2025
2024.12.23
-
-
-
インフィニティの新型SUV『QX80』と『QX60』、米IIHSで最高の安全性評価
2024.12.23
-
-
-
やはり進行していた! ホンダのハイブリッド戦略の要とは?…新開発プラットフォームと次世代e:HEVシステム
2024.12.23
-
MORIZO on the Road