【マツダ ロードスターRF 試乗】余裕の2リットルと、クローズド時の静粛性が魅力…松下宏
『ロードスター』に電動ルーフを持つ「RF」が登場した。これまではルーフ部分が完全に収納されるRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)だったが、今回はクォーター部分のパネルが残るファストバックタイプのRF(リトラクタブル・ファストバック)になった。
RFが選択されたのは、クローズドでもオープンにしたときにもカッコ良いクルマにするためだという。フルオープンのさわやかさがやや犠牲になるが、デザインもまた大切である。オープンにすると、リヤクォーターパネルをつなぐようにしてリヤルーフが残るので、タルガトップのような形状である。
ルーフの開閉はインスト中央のスイッチを操作するだけだ。手動でロックを外すなどの操作は不要で、完全に電動で開閉する。開閉時間はわずか13秒ほどとのことで、これは世界最速レベルの速さであるという。
開閉動作中は、インパネの3連メーターのうち、左側にある燃料計の上に開閉の様子が表示されるが、それを気にする暇もないほど素早く開閉が行われる。
オープンにすると、フロントルーフとミドルルーフ、バックウインドーが収納され、リヤルーフだけが残る。適度なつつまれ感というか安心感があるのがRFの良さだ。
搭載エンジンは直列4気筒2.0リットルの自然吸気DOHC。電動オープン機構を採用することでやや重くなったRFには、アメリカ向けロードスターに搭載されている2.0リットルエンジンを搭載してきた。
2.0リットルは1.5リットルに比べ、レッドゾーンが500回転ほど低いが、動力性能は1.5リットルの96kW/150Nmに対して116kW/200Nmと余裕がある。重量増以上に動力性能が向上しているので、ソフトトップよりもずっと良く走る印象になる。
1.5リットルも軽快な吹き上がりによる気持ち良さがあったが、トルクの余裕を生かした走りが得られるのが2.0リットルの魅力となる。より力強い走りが得られるのだ。
やや残念なのは2.0リットルエンジンも無鉛プレミアムガソリン仕様であること。スポーツタイプのクルマはハイオク仕様もやむを得ないが、排気量の余裕がある2.0リットルではレギュラー仕様にはできなかったものか。
タイヤはソフトトップが16インチであるのに対し、RFは17インチになる。試乗車にはポテンザのS001が装着されていた。そのためもあってか、乗り心地はやや硬めの印象だった。「RS」グレードにはビルシュタインのショックアブソーバーやフロントサス・タワーバーが装着されているので、また違った乗り味になるのだろう。
クローズドで走ると静粛性の高さが印象的だった。ボディ各部に追加された遮音材などの効果もあって、ソフトトップに比べると格段に高い静粛性が確保されている。これはRFならではの魅力である。
価格は高めの印象だ。試乗した「VS」グレードの6速EC-AT車は360万円弱の設定だし、最上級グレードのRS(6速MT)にブレンボのブレーキや鍛造アルミホイールなどをオプション装着すると、車両価格が400万円を超えてしまう。
若いユーザーには手が届きにくいので、いろいろな意味で余裕のある中高年のユーザーがセカンドカーとして選ぶクルマという印象だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
(レスポンス 松下宏)
RFが選択されたのは、クローズドでもオープンにしたときにもカッコ良いクルマにするためだという。フルオープンのさわやかさがやや犠牲になるが、デザインもまた大切である。オープンにすると、リヤクォーターパネルをつなぐようにしてリヤルーフが残るので、タルガトップのような形状である。
ルーフの開閉はインスト中央のスイッチを操作するだけだ。手動でロックを外すなどの操作は不要で、完全に電動で開閉する。開閉時間はわずか13秒ほどとのことで、これは世界最速レベルの速さであるという。
開閉動作中は、インパネの3連メーターのうち、左側にある燃料計の上に開閉の様子が表示されるが、それを気にする暇もないほど素早く開閉が行われる。
オープンにすると、フロントルーフとミドルルーフ、バックウインドーが収納され、リヤルーフだけが残る。適度なつつまれ感というか安心感があるのがRFの良さだ。
搭載エンジンは直列4気筒2.0リットルの自然吸気DOHC。電動オープン機構を採用することでやや重くなったRFには、アメリカ向けロードスターに搭載されている2.0リットルエンジンを搭載してきた。
2.0リットルは1.5リットルに比べ、レッドゾーンが500回転ほど低いが、動力性能は1.5リットルの96kW/150Nmに対して116kW/200Nmと余裕がある。重量増以上に動力性能が向上しているので、ソフトトップよりもずっと良く走る印象になる。
1.5リットルも軽快な吹き上がりによる気持ち良さがあったが、トルクの余裕を生かした走りが得られるのが2.0リットルの魅力となる。より力強い走りが得られるのだ。
やや残念なのは2.0リットルエンジンも無鉛プレミアムガソリン仕様であること。スポーツタイプのクルマはハイオク仕様もやむを得ないが、排気量の余裕がある2.0リットルではレギュラー仕様にはできなかったものか。
タイヤはソフトトップが16インチであるのに対し、RFは17インチになる。試乗車にはポテンザのS001が装着されていた。そのためもあってか、乗り心地はやや硬めの印象だった。「RS」グレードにはビルシュタインのショックアブソーバーやフロントサス・タワーバーが装着されているので、また違った乗り味になるのだろう。
クローズドで走ると静粛性の高さが印象的だった。ボディ各部に追加された遮音材などの効果もあって、ソフトトップに比べると格段に高い静粛性が確保されている。これはRFならではの魅力である。
価格は高めの印象だ。試乗した「VS」グレードの6速EC-AT車は360万円弱の設定だし、最上級グレードのRS(6速MT)にブレンボのブレーキや鍛造アルミホイールなどをオプション装着すると、車両価格が400万円を超えてしまう。
若いユーザーには手が届きにくいので、いろいろな意味で余裕のある中高年のユーザーがセカンドカーとして選ぶクルマという印象だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
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