【マセラティ クワトロポルテS 試乗】自由の身になれる「4枚ドア」…島崎七生人
某イタリアンセダン3車種・計4台を乗り継いだ立場から言うと、この国のクルマはたとえセダンであっても“我が道を行く”だなぁ…と実感させられる。
ドイツのMやBやAが常にライバル車を横目で見ているのとは対照的だ。乗るとまるで自分が自由の身になれたような、そんな魔力が備わるというか…。
マセラティ『クワトロポルテ』はコチラが羨ましくなるほど、相変わらず独創的に仕上げられている。歴史は50年以上だが、最上級の4枚ドアとしての威厳、オーラは相変わらず。最新モデルはフェイスリフトを受けたばかりで、フロントグリルの輪郭がわずかに強いデザインになり押し出し感が増したが、抑揚のある全体のフォルムは、ひと目でマセラティとわかる。全長が5mを切る『ギブリ』に対しコチラは5270mmと堂々たるものでホイールベースも3170mmと長い。
そして何といっても極上の設えのインテリアは「ああ、イタリア車だ」と思わせられるもの。トリム類やダッシュボード、ドアパネル、ゼニアのシルク糸を用いたシートはもちろん、ステアリングや天井、シートベルトまで広範囲な色、素材が選べ、まさにオートクチュールの世界。無論その風合いは極上。というか工業製品的な品質基準を超越して、風合い、感触、匂いを五感で味わう…そんな空間だ。シートもいたずらに硬過ぎず、後席はゆったりと寛いだ姿勢で身体を委ねるポジションになっている。
もちろん3リットルのV6ツインターボ(410ps/550Nm)+8速ATの走りは、十二分なパワフルさだ。が、アクセルワークではなくドライバーの気持ち、語りかけに呼応するかのようなレスポンスは、たとえば機械的完璧さで仕事をこなすドイツ車のエンジンなどとは違う味わい。高回転まで回せばフォーン!と情感にあふれた快音を発するのもまた生き物のようだ。
なお最新モデルではアダプティブクルーズコントロールや車線逸脱警告など、現代的な安全機能も用意された。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
ドイツのMやBやAが常にライバル車を横目で見ているのとは対照的だ。乗るとまるで自分が自由の身になれたような、そんな魔力が備わるというか…。
マセラティ『クワトロポルテ』はコチラが羨ましくなるほど、相変わらず独創的に仕上げられている。歴史は50年以上だが、最上級の4枚ドアとしての威厳、オーラは相変わらず。最新モデルはフェイスリフトを受けたばかりで、フロントグリルの輪郭がわずかに強いデザインになり押し出し感が増したが、抑揚のある全体のフォルムは、ひと目でマセラティとわかる。全長が5mを切る『ギブリ』に対しコチラは5270mmと堂々たるものでホイールベースも3170mmと長い。
そして何といっても極上の設えのインテリアは「ああ、イタリア車だ」と思わせられるもの。トリム類やダッシュボード、ドアパネル、ゼニアのシルク糸を用いたシートはもちろん、ステアリングや天井、シートベルトまで広範囲な色、素材が選べ、まさにオートクチュールの世界。無論その風合いは極上。というか工業製品的な品質基準を超越して、風合い、感触、匂いを五感で味わう…そんな空間だ。シートもいたずらに硬過ぎず、後席はゆったりと寛いだ姿勢で身体を委ねるポジションになっている。
もちろん3リットルのV6ツインターボ(410ps/550Nm)+8速ATの走りは、十二分なパワフルさだ。が、アクセルワークではなくドライバーの気持ち、語りかけに呼応するかのようなレスポンスは、たとえば機械的完璧さで仕事をこなすドイツ車のエンジンなどとは違う味わい。高回転まで回せばフォーン!と情感にあふれた快音を発するのもまた生き物のようだ。
なお最新モデルではアダプティブクルーズコントロールや車線逸脱警告など、現代的な安全機能も用意された。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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