【キャデラック CT6 試乗】日本の“L”ブランドもこのくらい上品なら…島崎七生人
キャデラックのフラッグシップというと、ふた昔前(?)の四角く長い『フリードウッド』などを連想する。が、今やこのいかにもスマートな『CT6』こそ、そのポジションにある…のである。
全長5190mm×全幅1885mmと、そこそこの大きさだが、目障りな加飾やキャラクターラインのないスリークなスタイリングは威圧感はなく、むしろ控えめにすら感じる。日本の“L”ブランドもこのくらい上品な佇まいならいいのに…とはごく個人的な意見だ。
いずれにしろ絶対的サイズは豊かだが、高圧鋳造アルミニウムや独自の溶接技術などを採用し、贅を尽くした装備を搭載、パワートレーンはAWDとしながらも1920kgの車重に収まっているのはたいしたものだ。イメージ、感覚だが、決して鈍重ではないことは眺めているだけでも伝わってくる。
内装は本物のラグジュアリーそのもの。外観同様、これみよがしな飾りがないスッキリと抑えの効いたしなやかなデザイン、佇まいは実に居心地がよく、乗り込んだ瞬間、たとえ気持ちがざわついていてもそれを静めてくれる気がする。時間が限られすべてを堪能できた訳ではないが、BOSE PANARAYオーディオシステムや最新機能が盛り込まれたインフォテイメントシステム、座面が前方にせり出して寛いだ姿勢も取れる後席の電動調節機能など、ギミックではない本物のもてなしのアイテムも充実する。
走りは快適性と爽快感のバランスの具合がいい。搭載エンジンは3.6リットルのV6で、アイドリングストップも効かすこのユニットは、340ps/39.4kg・mのスペックどおり、必要に応じてスムースに力強い加速(BOSEによりエンジン音の演出も入る)を発揮する。ハンドリングはアクティブリヤステアが入ることもあり、ボディサイズを意識させない俊敏さ。乗り味はマグネティックライドコントロールの仕事の領域だが、走行モードを切り替えると、4代目『セビル』以降のヨーロッパナイズされた引き締まった乗り味から、キャデラックならではの優雅な振るまいまでが味わえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
全長5190mm×全幅1885mmと、そこそこの大きさだが、目障りな加飾やキャラクターラインのないスリークなスタイリングは威圧感はなく、むしろ控えめにすら感じる。日本の“L”ブランドもこのくらい上品な佇まいならいいのに…とはごく個人的な意見だ。
いずれにしろ絶対的サイズは豊かだが、高圧鋳造アルミニウムや独自の溶接技術などを採用し、贅を尽くした装備を搭載、パワートレーンはAWDとしながらも1920kgの車重に収まっているのはたいしたものだ。イメージ、感覚だが、決して鈍重ではないことは眺めているだけでも伝わってくる。
内装は本物のラグジュアリーそのもの。外観同様、これみよがしな飾りがないスッキリと抑えの効いたしなやかなデザイン、佇まいは実に居心地がよく、乗り込んだ瞬間、たとえ気持ちがざわついていてもそれを静めてくれる気がする。時間が限られすべてを堪能できた訳ではないが、BOSE PANARAYオーディオシステムや最新機能が盛り込まれたインフォテイメントシステム、座面が前方にせり出して寛いだ姿勢も取れる後席の電動調節機能など、ギミックではない本物のもてなしのアイテムも充実する。
走りは快適性と爽快感のバランスの具合がいい。搭載エンジンは3.6リットルのV6で、アイドリングストップも効かすこのユニットは、340ps/39.4kg・mのスペックどおり、必要に応じてスムースに力強い加速(BOSEによりエンジン音の演出も入る)を発揮する。ハンドリングはアクティブリヤステアが入ることもあり、ボディサイズを意識させない俊敏さ。乗り味はマグネティックライドコントロールの仕事の領域だが、走行モードを切り替えると、4代目『セビル』以降のヨーロッパナイズされた引き締まった乗り味から、キャデラックならではの優雅な振るまいまでが味わえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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