【ボルボ S90 試乗】スリークな容姿は、一服の清涼剤のよう…島崎七生人
なんてエレガントなセダンなのだろう…が第一印象。フラッグシップらしい恵まれたボディサイズなのは当然として、余計な線やディテールを極力廃したスリークな容姿は、一服の清涼剤のようで、ホッとさせられる。
ダッシュtoアクスルがこれまでより15cm以上も長くなったというサイドプロポーションも、クルマ好きの目には伸びやかなFR車のように映るだろう(プラットフォームは“FFベース”だ)。日本車で魅力のあるセダンが少ない現状を思うと、なおさら「いいなあ」と思える。この新世代のデザインで展開されるであろう今後のボルボにも期待が高まろうというものだ。
インテリアは高級感が漂う。が、黙っていても趣味のよさ、素材感の上質さがまず伝わるもので、決してこれ見よがしではない点がボルボらしい。試乗車“Inscription”に標準のアンバー色のパーフォレーテッド・ファインナッパレザーのシートは、メイン部の革のしっとりとやわらかな風合いが特徴で、やさしく沈み込むクッションと相俟って、ホッとさせられる座り心地。縦位置にセットされた9インチタッチスクリーンと、4つの表示モードが選べる12.3インチ液晶表示は今どきの装備だが、いずれもわかりやすく必要な情報がここを見れば読み取れる。後席もゆったりとした姿勢で着座でき、レッグスペースはもちろん、ヘッドルームの余裕代も十分だ。
試乗車は4気筒の2リットルスーパーチャージャー+ターボ(320ps/40.8kgm)に8速ATの組み合わせのAWDモデル。20インチのピレリPゼロが装着され、さぞや気骨のある走りか…と思われたが、まったく予想に反していた。低速から乗り心地は実にしなやか。一方で山道では、ボディ剛性の高さと懐の深いサスペンション、的確な接地感で、まるで本領発揮のスポーツカーのようにおもしろいように走り回れることが確認できた。エンジン性能も一般道ならフルに使い切るまでもなく、ドライバーの意思に忠実なパフォーマンスを気持ちよく発揮してくれる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
ダッシュtoアクスルがこれまでより15cm以上も長くなったというサイドプロポーションも、クルマ好きの目には伸びやかなFR車のように映るだろう(プラットフォームは“FFベース”だ)。日本車で魅力のあるセダンが少ない現状を思うと、なおさら「いいなあ」と思える。この新世代のデザインで展開されるであろう今後のボルボにも期待が高まろうというものだ。
インテリアは高級感が漂う。が、黙っていても趣味のよさ、素材感の上質さがまず伝わるもので、決してこれ見よがしではない点がボルボらしい。試乗車“Inscription”に標準のアンバー色のパーフォレーテッド・ファインナッパレザーのシートは、メイン部の革のしっとりとやわらかな風合いが特徴で、やさしく沈み込むクッションと相俟って、ホッとさせられる座り心地。縦位置にセットされた9インチタッチスクリーンと、4つの表示モードが選べる12.3インチ液晶表示は今どきの装備だが、いずれもわかりやすく必要な情報がここを見れば読み取れる。後席もゆったりとした姿勢で着座でき、レッグスペースはもちろん、ヘッドルームの余裕代も十分だ。
試乗車は4気筒の2リットルスーパーチャージャー+ターボ(320ps/40.8kgm)に8速ATの組み合わせのAWDモデル。20インチのピレリPゼロが装着され、さぞや気骨のある走りか…と思われたが、まったく予想に反していた。低速から乗り心地は実にしなやか。一方で山道では、ボディ剛性の高さと懐の深いサスペンション、的確な接地感で、まるで本領発揮のスポーツカーのようにおもしろいように走り回れることが確認できた。エンジン性能も一般道ならフルに使い切るまでもなく、ドライバーの意思に忠実なパフォーマンスを気持ちよく発揮してくれる。
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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