【ホンダ シビック ハッチバック 試乗】セダンに輪をかけて「曲がる」…諸星陽一
先代9代目は「タイプR」のみが限定輸入販売された『シビック』だが、10代目となる新型はタイプRを含め台数、期間ともに限定を設けずに発売される予定だ。
先代タイプRがそうであったように新型のハッチバックも英国で製造され日本に輸入される輸入車という扱い。ハッチバックモデルはセダンに比べて全長が130mm短く、全高が20mm高いというプロポーション。
搭載されるエンジンは1.5リットルターボで、最高出力は同様のエンジンを搭載するセダンよりも9馬力アップの182馬力となる。ハッチバックにはCVTと6MTがあり、CVTモデルは最高出力を6000回転、6MTは5500回転で発生。最大トルクはCVTが220Nm、6MTが240Nmと同じエンジンながら細かく仕様が異なっている。
試乗車として用意されたのはCVTモデル。試乗コースは袖ヶ浦フォレストレースウェイというショートサーキットを使ってのクローズド試乗。同じくCVTのセダンと比べるとエンジンのトルク感を含めて、軽くスッキリした印象で乗ることができた。
セダンよりもフリクションが少なく、全体としての乗り味に無駄がないという印象。加速感もハッチバックのほうがいい。コーナーのクリップでアクセルを踏んでいくとセダンより早めにステアリングを戻していかないとラインが取れない。
セダンの215/50R17サイズタイヤに対し、ハッチバックは2サイズ太く、扁平率も低い235/40R18サイズのタイヤを履く。このタイヤの助けもあってコーナーの安定感は高い。セダンでもグイグイ曲がっていく感じを受けたコーナリングだが、ハッチバックはそれに輪をかけて曲がっていく。
今回のシビックはグランドツアラー的な使い方も視野に入れて開発されたというが、ハッチバックを走らせているとそれも十分にこなしそうなイメージがわく。しっかり長距離を走ったわけではないが、ストレートでの直進安定性の高さなどを考慮すれば十分にGT的な要因も持つ。
コーナーリングのアプローチから脱出までのスポーティなフィーリング、ストレートでの安定性…つまりスポーティなグランドツアラーという目標は見事に達成していると感じる仕上がり。リヤシートの広さなども十分に確保されていて、マルチパーパス性も高い。じつは日本の交通環境にはハッチバックは親和性が高い。SUVではない、マルチパーパスカーがほしいという方は一考してみるべきクルマだ。
今回はプロトタイプの試乗で、価格などが発表されていないので、おすすめ度については未評価とした。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:(プロトタイプのため未評価)
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
先代タイプRがそうであったように新型のハッチバックも英国で製造され日本に輸入される輸入車という扱い。ハッチバックモデルはセダンに比べて全長が130mm短く、全高が20mm高いというプロポーション。
搭載されるエンジンは1.5リットルターボで、最高出力は同様のエンジンを搭載するセダンよりも9馬力アップの182馬力となる。ハッチバックにはCVTと6MTがあり、CVTモデルは最高出力を6000回転、6MTは5500回転で発生。最大トルクはCVTが220Nm、6MTが240Nmと同じエンジンながら細かく仕様が異なっている。
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