【ダイハツ ミライース 試乗】ライバル「アルト」に対する優位性はあるか…井元康一郎
ダイハツ工業が5月にフルモデルチェンジを行った低価格軽自動車『ミライース』を短時間ながらテストドライブする機会があったので、ファーストインプレッションをお届けする。
試乗したのはトップグレードの「G “SA III(スマートアシスト3)”」とセカンドグレードの「X “SA III”」。試乗エリアは千葉の海浜幕張周辺で、前者は市街地主体、後者は拘束主体でドライブしてみた。ドライブ条件は2名乗車、エアコンON。
最初に乗ったのはG。ドライブを始めてまず感じるのが、宿命のライバルであるスズキ『アルト』と同様、大幅なダイエットによってクルマの動き出しが軽くなったこと。CVT(無段変速機)のトルクコンバーターのチューニングがアルトよりマイルド方向に振られており、アルトのようにブレーキペダルを放しただけでクリープ現象でずいずいと加速する感覚はないが、スロットルペダルをちょいと踏み込んでやればエンジン回転が低いまま軽やかにスピードが乗る。
エンジンは49ps/5.8kgmとミニマムに近い能力しか持たないが、ライトウェイトボディにはこれで十分で、市街地走行での速度レンジであれば、転がすのに何の不都合もないであろう。また、エンジン音の室内への透過もよく抑えられている。
乗り心地は路面状況次第だ。舗装状況の良い場所では、軽ベーシックとしてはかなり滑らかな部類に入る。車両重量の軽いクルマを作るうえで難しいのは、乗り心地がヒョコついたものになりがちなことだが、新型ミライースの乗り心地はアルトに比べると格段にフラット感の高いものだった。地方部においてはライースクラスの軽自動車でも、流れのそこそこ速い地方道を数十km移動するといった使われ方はごく普通。そういうドライブに最低限必要な快適性は十分に備わっていると感じられた。
ミライースの苦手科目は路面のざらつきや段差がきついところ。ドライブ中、ちょっと石畳的な路面の住宅地も走ってみたが、そういうところではアルトよりガタつきが強く感じられる。また、減速を促すためキャッツアイが埋め込まれた箇所の乗り越えでは突き上げもアルトに比べると大きかった。良路での乗り心地向上のため、急激な入力を吸収するための部品であるサスペンションのアッパーマウントラバーをかなり柔らかめにチューンしているようで、それが良いほうにも悪いほうにも作用しているという感があった。
市街地での取り回しの良さは言うことなし。スペック上の最小回転半径は4.4mと、目立って良好というものではないが、オーバーハングが短いため、同じ数値の普通車より明らかに小回りがきく。撮影のため市街地でUターンすることが何度かあったが、片側1車線でも幅員に余裕がある場所ではぐりっと一発で回ることができた。
平均燃費計の値はホットスタート、市街路オンリーで22.7km/リットル。同条件で比べたわけではないが、アルトとの比較ではやや落ちる印象だった。もっとも、絶対的には不満のない水準で、燃料代の心配をしながら走るということは皆無だろう。
次に乗ったのは「X」で、住宅地で軽く撮影をした後、高速道路をしばしクルーズしてみた。果たして、ミライースの高速巡航性能やフィールは、思ったより良いものだった。成田空港に向かう東関東自動車道は交通の流れがやや速めだが、車両姿勢はとても落ち着いており、滑らかなクルーズを行うことができた。この点はアルトを大きく凌駕している部分だった。ただし、ロードノイズはかなり騒々しい。
アルトに負けているのは、車体が上下に大きく煽られるようなアンジュレーション(路面のうねり)を通過するときで、サスペンションのストロークを使い切り気味になってしまう。Gの市街路走行もあわせて考えると、さしずめミライースは良路の快適さ重視、アルトはトータルバランス重視というイメージだった。時折、東関道の追い越し車線も走ったりと、軽自動車の自然吸気モデルにはちょっと厳しいクルーズパターンであったが、平均燃費計値は22.3km/リットルと、悪くないものだった。
総じて新型ミライースは、コンディションの悪い路面での乗り心地低下など欠点もあるものの、低価格軽自動車としては十分に使いでのあるクルマと言えそうだった。最上位のGはシートリフターやチルトステアリングなど、ドライビングポジションを調節する機能があるので、そこそこの距離を乗るというカスタマー向け、Xは近距離向けといえよう。
また、今回は未試乗だが、ショックアブゾーバーのスペックが低く、リアシートヘッドレストも省かれている下位グレードの「L」「B」も誤発進抑制や対人センシング機能がついた先進安全装備、スマートアシスト3は装備可能。価格はどちらもスマートアシスト3込みでも100万円を切る安さなので、1、2名乗車が主体ならそれにするのも手であろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★
(レスポンス 井元康一郎)
試乗したのはトップグレードの「G “SA III(スマートアシスト3)”」とセカンドグレードの「X “SA III”」。試乗エリアは千葉の海浜幕張周辺で、前者は市街地主体、後者は拘束主体でドライブしてみた。ドライブ条件は2名乗車、エアコンON。
最初に乗ったのはG。ドライブを始めてまず感じるのが、宿命のライバルであるスズキ『アルト』と同様、大幅なダイエットによってクルマの動き出しが軽くなったこと。CVT(無段変速機)のトルクコンバーターのチューニングがアルトよりマイルド方向に振られており、アルトのようにブレーキペダルを放しただけでクリープ現象でずいずいと加速する感覚はないが、スロットルペダルをちょいと踏み込んでやればエンジン回転が低いまま軽やかにスピードが乗る。
エンジンは49ps/5.8kgmとミニマムに近い能力しか持たないが、ライトウェイトボディにはこれで十分で、市街地走行での速度レンジであれば、転がすのに何の不都合もないであろう。また、エンジン音の室内への透過もよく抑えられている。
乗り心地は路面状況次第だ。舗装状況の良い場所では、軽ベーシックとしてはかなり滑らかな部類に入る。車両重量の軽いクルマを作るうえで難しいのは、乗り心地がヒョコついたものになりがちなことだが、新型ミライースの乗り心地はアルトに比べると格段にフラット感の高いものだった。地方部においてはライースクラスの軽自動車でも、流れのそこそこ速い地方道を数十km移動するといった使われ方はごく普通。そういうドライブに最低限必要な快適性は十分に備わっていると感じられた。
ミライースの苦手科目は路面のざらつきや段差がきついところ。ドライブ中、ちょっと石畳的な路面の住宅地も走ってみたが、そういうところではアルトよりガタつきが強く感じられる。また、減速を促すためキャッツアイが埋め込まれた箇所の乗り越えでは突き上げもアルトに比べると大きかった。良路での乗り心地向上のため、急激な入力を吸収するための部品であるサスペンションのアッパーマウントラバーをかなり柔らかめにチューンしているようで、それが良いほうにも悪いほうにも作用しているという感があった。
市街地での取り回しの良さは言うことなし。スペック上の最小回転半径は4.4mと、目立って良好というものではないが、オーバーハングが短いため、同じ数値の普通車より明らかに小回りがきく。撮影のため市街地でUターンすることが何度かあったが、片側1車線でも幅員に余裕がある場所ではぐりっと一発で回ることができた。
平均燃費計の値はホットスタート、市街路オンリーで22.7km/リットル。同条件で比べたわけではないが、アルトとの比較ではやや落ちる印象だった。もっとも、絶対的には不満のない水準で、燃料代の心配をしながら走るということは皆無だろう。
次に乗ったのは「X」で、住宅地で軽く撮影をした後、高速道路をしばしクルーズしてみた。果たして、ミライースの高速巡航性能やフィールは、思ったより良いものだった。成田空港に向かう東関東自動車道は交通の流れがやや速めだが、車両姿勢はとても落ち着いており、滑らかなクルーズを行うことができた。この点はアルトを大きく凌駕している部分だった。ただし、ロードノイズはかなり騒々しい。
アルトに負けているのは、車体が上下に大きく煽られるようなアンジュレーション(路面のうねり)を通過するときで、サスペンションのストロークを使い切り気味になってしまう。Gの市街路走行もあわせて考えると、さしずめミライースは良路の快適さ重視、アルトはトータルバランス重視というイメージだった。時折、東関道の追い越し車線も走ったりと、軽自動車の自然吸気モデルにはちょっと厳しいクルーズパターンであったが、平均燃費計値は22.3km/リットルと、悪くないものだった。
総じて新型ミライースは、コンディションの悪い路面での乗り心地低下など欠点もあるものの、低価格軽自動車としては十分に使いでのあるクルマと言えそうだった。最上位のGはシートリフターやチルトステアリングなど、ドライビングポジションを調節する機能があるので、そこそこの距離を乗るというカスタマー向け、Xは近距離向けといえよう。
また、今回は未試乗だが、ショックアブゾーバーのスペックが低く、リアシートヘッドレストも省かれている下位グレードの「L」「B」も誤発進抑制や対人センシング機能がついた先進安全装備、スマートアシスト3は装備可能。価格はどちらもスマートアシスト3込みでも100万円を切る安さなので、1、2名乗車が主体ならそれにするのも手であろう。
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