【ランドローバー ディスカバリー 試乗】レンジローバー並、このプレミアム感はハンパじゃない…諸星陽一
5代目となった新型『ディスカバリー』の試乗会。試乗車として用意されていた上級モデルの「HSEラグジュアリー」に乗り込むと、驚きの光景が目に飛び込んだ。
4代目ディスカバリーですでに高級車の仲間入りをしていたディスカバリーだが、今回のモデルのプレミアム感はハンパじゃない。レンジローバーを知らない人に、「ほらレンジローバーだよ」と言ったら、信じてしまうだろう高級感にあふれている。水平基調のインパネに取り付けられたアナログメーターというコンベンショナルなスタイルは、いかにも高級車の堂々とした雰囲気だ。
試乗車はオプションのサードシートが装着され3列シート仕様となっていた。3列のシートすべてを使える状態としてしまうとラゲッジはほぼ存在しない。ブリーフケースを3つ程度入れられる容量だ。試乗車は電動式のシートフォールド機構を持ち、サードシート、セカンドシートともに完全にフラットとすることが可能。両シートともに完全にフラットとした場合は、2406リットルと広大なラゲッジスペースを得ることができる。
ガソリンエンジン車は軽々と回るエンジンで軽快な走りを手に入れることができる。最高出力は340馬力でディーゼルの258馬力よりも約80馬力高い、ただしトルクは450Nmとディーゼルの600Nmよりも低め。ガソリン車のファイナルギヤ比はディーゼルよりも高い(軽い)設定なので、エンジン回転で速度が上がる感覚となるのだろう。
サスペションはよく動くタイプで、舗装路でも乗り心地はいい。路面が大きくうねっている場合は、それなりにロールが出るが、車高やクルマの成り立ちを考えれば十分に理解できる範囲だ。
「ファーストエディション」という限定車でスキー場のゲレンデ(もちろん雪は積もっていない)を走る機会を得た。ファーストエディションにはオール・ティレイン・プログレス・コントロール(ATPC)と呼ばれる装置が付けられていた。この装置は、2~30km/hの範囲で作動するオフロード用のクルーズコントロールのようなもので、速度を設定すると登りも下りもその速度を維持して走行する。このためドライバーはステアリング操作に集中することができる。荒れた道を走ることはできなかったが、急勾配のゲレンデを楽々と登り下りできたことで、あらためてクロスカントリー性能の高さを感じとることができた。
ガソリンHSEラグジュアリーのオプションなしで881万円という価格は、クロスカントリー性能の高いSUVとしてだけみると少々高いイメージがあるが、レンジローバーを感じられるモデルが1000万円を切ると考えるとそれなりにリーズナブルなのかもしれない…。しかし、絶対値で考えれば…やはり…だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
4代目ディスカバリーですでに高級車の仲間入りをしていたディスカバリーだが、今回のモデルのプレミアム感はハンパじゃない。レンジローバーを知らない人に、「ほらレンジローバーだよ」と言ったら、信じてしまうだろう高級感にあふれている。水平基調のインパネに取り付けられたアナログメーターというコンベンショナルなスタイルは、いかにも高級車の堂々とした雰囲気だ。
試乗車はオプションのサードシートが装着され3列シート仕様となっていた。3列のシートすべてを使える状態としてしまうとラゲッジはほぼ存在しない。ブリーフケースを3つ程度入れられる容量だ。試乗車は電動式のシートフォールド機構を持ち、サードシート、セカンドシートともに完全にフラットとすることが可能。両シートともに完全にフラットとした場合は、2406リットルと広大なラゲッジスペースを得ることができる。
ガソリンエンジン車は軽々と回るエンジンで軽快な走りを手に入れることができる。最高出力は340馬力でディーゼルの258馬力よりも約80馬力高い、ただしトルクは450Nmとディーゼルの600Nmよりも低め。ガソリン車のファイナルギヤ比はディーゼルよりも高い(軽い)設定なので、エンジン回転で速度が上がる感覚となるのだろう。
サスペションはよく動くタイプで、舗装路でも乗り心地はいい。路面が大きくうねっている場合は、それなりにロールが出るが、車高やクルマの成り立ちを考えれば十分に理解できる範囲だ。
「ファーストエディション」という限定車でスキー場のゲレンデ(もちろん雪は積もっていない)を走る機会を得た。ファーストエディションにはオール・ティレイン・プログレス・コントロール(ATPC)と呼ばれる装置が付けられていた。この装置は、2~30km/hの範囲で作動するオフロード用のクルーズコントロールのようなもので、速度を設定すると登りも下りもその速度を維持して走行する。このためドライバーはステアリング操作に集中することができる。荒れた道を走ることはできなかったが、急勾配のゲレンデを楽々と登り下りできたことで、あらためてクロスカントリー性能の高さを感じとることができた。
ガソリンHSEラグジュアリーのオプションなしで881万円という価格は、クロスカントリー性能の高いSUVとしてだけみると少々高いイメージがあるが、レンジローバーを感じられるモデルが1000万円を切ると考えるとそれなりにリーズナブルなのかもしれない…。しかし、絶対値で考えれば…やはり…だ。
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