【VW up! 試乗】うーーーん、MTとして乗ればいいクルマなのだが…諸星陽一
フォルクスワーゲンのラインアップのなかでもっともコンパクトとなる『up!(アップ)』が装備を充実するなどした。
up!は2012年の日本導入時にすでに自動ブレーキなどの安全機構を搭載していたが、今回のマイナーチェンジでオートライトや、レインセンサー、フルオートエアコンの採用、ナビやオーディオのグレードアップなどが行われた。
基本的に走りに影響するスペックには変更がない。試乗車は上級モデルとなるhigh up!で、タイヤサイズが185/55R15とベーシックなモデルに対して1サイズ太くなっている。up!のコンパクトなボディを見ると、こんなに小さくて大丈夫? と思う人も多いだろうが、じつはボディは非常に高い剛性を持っている。単純な話、同じ鉄板なら面積が小さいほど曲げにくいのだからコンパクトなクルマは剛性を確保しやすい。そうした高いボディ剛性に助けられて、185/55R15サイズのタイヤの性能は十分に引き出され、コーナリングはシャープで気持ちのいいフィーリングを披露してくれる。
シャシーの性能はかなり高く申し分のないものなのだが、パワートレインにはどうしても納得のいかない部分がある。それは、採用されているミッション。up!のミッションはASGと呼ばれるロボAT。ASGは普通のクラッチ付きMTを自動制御するもの。クルマがクラッチ操作を含めて変速をする。加速のためアクセルを踏み続けると、シフトアップのときにクラッチが切れトルクが抜けてしまうのだ。クルマ任せにしないで、マニュアル操作すればさほど気にならないのだが、それではASGの意味がない。
このASGならばCVTのほうがよほど快適だし、日本にはもっと優秀なものがある。ヨーロッパではMTが人気で、MTらしいものが好まれるという傾向はあるだろうが、日本市場でこのASGはやはりマッチングが悪い。コツをつかんで走ることを楽しむなら、エンジンパワーがもう少しあるとか、リヤ駆動でちょっとしたお遊びができるとか…そうしたオプション的なものがほしい。FFで実用的で…というクルマならこのミッションは改善するべきだろう。時代が変わったこともあり、初期モデルとは★の数も変化した。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
up!は2012年の日本導入時にすでに自動ブレーキなどの安全機構を搭載していたが、今回のマイナーチェンジでオートライトや、レインセンサー、フルオートエアコンの採用、ナビやオーディオのグレードアップなどが行われた。
基本的に走りに影響するスペックには変更がない。試乗車は上級モデルとなるhigh up!で、タイヤサイズが185/55R15とベーシックなモデルに対して1サイズ太くなっている。up!のコンパクトなボディを見ると、こんなに小さくて大丈夫? と思う人も多いだろうが、じつはボディは非常に高い剛性を持っている。単純な話、同じ鉄板なら面積が小さいほど曲げにくいのだからコンパクトなクルマは剛性を確保しやすい。そうした高いボディ剛性に助けられて、185/55R15サイズのタイヤの性能は十分に引き出され、コーナリングはシャープで気持ちのいいフィーリングを披露してくれる。
シャシーの性能はかなり高く申し分のないものなのだが、パワートレインにはどうしても納得のいかない部分がある。それは、採用されているミッション。up!のミッションはASGと呼ばれるロボAT。ASGは普通のクラッチ付きMTを自動制御するもの。クルマがクラッチ操作を含めて変速をする。加速のためアクセルを踏み続けると、シフトアップのときにクラッチが切れトルクが抜けてしまうのだ。クルマ任せにしないで、マニュアル操作すればさほど気にならないのだが、それではASGの意味がない。
このASGならばCVTのほうがよほど快適だし、日本にはもっと優秀なものがある。ヨーロッパではMTが人気で、MTらしいものが好まれるという傾向はあるだろうが、日本市場でこのASGはやはりマッチングが悪い。コツをつかんで走ることを楽しむなら、エンジンパワーがもう少しあるとか、リヤ駆動でちょっとしたお遊びができるとか…そうしたオプション的なものがほしい。FFで実用的で…というクルマならこのミッションは改善するべきだろう。時代が変わったこともあり、初期モデルとは★の数も変化した。
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オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
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