【ランドローバー ディスカバリー 試乗】最上級のしたたかさと快適性を確保…島崎七生人
もともと初代『ディスカバリー』は初代『レンジローバー』と多くのパーツを共用して生まれた、いわばディフュージョン版だった。なので両車に“同じ味わい”はあって当然。ライバル車に差をつけるランドローバー車らしいオフロード性能の高さも然り、だ。
新型では『ディスカバリースポーツ』との違いも気になるところ。実際には『ディスカバリー』のほうが全長+360mm、全幅+105mm、全高+170(+165)mmとボディサイズは豊かで、ホイールベースも185mm長い。写真などでパッと見ただけではデザインの近似性から「どこが違うの?」と思うが、実際のところ“名義”は同じだが違いはかなりある。
なお“4”までとのルックスの変貌ぶりは大だが、キックアップしたルーフ形状、左右非対象デザインのバックドア(ナンバープレート部)始め、黒塗りのAピラー、クラムシェルボンネットなど“ディスコ”の外観上のデザイン要素は残されている。全体としては、ゴツゴツと自然と対峙するのではなく、しなやかに自然に溶け込む…そんな印象のスタイリングだ。
インテリアも“スポーツ”とは異なる独自のデザイン。ステアリングポストと着座位置に対しウエストラインが低く周囲が見渡せる独自の“コマンドドライビングポジション”は健在。パワーウインドスイッチは、相変わらずドアトリム上面にある。ステアリングホイールのリム断面形状は新しく、よりオンロードを意識している風。室内空間は天井の高さは驚くほどではなくなり、シートはシアターレイアウトになっているが、2列目の1列目に対する高さの差は、以前よりも小さめ。3列目は床に対し座面がやや低めだがスペースは巧みに稼いである。
10.2インチ画面で操作、表示が可能なインフォテイメントは今どきの装備。このタッチスクリーン(や荷物のスイッチ)に加え、スマホからのリモコン操作で2、3列目シートの展開を遠隔操作できるインテリジェント・シート・フォールド機能も注目だ(同機能と3列目シートはオプション設定)。最大2406リットルというラゲッジスペースには電動のテールゲートからのアクセスができる。ほかにも贅沢装備が満載で、カタログの装備一覧表は実に14ページ(!)に及ぶほど。もはや『レンジローバー』にヒケをとらない充実ぶりだ。
肝心の走りも、オン/オフ問わず最上級の快適性、したたかさを確保している。試乗はスキー場のゲレンデ、約40度という急坂を降りる体験も含めて行なえた。その結果、先代ー360kgの軽量モノコックボディ(85%がアルミという)により身のこなしをスッキリさせた上、ATPC(2~30km/hでクルーズコントロールのように作動する)、進化したテレインレスポンス等の効果で、オフロードでもまったく危なげなく走り切れることを確認。
新型ではガソリン(スーパーチャージャー)、ディーゼル(ターボ)とも3リットルのV6で、車重はガソリン車のほうが20kg軽い。が、ガソリン車同様にディーゼルも、ランドローバー車らしい人が歩くような速度からアクセル操作に従順で、舗装道、ワインディング、高速走行もごくスムースな加速、サルーンのように、しなやかで快適な乗り味を示してくれた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
新型では『ディスカバリースポーツ』との違いも気になるところ。実際には『ディスカバリー』のほうが全長+360mm、全幅+105mm、全高+170(+165)mmとボディサイズは豊かで、ホイールベースも185mm長い。写真などでパッと見ただけではデザインの近似性から「どこが違うの?」と思うが、実際のところ“名義”は同じだが違いはかなりある。
なお“4”までとのルックスの変貌ぶりは大だが、キックアップしたルーフ形状、左右非対象デザインのバックドア(ナンバープレート部)始め、黒塗りのAピラー、クラムシェルボンネットなど“ディスコ”の外観上のデザイン要素は残されている。全体としては、ゴツゴツと自然と対峙するのではなく、しなやかに自然に溶け込む…そんな印象のスタイリングだ。
インテリアも“スポーツ”とは異なる独自のデザイン。ステアリングポストと着座位置に対しウエストラインが低く周囲が見渡せる独自の“コマンドドライビングポジション”は健在。パワーウインドスイッチは、相変わらずドアトリム上面にある。ステアリングホイールのリム断面形状は新しく、よりオンロードを意識している風。室内空間は天井の高さは驚くほどではなくなり、シートはシアターレイアウトになっているが、2列目の1列目に対する高さの差は、以前よりも小さめ。3列目は床に対し座面がやや低めだがスペースは巧みに稼いである。
10.2インチ画面で操作、表示が可能なインフォテイメントは今どきの装備。このタッチスクリーン(や荷物のスイッチ)に加え、スマホからのリモコン操作で2、3列目シートの展開を遠隔操作できるインテリジェント・シート・フォールド機能も注目だ(同機能と3列目シートはオプション設定)。最大2406リットルというラゲッジスペースには電動のテールゲートからのアクセスができる。ほかにも贅沢装備が満載で、カタログの装備一覧表は実に14ページ(!)に及ぶほど。もはや『レンジローバー』にヒケをとらない充実ぶりだ。
肝心の走りも、オン/オフ問わず最上級の快適性、したたかさを確保している。試乗はスキー場のゲレンデ、約40度という急坂を降りる体験も含めて行なえた。その結果、先代ー360kgの軽量モノコックボディ(85%がアルミという)により身のこなしをスッキリさせた上、ATPC(2~30km/hでクルーズコントロールのように作動する)、進化したテレインレスポンス等の効果で、オフロードでもまったく危なげなく走り切れることを確認。
新型ではガソリン(スーパーチャージャー)、ディーゼル(ターボ)とも3リットルのV6で、車重はガソリン車のほうが20kg軽い。が、ガソリン車同様にディーゼルも、ランドローバー車らしい人が歩くような速度からアクセル操作に従順で、舗装道、ワインディング、高速走行もごくスムースな加速、サルーンのように、しなやかで快適な乗り味を示してくれた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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