【レンジローバー ヴェラール 試乗】マルチパーパス性が懐の深さを生んでいる…諸星陽一
SUV専門ブランドのランドローバーの最上級モデルであるレンジローバーの第4弾として市場導入したのがレンジローバー『ヴェラール』。
ランドローバーはデュアルパーパスの『ディフェンダー』(現在新型を開発中)、レジャーの『ディスカバリー』、そして最上位にラグジュアリーの『レンジローバー』をポジショニングしている。このヴェラールはレンジローバーとしては4機種目にあたり、サイズ的には(レンジローバーとして)コンパクトの『イヴォーク』の上のミディアムという設定。ヴェラールの上にはラージの「スポーツ」、その上はトラディショナルの「レンジローバー」となる。
ヴェラールはジャガー『Fペイス』とプラットフォームを共用するモデルで、ボディサイズは全長が4820mm、全幅が1930mm、全高が1685mmとミディアムとはいえ、十分にボリュームがある。ヴェラールには380馬力の3リットルガソリンスーパーチャージャー、300馬力の2リットルガソリンターボ、250馬力の2リットルガソリンターボ、180馬力の2リットルディーゼルターボの4種のエンジンが用意される。
内外装ともにフラッシュサーフェスされたデザインが採用されていて、まるでショーモデルのような未来感にあふれている。SUVというとスイッチが多いインパネまわりというイメージがあるが、物理スイッチの数はびっくりするほどに少ない。
試乗モデルはもっともパワフルな380馬力仕様。車重は2トンと重いが、さすがの高出力仕様。車重などものともせずに走る。上り坂もフラットな道のように、ビシビシ走ってくれる。エンジン音も軽快で、クルマを走らせているという実感にあふれている。
乗り味は上質で大きな路面のうねりも荒れた路面も上手に吸収してくれる。試乗車のタイヤはピレリスコーピオンで、ほかのクルマに付いているときはあまりいい印象ではなかったが、このヴェラールとの組み合わせではネガティブなフィールを感じることはなく、シャシー性能は懐が深い、レンジローバーはSUVであり、さまざまな路面状況に対応する走行モード選択機構のテレインレスポンスも装備されるが、日本での状況を考えたらほぼ99%がオンロードでの使用となるだろう。しかし、そのマルチパーパス性が懐の深さを生んでいるのもまた事実だ。
レーンキープ機構を使っている際にはみ出していくとステアリングに振動を与えて注意を促すが、このときにボディまでが共振してしまい家鳴りするのがちょっと気になる部分。また、もっともベーシックなモデルが699万円、最高級モデルは1526万円という価格設定なのにも関わらず、ステアリング調整がマニュアル式というのはちょっといただけない感じがした。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
ランドローバーはデュアルパーパスの『ディフェンダー』(現在新型を開発中)、レジャーの『ディスカバリー』、そして最上位にラグジュアリーの『レンジローバー』をポジショニングしている。このヴェラールはレンジローバーとしては4機種目にあたり、サイズ的には(レンジローバーとして)コンパクトの『イヴォーク』の上のミディアムという設定。ヴェラールの上にはラージの「スポーツ」、その上はトラディショナルの「レンジローバー」となる。
ヴェラールはジャガー『Fペイス』とプラットフォームを共用するモデルで、ボディサイズは全長が4820mm、全幅が1930mm、全高が1685mmとミディアムとはいえ、十分にボリュームがある。ヴェラールには380馬力の3リットルガソリンスーパーチャージャー、300馬力の2リットルガソリンターボ、250馬力の2リットルガソリンターボ、180馬力の2リットルディーゼルターボの4種のエンジンが用意される。
内外装ともにフラッシュサーフェスされたデザインが採用されていて、まるでショーモデルのような未来感にあふれている。SUVというとスイッチが多いインパネまわりというイメージがあるが、物理スイッチの数はびっくりするほどに少ない。
試乗モデルはもっともパワフルな380馬力仕様。車重は2トンと重いが、さすがの高出力仕様。車重などものともせずに走る。上り坂もフラットな道のように、ビシビシ走ってくれる。エンジン音も軽快で、クルマを走らせているという実感にあふれている。
乗り味は上質で大きな路面のうねりも荒れた路面も上手に吸収してくれる。試乗車のタイヤはピレリスコーピオンで、ほかのクルマに付いているときはあまりいい印象ではなかったが、このヴェラールとの組み合わせではネガティブなフィールを感じることはなく、シャシー性能は懐が深い、レンジローバーはSUVであり、さまざまな路面状況に対応する走行モード選択機構のテレインレスポンスも装備されるが、日本での状況を考えたらほぼ99%がオンロードでの使用となるだろう。しかし、そのマルチパーパス性が懐の深さを生んでいるのもまた事実だ。
レーンキープ機構を使っている際にはみ出していくとステアリングに振動を与えて注意を促すが、このときにボディまでが共振してしまい家鳴りするのがちょっと気になる部分。また、もっともベーシックなモデルが699万円、最高級モデルは1526万円という価格設定なのにも関わらず、ステアリング調整がマニュアル式というのはちょっといただけない感じがした。
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