【アイサイト ツーリングアシスト 公道試乗】高速道路をロングドライブするなら迷わず選びたい…丸山誠
以前テストコースでのアイサイト・ツーリングアシスト(以下ツーリングアシスト)の試乗インプレッションをお届けしたが、今回は公道でどの程度使えるかを試してみた。
都内の一般道から首都高速に乗り、渋滞路を走る予定だが、スマートフォンで交通情報を見るとレインボーブリッジを通り湾岸線を走る推奨試乗コースに渋滞がない。試乗でわざわざ渋滞地点を走るのは異例だが、このシステムは渋滞時などの低速走行時もレーンキープしてステアリングをアシストするのが特徴。
見つけたのは箱崎JCTとその先の6号線下りの渋滞。早速、箱崎に向けて出発した。高速に入ってすぐにツーリングアシストのステアリングスイッチを入れて機能をアクティブにした。追従時の車間は、制御が難しくなりやすい一番短い距離にして走ると、60km/hほどの流れに合わせてうまく前走車についていく。
加減速がスムーズで前走車が減速しても車間距離が急に縮まらないため安心して走ることができる。もちろんこのシステムもあくまで運転のアシストなのでいつでもブレーキとステアレング操作ができるようにすることが大切だ。箱崎に近くなると停止と発進を繰り返す“理想的な渋滞゛にはまる。
車間が詰まって車線を確認しづらい状況だが、システムが先行車をとらえて追従走行する。ツーリングは60km/h以下でもレーンキープを行うのが特徴で、車線を検知できなくても先行車に付いていき、ステアリングアシストも行ってくれる。
メーター内のマルチインフォメーションディスプレイとインパネセーターの5.9インチの大型マルチファンクションディスプレイにも作動状況が表示される。特にセンターの大型ディスプレイは助手席や後席に座る人でも制御状態がわかるため、リラックスして同乗することができるのがメリット。
箱崎はそれほどもカーブがきつくないこともあってステアリング制御が外れることはなく、先行車についていくことができた。首都高以外の高速道路はアールが緩やかなため、ほとんどの渋滞で使えるはず。3秒以内の停止なら自動で追従を開始するのもうれしい点。
疲労が軽減されることで安全運転につながるわけだ。箱崎を過ぎてクルマの流れがよくなると不思議なことが起こった。両手で軽くステアリングを握っていたが、クルマからステアリングを持てという表示が出た。ツーリングアシストもそうだが多くのシステムは、ステアリングのトルクの変化を検知して握っているか判断する。
ステアリングを軽く握っていて、システムと操舵がシンクロすると両手で持っていてもこのような表示が出る。これはエンジニアも理解していて、将来はステアリングにタッチセンサーなどを付けるなどしないと解決は難しいという。まあ、表示が出でもすぐにシステム解除にはならないので、ちょっとステアリングを動かせば制御を継続する。
軽く握っていると気づくが、高速域でのステアリング制御はもう少しスムーズだとより違和感がない。微妙な制御だが、この辺はメルセデスベンツの『Eクラス』やBMW『5シリーズ』のほうが洗練されている。エンジニアによるとソフトの変更でもっとフィールは向上させられるが、その先はステアリングシステム自体の変更が必要かもしれないという。
今回、ステアリングシステムを変更してステアリングモーターとECUを一体化し、軽量化したが、プレミアムクラスの操舵フィールとは微妙な違いがある。もっとも車両価格が大幅に違うので、この価格帯のなかでは高性能なステアリングアシストなのは間違いない。
流れがいい高速での追従性やレーンキープは安定していて、ドライバーに安心感を与えてくれる。中央環状線を走って5号線に入るとステアリングアシストが切れることが度々あった。理由は2つ。流れがいいため、それに合わせたままカーブに入ると横Gが高まり、制御範囲の0.2Gを超えてしまったからだ。
もう1つは路面のカラー舗装。首都高は事故が多い地点などを注意喚起のために赤いカラー(薄層舗装)にしているが、ここでの車線がイエローのため車線を認識しなくなる。そのためステアリングアシストが解除されてしまう。ツーリングアシストを含めたアイサイトは、車線を路面のコントラストを検知しているため赤い舗装と黄色車線は認識しづらいらしい。
こうした運転支装備を搭載したクルマが多くなると、道路会社も舗装のカラー化が本当に安全に寄与するのか一考が必要だ。
今回の変更で『レヴォーグ』は、乗り心地と静粛性を大幅に向上させた。初期型はリヤサスの突き上げが大きく、ピッチングが大きかったが、首都高の段差では突き上げ感がほとんどなくフラットな乗り心地になった。ドアガラスの板厚を3.5mmから4mmに厚くし、ウエザーストリップも変更したためトラックなどと並走してもノイズをかなり遮断できる。
プロパイロットを装備した新型『リーフ』には、まだ試乗していないが、国産車で東京から大阪まで高速道路をロングドライブするなら迷わずレヴォーグを選ぶ。ツーリングアシストは実用性が高い運転支援装置であり、先進安全装備だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。
(レスポンス 丸山 誠)
都内の一般道から首都高速に乗り、渋滞路を走る予定だが、スマートフォンで交通情報を見るとレインボーブリッジを通り湾岸線を走る推奨試乗コースに渋滞がない。試乗でわざわざ渋滞地点を走るのは異例だが、このシステムは渋滞時などの低速走行時もレーンキープしてステアリングをアシストするのが特徴。
見つけたのは箱崎JCTとその先の6号線下りの渋滞。早速、箱崎に向けて出発した。高速に入ってすぐにツーリングアシストのステアリングスイッチを入れて機能をアクティブにした。追従時の車間は、制御が難しくなりやすい一番短い距離にして走ると、60km/hほどの流れに合わせてうまく前走車についていく。
加減速がスムーズで前走車が減速しても車間距離が急に縮まらないため安心して走ることができる。もちろんこのシステムもあくまで運転のアシストなのでいつでもブレーキとステアレング操作ができるようにすることが大切だ。箱崎に近くなると停止と発進を繰り返す“理想的な渋滞゛にはまる。
車間が詰まって車線を確認しづらい状況だが、システムが先行車をとらえて追従走行する。ツーリングは60km/h以下でもレーンキープを行うのが特徴で、車線を検知できなくても先行車に付いていき、ステアリングアシストも行ってくれる。
メーター内のマルチインフォメーションディスプレイとインパネセーターの5.9インチの大型マルチファンクションディスプレイにも作動状況が表示される。特にセンターの大型ディスプレイは助手席や後席に座る人でも制御状態がわかるため、リラックスして同乗することができるのがメリット。
箱崎はそれほどもカーブがきつくないこともあってステアリング制御が外れることはなく、先行車についていくことができた。首都高以外の高速道路はアールが緩やかなため、ほとんどの渋滞で使えるはず。3秒以内の停止なら自動で追従を開始するのもうれしい点。
疲労が軽減されることで安全運転につながるわけだ。箱崎を過ぎてクルマの流れがよくなると不思議なことが起こった。両手で軽くステアリングを握っていたが、クルマからステアリングを持てという表示が出た。ツーリングアシストもそうだが多くのシステムは、ステアリングのトルクの変化を検知して握っているか判断する。
ステアリングを軽く握っていて、システムと操舵がシンクロすると両手で持っていてもこのような表示が出る。これはエンジニアも理解していて、将来はステアリングにタッチセンサーなどを付けるなどしないと解決は難しいという。まあ、表示が出でもすぐにシステム解除にはならないので、ちょっとステアリングを動かせば制御を継続する。
軽く握っていると気づくが、高速域でのステアリング制御はもう少しスムーズだとより違和感がない。微妙な制御だが、この辺はメルセデスベンツの『Eクラス』やBMW『5シリーズ』のほうが洗練されている。エンジニアによるとソフトの変更でもっとフィールは向上させられるが、その先はステアリングシステム自体の変更が必要かもしれないという。
今回、ステアリングシステムを変更してステアリングモーターとECUを一体化し、軽量化したが、プレミアムクラスの操舵フィールとは微妙な違いがある。もっとも車両価格が大幅に違うので、この価格帯のなかでは高性能なステアリングアシストなのは間違いない。
流れがいい高速での追従性やレーンキープは安定していて、ドライバーに安心感を与えてくれる。中央環状線を走って5号線に入るとステアリングアシストが切れることが度々あった。理由は2つ。流れがいいため、それに合わせたままカーブに入ると横Gが高まり、制御範囲の0.2Gを超えてしまったからだ。
もう1つは路面のカラー舗装。首都高は事故が多い地点などを注意喚起のために赤いカラー(薄層舗装)にしているが、ここでの車線がイエローのため車線を認識しなくなる。そのためステアリングアシストが解除されてしまう。ツーリングアシストを含めたアイサイトは、車線を路面のコントラストを検知しているため赤い舗装と黄色車線は認識しづらいらしい。
こうした運転支装備を搭載したクルマが多くなると、道路会社も舗装のカラー化が本当に安全に寄与するのか一考が必要だ。
今回の変更で『レヴォーグ』は、乗り心地と静粛性を大幅に向上させた。初期型はリヤサスの突き上げが大きく、ピッチングが大きかったが、首都高の段差では突き上げ感がほとんどなくフラットな乗り心地になった。ドアガラスの板厚を3.5mmから4mmに厚くし、ウエザーストリップも変更したためトラックなどと並走してもノイズをかなり遮断できる。
プロパイロットを装備した新型『リーフ』には、まだ試乗していないが、国産車で東京から大阪まで高速道路をロングドライブするなら迷わずレヴォーグを選ぶ。ツーリングアシストは実用性が高い運転支援装置であり、先進安全装備だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。
(レスポンス 丸山 誠)
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