【スズキ スイフトスポーツ 試乗】ゴキゲンなエンジンをピュアに楽しむならMTを…島崎七生人

スズキ スイフトスポーツ
Bセグのホットハッチというと、欧州ライバル車の車名が思い浮かぶ。新型『スイフト スポーツ』は、それらに対し圧倒的に手頃な価格設定で、本気の挑戦をしかけてきた…といったところか。

注目なのはボディサイズだ。標準の『スイフト』に対しトレッドを前後とも30mm広げ、ボディも全幅が40mm幅広い(1735mmで3ナンバー化)。またヒップポイントは先代比で前ー20mm/後ー45mmと低く、こうした差で、走り出してステアリングを最初に切った瞬間から、ひとクラス上のクルマになった印象が、まずした。

外観、内装の専用化もかなりの度合い。外観はグリル形状など“構え”の差で“スポーツ”を主張。一方の内装は、メーターを始め赤の挿し色をちりばめホットな演出がされている。もちろん専用シートのホールド感は上々。ステアリングホイールは標準車と同じフラットボトムデザインだが、「RS」とも異なる革のあしらいと赤ステッチ、下半分のグリップ内側の艶あり黒の加飾が専用だ。

走らせた印象は、前述のとおり、標準の『スイフト』よりもひとまわり上の高性能車…そんなイメージ。引き締められた設定のサスペンションのポテンシャルの高さに、とくにその印象を持つ。

一方で、理屈抜きでこれはゴキゲン!と感じたのがエンジンだ。搭載するのは1.4リットルのターボエンジン(ハイオク仕様)で、140ps/23.4kgmの性能を発揮する。が、絶対性能は言うにおよばず、ドライバーの意のままにレスポンスしてくれる様が気持ちよく、このパワーフィールが味わえることこそ同車の価値と言えるほど。

なおATとMTの設定があり乗り較べたが、トルコンが介在しないMTのほうが、エンジン音、振動がよりピュアに感じられて好感が持てた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

(レスポンス 島崎七生人)

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