【ボルボ XC60 試乗】SUVの本家本流らしい説得力…島崎七生人
手堅いなあ…が第一印象。コンサバという意味ではなく、SUVの本家本流らしい説得力に満ちた一新というべきか。世界/日本市場のどちらも販売台数が右肩上がりだったという先代の流れは、この新型でもしっかり受け継がれるに違いない。
試乗車はT5の上位装備モデルの「T5 AWD インスクリプション」。実車を屋外で見るまでは「先代とどこが違うのだろう?」と思っていたスタイリングは、実際には相当に新鮮なものだった。
フロントマスクは最新のボルボ車のトレンド。さらに新プラットフォームの採用で、Aピラーの根元が先代より後方に引かれ、フロントガラスも幾分か角度が起こされたように見える。こうしたことで、ワンモーション的なフォルムで躍動感を表現していた先代に対し、折り目正しく(?)フォーマルな落ち着いた佇まいに変わったのが新型だ。
とはいえXCラインの中核(いずれ『XC40』も登場するだろう)として、走り、快適性、実用性のバランスポイントは程よい。全幅こそ1900mm台となったものの、走らせてみると『XC90』(や『V90クロスカントリー』)に較べ、クルマの反応はより“手の内”にある印象で(フードも見渡せる)、山道でも臆することなく…というより積極的にハンドリングを楽しませてくれる、そんなキャラクターが実感できる。
「T5」は4気筒の2リットルターボ(254ps/35.7kgm)の搭載を表わし、8速ATとAWDが組み合わせられるが、ふとアクセルを踏み込んだ際の反応も十二分で、パワーユニットの軽快感も堪能できる。
それと試乗車にはオプションのエアサスペンション(ドライビングモード選択式)がセットされていたが、これがいい。街中、山道、高速走行を問わず乗り味をよりしっとりとスムースなものにし、車格が上がったような、格段に快適なドライバビリティを提供してくれるからだ。また写真に示したとおり、停車しエンジンを止めると、車高を下げた状態になる(荷積モードならー50mm)。
運転席まわりのしつらえは、最新のボルボ車らしく上質でスマート。後席もおそらく先代よりもスペースのゆとりが増しており(とくに着座状態での肩口)、革シートも手で触れるとソフトな風合いで、座ると心地よく身体を受け止めてくれるもので、ここに座る家族への計らいも十分といえる。ラゲッジスペースは文句なしの広さで、1枚モノのフロアボードをサッと持ち上げると、その下のサブトランク部分もキレイに成型され、ちょっとした常備品などを収めておくのにも重宝しそうだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
試乗車はT5の上位装備モデルの「T5 AWD インスクリプション」。実車を屋外で見るまでは「先代とどこが違うのだろう?」と思っていたスタイリングは、実際には相当に新鮮なものだった。
フロントマスクは最新のボルボ車のトレンド。さらに新プラットフォームの採用で、Aピラーの根元が先代より後方に引かれ、フロントガラスも幾分か角度が起こされたように見える。こうしたことで、ワンモーション的なフォルムで躍動感を表現していた先代に対し、折り目正しく(?)フォーマルな落ち着いた佇まいに変わったのが新型だ。
とはいえXCラインの中核(いずれ『XC40』も登場するだろう)として、走り、快適性、実用性のバランスポイントは程よい。全幅こそ1900mm台となったものの、走らせてみると『XC90』(や『V90クロスカントリー』)に較べ、クルマの反応はより“手の内”にある印象で(フードも見渡せる)、山道でも臆することなく…というより積極的にハンドリングを楽しませてくれる、そんなキャラクターが実感できる。
「T5」は4気筒の2リットルターボ(254ps/35.7kgm)の搭載を表わし、8速ATとAWDが組み合わせられるが、ふとアクセルを踏み込んだ際の反応も十二分で、パワーユニットの軽快感も堪能できる。
それと試乗車にはオプションのエアサスペンション(ドライビングモード選択式)がセットされていたが、これがいい。街中、山道、高速走行を問わず乗り味をよりしっとりとスムースなものにし、車格が上がったような、格段に快適なドライバビリティを提供してくれるからだ。また写真に示したとおり、停車しエンジンを止めると、車高を下げた状態になる(荷積モードならー50mm)。
運転席まわりのしつらえは、最新のボルボ車らしく上質でスマート。後席もおそらく先代よりもスペースのゆとりが増しており(とくに着座状態での肩口)、革シートも手で触れるとソフトな風合いで、座ると心地よく身体を受け止めてくれるもので、ここに座る家族への計らいも十分といえる。ラゲッジスペースは文句なしの広さで、1枚モノのフロアボードをサッと持ち上げると、その下のサブトランク部分もキレイに成型され、ちょっとした常備品などを収めておくのにも重宝しそうだ。
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島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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