【ジープ コンパス 試乗】「リミテッド」と「ロンジチュード」の差は、意外と大きい…岩貞るみこ

ジープ コンパス ロンジチュード
フルモデルチェンジで、プレミアム感のエッセンスを入れられた『コンパス』。グレードの中核を担う「ロンジチュード」は、Aピラーからルーフラインにかけて黒く塗られ、SUVらしからぬシャープなボディラインを表現している。全高は1640mmと、弟分の『レネゲード』よりもわずかに低め。すらりとしたスタイルで勝負に出てきた。

ただし、このAピラー(窓枠)、内側から見るとナナメぶりと太さが気になる。ここにサイドミラーがついているので、死角が大きいのだ。「日本は北米に比べると歩行者事故が多いんだよ、横断歩道を渡っている子どもたちが左折巻き込みで犠牲になるんだよ」と心の中でつぶやきながら、次のフルモデルチェンジでは(って、いつ?)もう少し外が見やすくなるといいなと願うばかりである。

エンジンは2.4リットル。これに6ATが組み合わされているのだが、アクセルを踏み込んで、シフトダウンして加速するときのエンジン音が耳につく。サスペンションは、アスファルト路面を走っていると、ちょっと床の下がバタバタする感じ。アメリカの荒野、とまではいかなくともラフロードをゆったり流すほうが似合うかもしれない。

同じコンパスでも、4WDで9ATを搭載している「リミテッド」だと、加速もなめらか、シフトダウンしてエンジン回転数が上がっても音量は気にならず、なによりバタバタ感が抑えられている。走りにプレミアム感を感じたいなら、4WDのほうがおススメかもしれない。

さらに、ロンジチュードの装備で惜しいのは、オートライトとバックビューモニターが設定されていないこと。特にバックビューモニターは、女性ドライバーの必須アイテムになりつつあるので、4WDのリミテッドだけでなく、FFで燃費のいいロンジチュードにも早期導入を求めたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

(レスポンス 岩貞るみこ)

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