【日産 リーフ 試乗】航続アップは魅力だが、ワンペダルは発展途上…諸星陽一
2代目となった日産『リーフ』。今回のフルモデルチェンジはプラットフォーム、駆動系、さらにはドアパネルまでが先代のキャリーオーバー。基本的な乗り味には大きな変化はないが、全体として熟成度が上がっているという印象を受ける。
そうしたなかでもっとも大きな変化となったのが、アクセルペダルのセッティング。ワンペダルドライブと言われる方式が取り入れられた。アクセルペダルを戻すときに回生ブレーキが強く効き、さらには機械式ブレーキも作動し停止までの減速が行えるというもの。
この機能を理解しやすいように、試乗会では富士スピードウェイの近くにあるレーシングカートコースが用意された。コーナーに向かってアクセルペダルを戻すだけでコーナーにアプローチできる。ペースとしては全開(という表現は電気自動車ではおかしいが)の80%程度であればブレーキペダルを使わずに走ることができる。ピットインして停止するときも、ブレーキペダルを使わずに停止が可能となっている。
ブレーキペダルを踏まずに速度をコントロールでき、さらに停止までできてしまうのはたしかに便利で、ストレスレスでもある。しかし「それが果たしていいものか?」は疑問が残る部分。
たとえば、減速中に急ブレーキを踏まなくてはならない状況では、ペダル踏み替え分の時間がかかってしまう。また、ワンペダルで走ることがクセになってしまい、フットペダルが必要なときに踏まない、踏めないということも考えられる。だからだろうか? フットブレーキのフィーリングは非常に悪く、スポンジーである。いわゆる自動ブレーキとセットでという考え方もあるが、まだ発展途上と考えたい。
もうひとつの大きな変更点は40kWhと大型化されたバッテリーによって、一充電で400kmの航続が可能になったということ。JC08モードでのデータだが、半分しか走らないとしても200kmの航続距離が手に入ると考えたらこれはかなり使える。言ってみれば片道100kmの通勤でも問題がないということになる。
自宅や職場に普通充電器があれば問題がないが、そうでないとき多くの場合は急速充電器を使うことになる。市中の急速充電器と普通充電器が使い放題となるカードを月額2000円で手に入れることができるが、急速充電の多用は電池の劣化を早めることになる。我々は試乗車を急速充電しながら試乗して、便利だという印象を受けるが、オーナーになりバッテリー劣化を承知で急速充電を繰り返すのはあまり現実的ではない気がする。
オプションで選べる自動駐車はステアリング操作、前進~後退の切り替えなどすべてを自動で行うため、もたもたしている感じがなく、実用性が高いものとなった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
そうしたなかでもっとも大きな変化となったのが、アクセルペダルのセッティング。ワンペダルドライブと言われる方式が取り入れられた。アクセルペダルを戻すときに回生ブレーキが強く効き、さらには機械式ブレーキも作動し停止までの減速が行えるというもの。
この機能を理解しやすいように、試乗会では富士スピードウェイの近くにあるレーシングカートコースが用意された。コーナーに向かってアクセルペダルを戻すだけでコーナーにアプローチできる。ペースとしては全開(という表現は電気自動車ではおかしいが)の80%程度であればブレーキペダルを使わずに走ることができる。ピットインして停止するときも、ブレーキペダルを使わずに停止が可能となっている。
ブレーキペダルを踏まずに速度をコントロールでき、さらに停止までできてしまうのはたしかに便利で、ストレスレスでもある。しかし「それが果たしていいものか?」は疑問が残る部分。
たとえば、減速中に急ブレーキを踏まなくてはならない状況では、ペダル踏み替え分の時間がかかってしまう。また、ワンペダルで走ることがクセになってしまい、フットペダルが必要なときに踏まない、踏めないということも考えられる。だからだろうか? フットブレーキのフィーリングは非常に悪く、スポンジーである。いわゆる自動ブレーキとセットでという考え方もあるが、まだ発展途上と考えたい。
もうひとつの大きな変更点は40kWhと大型化されたバッテリーによって、一充電で400kmの航続が可能になったということ。JC08モードでのデータだが、半分しか走らないとしても200kmの航続距離が手に入ると考えたらこれはかなり使える。言ってみれば片道100kmの通勤でも問題がないということになる。
自宅や職場に普通充電器があれば問題がないが、そうでないとき多くの場合は急速充電器を使うことになる。市中の急速充電器と普通充電器が使い放題となるカードを月額2000円で手に入れることができるが、急速充電の多用は電池の劣化を早めることになる。我々は試乗車を急速充電しながら試乗して、便利だという印象を受けるが、オーナーになりバッテリー劣化を承知で急速充電を繰り返すのはあまり現実的ではない気がする。
オプションで選べる自動駐車はステアリング操作、前進~後退の切り替えなどすべてを自動で行うため、もたもたしている感じがなく、実用性が高いものとなった。
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諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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