【BMW X3 試乗】“しんなり”とした乗り味へと進化…島崎七生人
おやっ!?と思わせられたのは乗り味だった。SUV(BMWでは“SAV”と言う)であってもBMWらしい走りの味…従来のそんな“趣”が、やや違う感触に思えたから、だ。
具体的にいうと、異例なほど“しんなり”としていたのである。BMWといえば、なめらかだがボディの動きに無駄のない印象と、スパッ!と爽快なステアリングフィールが持ち味。ところが新型『X3』は、走り始めからクルマの動きがしんなりとして感じるのである。上級の『X5』や『5シリーズ』のセダンのラグジュアリーモデルを思わす上質で快適な乗り味に誰もが感じるはず。
標準採用されるタイヤは「YOKOHAMA ADVAN Sport V105」。クルマから降りて観察すると、ボディが路面に乗った状態でサイドウォールがかなり丸みを帯びていて、この“丸さ”も、しんなりとした乗り味に一役買っているのではないか…と感じた。
とはいえ、そういう“足”の設定でも、ワインディングをまったく危なげなく走り切るのはさすが。これまでのXシリーズ同様の、結果的にスポーティな身のこなしは健在…というより、より洗練度を高めている。
洗練度といえば試乗車が搭載する2リットルツインターボディーゼル(184ps/38.7kgm)+8速ATの仕事ぶりは、憎いほどに完璧。ジワッとアクセルを踏み込んだところからドライバーの意思どおりにクルマを動かすし、スピードレンジが高くても、まるでよくできたガソリン車を走らせているように、活き活きとした走りを見せる。エンジン振動の小ささも高級感がある。
インテリアは、BMWらしいドライバーを心地よく包み込む空間に仕立ててある。後席はやや硬めのシートクッションと的確なシェープで乗員の体を受け止めてくれ、サイドウインドのベルトラインが低めで、同乗者に明るい視界を提供しているのがいい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
具体的にいうと、異例なほど“しんなり”としていたのである。BMWといえば、なめらかだがボディの動きに無駄のない印象と、スパッ!と爽快なステアリングフィールが持ち味。ところが新型『X3』は、走り始めからクルマの動きがしんなりとして感じるのである。上級の『X5』や『5シリーズ』のセダンのラグジュアリーモデルを思わす上質で快適な乗り味に誰もが感じるはず。
標準採用されるタイヤは「YOKOHAMA ADVAN Sport V105」。クルマから降りて観察すると、ボディが路面に乗った状態でサイドウォールがかなり丸みを帯びていて、この“丸さ”も、しんなりとした乗り味に一役買っているのではないか…と感じた。
とはいえ、そういう“足”の設定でも、ワインディングをまったく危なげなく走り切るのはさすが。これまでのXシリーズ同様の、結果的にスポーティな身のこなしは健在…というより、より洗練度を高めている。
洗練度といえば試乗車が搭載する2リットルツインターボディーゼル(184ps/38.7kgm)+8速ATの仕事ぶりは、憎いほどに完璧。ジワッとアクセルを踏み込んだところからドライバーの意思どおりにクルマを動かすし、スピードレンジが高くても、まるでよくできたガソリン車を走らせているように、活き活きとした走りを見せる。エンジン振動の小ささも高級感がある。
インテリアは、BMWらしいドライバーを心地よく包み込む空間に仕立ててある。後席はやや硬めのシートクッションと的確なシェープで乗員の体を受け止めてくれ、サイドウインドのベルトラインが低めで、同乗者に明るい視界を提供しているのがいい。
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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